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野薔薇怪異談M【完結】
90話「金縛り男」
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「1」
ーー「鐘技家」ーー
「友紀」とおばあさまが私の名前を呼んで私は姿勢を正して正座する。
「はい」
「おまえは今年で何歳になる」
「……15になる……ります」
「よろしい。もっともお家柄にだらしなさを誰も見せてはいけませんよ。あとその口調の乱れも」
「う。善処いたします」
「私から以上だね。明日から念願の高校生だ。羽目を外さないようにね」
「はい」
そのおばあさまの突き刺さるトゲトゲしい口調から私にはプレッシャーである。明日から高校デビューだから、悶々として私は中々今晩眠れなかった。
ーー「鐘技高校入学式場」ーー
「では、校長先生から祝辞があります。尾根山校長どうぞ」
「はいはーい♡みんなヨロロピン♪よくきたわね。でね」
彼の名は尾根山登62歳。通称おねぃさん。
彼は昔、女装メイド喫茶店で働いた事があり、オネェ口調も治らない。
そのため女子生徒たちからもタメ口で女子トークするほど人気がある。
「じゃあ。てなわけで新任入学生の代表挨拶するわね。ユキちゃんお願い♡」
と、尾根山校長の祝辞終えると彼女がやってきた。
皆は新入生おろか在校生もざわつき始める。
「みなさま、初めまして鐘技友紀です。本日あのーー」
彼女は鐘技友紀。
アルビノため、肌は白く髪も白い。
そんな彼女は視力がいつも低い為にカネワザメーカー製ブランド眼鏡を愛用してるが髭眼鏡を身につけて笑いを飛ばそうとしてるが滑っている。
そして日差しも避けるために日焼け止めクリームと日傘を愛用してるがお気に入りの日傘の特性魔法少女パクリナちゃんの着物バージョンが唯一お気に入りとその誕生秘話のうんちく披露して30分を話しているが途中から訛り癖が晒し出してることに気づいてない。さらに彼氏募集中うんぬん下りで尾根山校長からストップ中断される。
「もういいわ。友紀さん」
友紀の代表挨拶は最悪な滑り形を1時間も語っていた。
「2」
ーー「1年3組クラス」ーー
「はうう。やらかした」
私は新任代表挨拶でやらかしてしまった。
あれほど長話するなとおばあさまにその日の帰り道こっぴどく絞られてしまった。
そしてここでも自己紹介があるのだ。友紀頑張る。
「おー?なー。そこで突っ立てると邪魔で入れないだけど?」
「え?あ……すみません」
どうやら、私は教室の入り口に立っていて通行の邪魔になってまたやらかしたようだ。
私、今浮いてる?
いやいや!そんなことない!
がんばれ友紀。
「おう。おまえら席につけ」
新担任である先生達がやってきた。
私たちクラスは席についた。
「今回。俺が新担任の北山正夢だ。趣味は刀剣を愛でることだ。いいぞ刀剣はな。あは」
若干、ヤバげの先生だが大丈夫なんだろうか?
「僕は副担任の玉木珠緒だよ。タマちゃんと呼んでね」
まさかの僕っ娘先生とは。どこかの東京湾で紛れてそうなあだ名だ。
「じゃあ。お前ら軽く自己紹介頼むぞ」
そこで私たちは各自自己紹介行うことになった。
「私の名前は高井昭子です~よろしくお願いします」
次は私の番である。
しかもクラス最後の順である。
「よし!次、鐘技友紀!」
きた。みんなはざわつき出してる。
そうだよね。グダグダ感を曝け出したから私……。
「ん?どうした友紀?大丈夫だぞ?また長話なるようだったら、先生が全力止めるからな」
みんなはクスクスと笑い出して私は思わず赤面する。
「あ、私の名前は鐘技友紀です。見ての通り私はアルビノです。あと趣味というよりお家柄で着物を着ていてそれから怪異談語りを行います。よろしくお願いします」
「怪異談……?」怪異談という言葉に反応した女子生徒がいたがとりあえずやり切った。
と、何故か北山先生は腕時計を見ている。え……私またやらかした?
「ふむ。少し時間あるようだな。そうだ。友紀おまえ怪異談語りを披露してみてくれよ。一応短めのやつな」
「え?え?え??」
先生は何をおっしゃってるのだろうか?
しかも他の生徒たちも私の怪異談語りに興味深々だし。困ったな。短めなやつ、短めなやつ。
……あったわ。あれでいくか。
「コホン。あまり慣れてないのでご披露します。鐘技怪異談「金縛り男」。どうぞご静聴ください」
私が初めて学校で披露した怪異談。
その時、私の運命の歯車が動きだした。
「3」
とある彼、中山は金貨コレクターだった。
彼は仲間達を集ってよくお互いの金貨コレクションを見せ合っていたわ。
そんなある日、とある男性が持ち込んだ金貨に仲間達は注目する。
その金貨は鐘技市に設置してある鐘台によく似ていた輝く黄金の色していたから目を奪われた。
中山はそんな1人だった。
その時中山はその金貨の所有者に貸して欲しいと無理を強請られると、男はしぶしぶその中山に貸した。
そしてしばらくしてその中山に金貨を貸した男は不慮の交通事故で亡くなった。
しばらくして中山まんまとその男から借りパクして我が物ように金貨を擦り付けたり舐めたり齧ったりして彼なりに我が子のように愛情を注いだ。
その妻は呆れて別居していった。
そんな彼に災いが起きる。
金貨を愛でてしばらくしてのこと、中山の身にあくる晩、毎日のように金縛りが起きるのである。
それもジャリジャリするほど金がなるほどだった。
中山はハッと目覚めた時にふと思ったのだ。
「あいつの仕業だ。奴は俺の金貨を取り戻すために来たんだ」と思って、中山はその借りパクした金貨を肌身離さず常に持ち歩いていた。
そしてある日、彼は肌身離さず寝ていた所にジャリジャリと金の擦る音がしたのだ。ふとなんだろうと思い目を覚ますと腕が骨だけぽっかり喰われていた。その金貨達が彼の身体を貪り喰らい尽くすのだ。中山は必死の抵抗むなしく全て喰らい尽くされた。
最期に発見された時は彼の着ていた破れたパジャマだけであり、その場にあった金貨は行方不明になっていたわ。
「4」
「……以上です」
みんなはシーンと静まりかえっていた。
あれ?ダメだったのかな?
すると、先生達が拍手するたびにみんなも釣られて拍手が沸き起こる。
「おお。よかったぞ。流石首席だな」
「あ、ありがとうございます」
先生にねぎらい褒められて私は満更だけでもなかった。
そして私はクラスでみんなの注目の的になった。
そしてその日の帰り道、私は彼女に呼び止められた。
「おまえ。なかなかもんだな」
彼女も私と同じく怪異談語りをするライバルだった。
でも、彼女の語る怪異談は変わっていたけどね。
そんな私にとってこの怪異談は私の運命を変えた怪異談の一つだからね。
私たちの今後の怪異談は不気味な野薔薇を聴かせていくーー。
金縛り男 完
ーー「鐘技家」ーー
「友紀」とおばあさまが私の名前を呼んで私は姿勢を正して正座する。
「はい」
「おまえは今年で何歳になる」
「……15になる……ります」
「よろしい。もっともお家柄にだらしなさを誰も見せてはいけませんよ。あとその口調の乱れも」
「う。善処いたします」
「私から以上だね。明日から念願の高校生だ。羽目を外さないようにね」
「はい」
そのおばあさまの突き刺さるトゲトゲしい口調から私にはプレッシャーである。明日から高校デビューだから、悶々として私は中々今晩眠れなかった。
ーー「鐘技高校入学式場」ーー
「では、校長先生から祝辞があります。尾根山校長どうぞ」
「はいはーい♡みんなヨロロピン♪よくきたわね。でね」
彼の名は尾根山登62歳。通称おねぃさん。
彼は昔、女装メイド喫茶店で働いた事があり、オネェ口調も治らない。
そのため女子生徒たちからもタメ口で女子トークするほど人気がある。
「じゃあ。てなわけで新任入学生の代表挨拶するわね。ユキちゃんお願い♡」
と、尾根山校長の祝辞終えると彼女がやってきた。
皆は新入生おろか在校生もざわつき始める。
「みなさま、初めまして鐘技友紀です。本日あのーー」
彼女は鐘技友紀。
アルビノため、肌は白く髪も白い。
そんな彼女は視力がいつも低い為にカネワザメーカー製ブランド眼鏡を愛用してるが髭眼鏡を身につけて笑いを飛ばそうとしてるが滑っている。
そして日差しも避けるために日焼け止めクリームと日傘を愛用してるがお気に入りの日傘の特性魔法少女パクリナちゃんの着物バージョンが唯一お気に入りとその誕生秘話のうんちく披露して30分を話しているが途中から訛り癖が晒し出してることに気づいてない。さらに彼氏募集中うんぬん下りで尾根山校長からストップ中断される。
「もういいわ。友紀さん」
友紀の代表挨拶は最悪な滑り形を1時間も語っていた。
「2」
ーー「1年3組クラス」ーー
「はうう。やらかした」
私は新任代表挨拶でやらかしてしまった。
あれほど長話するなとおばあさまにその日の帰り道こっぴどく絞られてしまった。
そしてここでも自己紹介があるのだ。友紀頑張る。
「おー?なー。そこで突っ立てると邪魔で入れないだけど?」
「え?あ……すみません」
どうやら、私は教室の入り口に立っていて通行の邪魔になってまたやらかしたようだ。
私、今浮いてる?
いやいや!そんなことない!
がんばれ友紀。
「おう。おまえら席につけ」
新担任である先生達がやってきた。
私たちクラスは席についた。
「今回。俺が新担任の北山正夢だ。趣味は刀剣を愛でることだ。いいぞ刀剣はな。あは」
若干、ヤバげの先生だが大丈夫なんだろうか?
「僕は副担任の玉木珠緒だよ。タマちゃんと呼んでね」
まさかの僕っ娘先生とは。どこかの東京湾で紛れてそうなあだ名だ。
「じゃあ。お前ら軽く自己紹介頼むぞ」
そこで私たちは各自自己紹介行うことになった。
「私の名前は高井昭子です~よろしくお願いします」
次は私の番である。
しかもクラス最後の順である。
「よし!次、鐘技友紀!」
きた。みんなはざわつき出してる。
そうだよね。グダグダ感を曝け出したから私……。
「ん?どうした友紀?大丈夫だぞ?また長話なるようだったら、先生が全力止めるからな」
みんなはクスクスと笑い出して私は思わず赤面する。
「あ、私の名前は鐘技友紀です。見ての通り私はアルビノです。あと趣味というよりお家柄で着物を着ていてそれから怪異談語りを行います。よろしくお願いします」
「怪異談……?」怪異談という言葉に反応した女子生徒がいたがとりあえずやり切った。
と、何故か北山先生は腕時計を見ている。え……私またやらかした?
「ふむ。少し時間あるようだな。そうだ。友紀おまえ怪異談語りを披露してみてくれよ。一応短めのやつな」
「え?え?え??」
先生は何をおっしゃってるのだろうか?
しかも他の生徒たちも私の怪異談語りに興味深々だし。困ったな。短めなやつ、短めなやつ。
……あったわ。あれでいくか。
「コホン。あまり慣れてないのでご披露します。鐘技怪異談「金縛り男」。どうぞご静聴ください」
私が初めて学校で披露した怪異談。
その時、私の運命の歯車が動きだした。
「3」
とある彼、中山は金貨コレクターだった。
彼は仲間達を集ってよくお互いの金貨コレクションを見せ合っていたわ。
そんなある日、とある男性が持ち込んだ金貨に仲間達は注目する。
その金貨は鐘技市に設置してある鐘台によく似ていた輝く黄金の色していたから目を奪われた。
中山はそんな1人だった。
その時中山はその金貨の所有者に貸して欲しいと無理を強請られると、男はしぶしぶその中山に貸した。
そしてしばらくしてその中山に金貨を貸した男は不慮の交通事故で亡くなった。
しばらくして中山まんまとその男から借りパクして我が物ように金貨を擦り付けたり舐めたり齧ったりして彼なりに我が子のように愛情を注いだ。
その妻は呆れて別居していった。
そんな彼に災いが起きる。
金貨を愛でてしばらくしてのこと、中山の身にあくる晩、毎日のように金縛りが起きるのである。
それもジャリジャリするほど金がなるほどだった。
中山はハッと目覚めた時にふと思ったのだ。
「あいつの仕業だ。奴は俺の金貨を取り戻すために来たんだ」と思って、中山はその借りパクした金貨を肌身離さず常に持ち歩いていた。
そしてある日、彼は肌身離さず寝ていた所にジャリジャリと金の擦る音がしたのだ。ふとなんだろうと思い目を覚ますと腕が骨だけぽっかり喰われていた。その金貨達が彼の身体を貪り喰らい尽くすのだ。中山は必死の抵抗むなしく全て喰らい尽くされた。
最期に発見された時は彼の着ていた破れたパジャマだけであり、その場にあった金貨は行方不明になっていたわ。
「4」
「……以上です」
みんなはシーンと静まりかえっていた。
あれ?ダメだったのかな?
すると、先生達が拍手するたびにみんなも釣られて拍手が沸き起こる。
「おお。よかったぞ。流石首席だな」
「あ、ありがとうございます」
先生にねぎらい褒められて私は満更だけでもなかった。
そして私はクラスでみんなの注目の的になった。
そしてその日の帰り道、私は彼女に呼び止められた。
「おまえ。なかなかもんだな」
彼女も私と同じく怪異談語りをするライバルだった。
でも、彼女の語る怪異談は変わっていたけどね。
そんな私にとってこの怪異談は私の運命を変えた怪異談の一つだからね。
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