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ライオンの正義感
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よく晴れた朝の日、『喫茶ウグイス』には、羊の婦人二人連れ、カバの青年、ライオンの紳士が、客として入ってました。
羊の婦人二人連れは、静かに話をしています。カバの青年は読書を、ライオンの紳士は新聞を読んでいます。
そこへ、物凄くやかましいカラスの集団が店に入ってきました。
カラスの集団は席につくと、80dBにもなる大声で「カー!カー!」と騒ぎ始めました。
新聞の内容が全く頭に入らなくなってしまったライオンの紳士は、たまらなくなってカラスの集団に言いました。
「ここはお前達だけの場所じゃない!他の客もいるんだから静かにしろ!」
居づらくなったカラスの集団は、すぐに帰っていきました。
次に、子連れのオオカミが店に入りました。
母オオカミと、赤ちゃんオオカミでした。
オオカミが席につくと、赤ちゃんオオカミが大きな声で泣きだしました。
それはそれは大きな声で、70dBにもなりました。
またしても新聞の内容が頭に入らなくなってしまったライオンが、イライラしながら母オオカミに言いました。
「こんな静かな喫茶店で、赤ちゃんを大声で泣かせるなんて非常識だ!そんなシツケじゃあ、その子の将来もどうなるかわかったもんじゃない!」
バツの悪くなったオオカミは、顔を真っ赤にして店を出ていきました。
次に、犬のお爺さんが店に入りました。
犬のお爺さんは、杖をついてしばらく静かに席に座っていたのですが、そのうち大きなイビキをかいて寝てしまいました。そのイビキの大きさは60dBにもなりました。
またまた新聞どころではなくなったライオンは、犬のお爺さんを無理やり起こして言いました。
「あんたのイビキは異常だよ!静かな喫茶店が台無しだ!寝るんなら家に帰りな!グルルル…」
犬のお爺さんは、杖を投げ捨てて飛んで店を出ました。
次に、ヤギのカップルが店に入りました。
ヤギのカップルは、「メエエ…メエエ…」と人目をはばからず愛を語り合い始めました。
その声の大きさは50dBでした。
またもや集中を途切らせられたライオンは、怒りながらカップルに言いました。
「お前ら生意気だぞ!喰われたいのか!ガオー!」
カップルは、死に物狂いで店を出ていきました。
それを見ていた羊の婦人達も、喰われてしまうことが頭に浮かんでしまったので、怖くなって店を出ることにしました。
静まりかえった店内に「ガサガサ」という、新聞の開く音が大きく鳴り響きました。
ライオンは、新聞を読むのをやめました。
羊の婦人二人連れは、静かに話をしています。カバの青年は読書を、ライオンの紳士は新聞を読んでいます。
そこへ、物凄くやかましいカラスの集団が店に入ってきました。
カラスの集団は席につくと、80dBにもなる大声で「カー!カー!」と騒ぎ始めました。
新聞の内容が全く頭に入らなくなってしまったライオンの紳士は、たまらなくなってカラスの集団に言いました。
「ここはお前達だけの場所じゃない!他の客もいるんだから静かにしろ!」
居づらくなったカラスの集団は、すぐに帰っていきました。
次に、子連れのオオカミが店に入りました。
母オオカミと、赤ちゃんオオカミでした。
オオカミが席につくと、赤ちゃんオオカミが大きな声で泣きだしました。
それはそれは大きな声で、70dBにもなりました。
またしても新聞の内容が頭に入らなくなってしまったライオンが、イライラしながら母オオカミに言いました。
「こんな静かな喫茶店で、赤ちゃんを大声で泣かせるなんて非常識だ!そんなシツケじゃあ、その子の将来もどうなるかわかったもんじゃない!」
バツの悪くなったオオカミは、顔を真っ赤にして店を出ていきました。
次に、犬のお爺さんが店に入りました。
犬のお爺さんは、杖をついてしばらく静かに席に座っていたのですが、そのうち大きなイビキをかいて寝てしまいました。そのイビキの大きさは60dBにもなりました。
またまた新聞どころではなくなったライオンは、犬のお爺さんを無理やり起こして言いました。
「あんたのイビキは異常だよ!静かな喫茶店が台無しだ!寝るんなら家に帰りな!グルルル…」
犬のお爺さんは、杖を投げ捨てて飛んで店を出ました。
次に、ヤギのカップルが店に入りました。
ヤギのカップルは、「メエエ…メエエ…」と人目をはばからず愛を語り合い始めました。
その声の大きさは50dBでした。
またもや集中を途切らせられたライオンは、怒りながらカップルに言いました。
「お前ら生意気だぞ!喰われたいのか!ガオー!」
カップルは、死に物狂いで店を出ていきました。
それを見ていた羊の婦人達も、喰われてしまうことが頭に浮かんでしまったので、怖くなって店を出ることにしました。
静まりかえった店内に「ガサガサ」という、新聞の開く音が大きく鳴り響きました。
ライオンは、新聞を読むのをやめました。
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