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30.未知の感覚

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 ステファニアは天蓋付きの寝台の上で、震えていた。
 普段ならば垂れ下がる薄布は束ねられ、寝台にいても外の様子はわかるのだが、今はぴったりと閉じられている。薄布の向こうでは燭台の明かりがゆらゆらと揺らめき、外側にたたずむ影を映し出していた。
 共に寝台にいる相手も、いつもと違う。
 何がどうなっているのか理解が追いつかないまま、ステファニアは寝衣をはだけられ、びくりと震えた。

 数え切れないほど共に夜を過ごしたゴドフレードは、ステファニアにそういった意味で触れてくることはなかった。触れるとしても、添い寝役の、抱き枕としての扱い程度である。
 意識がはっきりとした状態で、異性に肌をさらすのは初めてである。白い乳房の中心で淡く色づく乳頭が、恐怖のためか羞恥のためか、かすかに震えていた。
 アドリアンの手が乳房に伸びてきて、すくいあげるように揉み出す。

「やっ……いや……」

 思わず拒絶の声がステファニアの口から漏れるが、アドリアンは構わずに乳房を弄ぶ。彼の浅黒い指の間から白い柔肉がこぼれ落ちるように姿を覗かせ、指の動きに合わせてしなやかに形を変えた。
 がちがちに緊張しているステファニアなのに、乳房はやわやわとアドリアンの指に身を任せ、まるで別の生き物であるかのようだ。
 ステファニアは弄ばれる自分の乳房を見て、顔が燃えそうなほどの羞恥を覚える。それなのに、このいやらしい行為から目を背けられない。

 うっすらと涙を浮かべながら耐えるうちに、ステファニアはだんだんと乳房に熱がこもってくるのを感じた。
 特に乳房の中心は痛みにも似た疼きを覚え、もどかしい熱がこもっている。
 未知の感覚にステファニアは戸惑い、吐息にも熱が混ざっていく。

「あっ……やぁっ……」

 ステファニアの戸惑いを見透かしたように、アドリアンは勃ちあがり始めた乳首に唇を這わせた。乳首がぬるりとした熱い感覚に包まれ、ステファニアの背が軽く反る。
 さらに唇に含んだまま乳首を舌で転がされ、吸い上げられると、ステファニアの背筋にぞくりと甘い痺れが走る。もどかしい熱は乳首から広がっていき、全身が燃え上がるように熱かった。

「んっ……あぁ……ん」

 甘ったるい声がステファニアの唇から漏れる。
 片方の乳首を甘噛みされ、もう片方は指先で摘み上げられて、ステファニアはわきあがる快感に困惑して身をよじる。胸よりももっと下の、あらぬ場所が疼いてしまい、疼きを沈めるように内腿をこすり合わせた。
 するとアドリアンが片方の手を、ステファニアの脚の間に割り込ませてくる。あらぬ場所を探ろうとする動きにステファニアは戸惑うが、彼の指は秘裂を探り当て、そっと撫で上げられた。

「ひっ……」

 ぬるりとした感触に驚き、ステファニアは息をのむ。くすぶっていた熱はとろみのある粘液となってあふれ出し、秘所を濡らしていたのだ。
 秘裂を上下になぞられると、さらに奥からあふれ出してくる。アドリアンの指先が隠された花芽を探し出し、くすぐるように小刻みな振動を与えてきた。

「やっ……あぁああっ……なに、これぇ……やぁっ……」

 はじけそうな強い快楽がわきあがり、ステファニアは甘い悲鳴をあげる。このような感覚は、知らない。
 自分の身体が自分のものではなくなってしまうような恐怖がわきあがり、逃げ出したくなってくるが、同時にこの甘い痺れに心行くまで浸ってみたいという淫らな願望もステファニアの中に生まれてくる。
 アドリアンの指はじっくりと花芽を弄んだ後、溢れ出た蜜を絡めるようにして、ゆっくりと蜜壷へと侵入してきた。

「ひっ……! あ……んんっ……」

 狭い内壁を押し広げて奥へと進む指に、つきりとした痛みを覚え、ステファニアは小さな悲鳴をあげた。初めて侵入してくる指の感覚に戸惑うが、ゆっくりと媚肉を抉られていくうちにもどかしい熱が生まれ、じわじわと快楽がにじみ出してくる。
 指の根元まで埋め込まれる頃には、苦痛はすでに薄れ、甘い痺れになっていた。
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