貞操を守りぬけ!

四葉 翠花

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76.貞操喪失3

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 楽しそうにセイは自らの服を脱ぎ捨てる。
 潔い脱ぎっぷりが、妙に男らしい。
 細身だが引き締まった裸身をさらすと、今度は晴人の服を脱がせにかかる。

「ちょっ……! 待って、待って……!」

 セイと対照的に晴人は悲鳴をあげるが、セイは晴人の訴えなど無視して服を取り払ってしまう。

「大丈夫、僕はそれなりに慣れているからね。きみは黙って身を任せていればいい。僕がきみを男にしてあげようじゃないか」

 尊大に言い放つと、セイは晴人の中心で萎えているものに手を伸ばし、包み込む。
 セイの手はぬめりを帯びていて、まるでローションを使って愛撫されているように感じられた。

「うっ……」

 素直な晴人の分身は、セイの手の動きに忠実だった。呼びかけられ、お行儀よくお返事をするようにそそり立つ。

「きみはここまで魔素を使いこなせないだろう。慣れると、こんな風にローション代わりにもできるんだよ。もちろん、こっちにも……ね」

 セイの唇から、甘みを帯びた吐息が漏れる。
 ぐちゃぐちゃとした音がセイの後ろから響くが、セイの両手は晴人をもてあそんだままだ。
 仕組みはよくわからないが、セイは手を使わずに自らの後ろをほぐしているらしい。

「さあ、きみの準備も十分のようだし、しようか。後できみにも僕を咥え込んでもらうつもりだから、やり方を覚えておくといい」

 不吉なことを言いながら、セイは晴人の上に乗ってくる。そそり立った晴人のものを自らの後ろにあてがうと、ゆっくりと腰を下ろしていった。

「ちょっ……あっ……!」

 抵抗するような余裕もなく、晴人はセイの中に飲み込まれていく。
 すべてがセイの中におさまると、きつく締め上げられ、優しくしっとりと包み込まれる。
 これまでの人生で味わったことのない快楽が、晴人の身体を突き抜けていった。

「ハルト……きみ、いいよ……僕も、気持ちいい……」

 うっとりとした声が降ってくる。
 見上げれば、蕩けた顔で腰を振るセイの姿があった。ぞくぞくと肌が粟立つほどの色香が漂い、晴人は思わずごくりと喉を鳴らす。

「あっ……中で大きくなった……きみも、気持ちいい……?」

 愉悦のにじむ声で囁かれ、晴人は答えることもできずにただセイを見つめる。
 その姿が十分な答えになったようで、セイは口元をほころばせると再び快楽を貪りだす。
 こらえきれないような快楽に包まれ、晴人の頭は白く弾ける。

 とうとう晴人は前側の貞操を喪失してしまったことに呆然とする。
 真に大切な後ろ側の貞操も、もはや風前の灯だった。
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