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40.紳士的な獣1
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魔物は牙をむき出し、晴人に向かってじりじりと近づいてくる。
「……ひっ!」
晴人はがくがくと震える足を叱咤し、どうにか逃げ出そうとする。
しかし一歩を踏み出す前に足がもつれて前のめりに転んでしまう。地面を這いながら、それでも逃げようとするが、背中を押さえ込まれてしまった。
晴人の頭上から、生臭い息を吐き出す音が響く。
「あ……あ……」
もう駄目だ。殺されてしまう。
数多の氷を突き刺されたように晴人の身体からは血の気が引き、体温が奪われていく。寒気と恐怖が入り混じり、ガチガチと歯が噛み合う音だけが晴人の耳に聞こえてきた。
「大丈夫だよ。魔物がきみを殺すことはない。魔物にとってきみは、おいしいご馳走なんだよ。性的な意味で」
のんびりとしたセイの声が、晴人を現実に引き戻す。
殺すことはないという言葉に安堵したものの、後半には不穏な言葉が混ざっている。
「……いや、それもどうかと!」
恐怖という呪縛から解き放たれ、晴人は叫ぶ。
魔物に押さえ込まれているという状況は変わらないのだが、セイに対して言い返さなくてはという条件反射だ。
「ヤられるだけだから大丈夫。そしてヤられれば、きみは強くなって相手も魔物化が解ける。どちらにも良いことしかないだろう」
「いやだ!」
「ほら、強くなったんだろう? 相手が獣だって、手順は一緒だ。短剣を刺してそのまましばらく手を離さなければいい」
晴人はようやく短剣のことを思い出し、腰に手を伸ばそうとする。
しかし、魔物の前足で肩を押さえ込まれてしまい、うまく腕が動かない。
「初めてが獣相手っていうのも、なかなか刺激的だよね。めったにできない経験だよ」
「そんなものはいらない!」
ろくなことを言わないセイに抗議するものの、状況は悪化していくばかりだ。
魔物は爪と牙を使って器用に晴人の服をはだけさせ、下穿きをずり下ろしていく。破ろうとしないあたり、なかなか紳士的な魔物だ。
晴人にとってはたいした慰めにはならないが。
腰のあたりにあったはずの短剣も足下へと移動してしまい、簡単に手が届かなくなってしまった。
「ひっ!」
むきだしになった晴人の尻肉を魔物が舐めた。生暖かい感触に襲われ、晴人の全身にじっとりとした不快感が走る。
魔物はさらに顔を近づけ、晴人の奥の窪まりに舌を這わせた。
「ちょっ……そんな……!」
羞恥に顔が熱くなる。
いくら相手が魔物とはいえ、そのような場所を舐めるなど、信じられない。
だが晴人の戸惑いなど完全に無視し、魔物は何度も同じ動きを繰り返す。
「んっ……くぅっ……ふ……」
くすぐられるようなむず痒さに晴人は身をよじるが、同時にぞくぞくとした何かがわきあがってくる。鼻にかかった吐息がもれてしまうが、くすぐったいだけだと自らに言い訳をする。
「あっ! ひっ……やぁっ……!」
さらには今まで表面上をなぞっていた生暖かいものが、晴人の閉じられた場所をこじ開けようとしてきた。拒もうと力を入れるが、魔物の舌は強引に進入してくる。
締め付けたせいで、よりはっきりと蠢く舌を感じ取ることになってしまい、晴人は悲鳴をあげる。
「……ひっ!」
晴人はがくがくと震える足を叱咤し、どうにか逃げ出そうとする。
しかし一歩を踏み出す前に足がもつれて前のめりに転んでしまう。地面を這いながら、それでも逃げようとするが、背中を押さえ込まれてしまった。
晴人の頭上から、生臭い息を吐き出す音が響く。
「あ……あ……」
もう駄目だ。殺されてしまう。
数多の氷を突き刺されたように晴人の身体からは血の気が引き、体温が奪われていく。寒気と恐怖が入り混じり、ガチガチと歯が噛み合う音だけが晴人の耳に聞こえてきた。
「大丈夫だよ。魔物がきみを殺すことはない。魔物にとってきみは、おいしいご馳走なんだよ。性的な意味で」
のんびりとしたセイの声が、晴人を現実に引き戻す。
殺すことはないという言葉に安堵したものの、後半には不穏な言葉が混ざっている。
「……いや、それもどうかと!」
恐怖という呪縛から解き放たれ、晴人は叫ぶ。
魔物に押さえ込まれているという状況は変わらないのだが、セイに対して言い返さなくてはという条件反射だ。
「ヤられるだけだから大丈夫。そしてヤられれば、きみは強くなって相手も魔物化が解ける。どちらにも良いことしかないだろう」
「いやだ!」
「ほら、強くなったんだろう? 相手が獣だって、手順は一緒だ。短剣を刺してそのまましばらく手を離さなければいい」
晴人はようやく短剣のことを思い出し、腰に手を伸ばそうとする。
しかし、魔物の前足で肩を押さえ込まれてしまい、うまく腕が動かない。
「初めてが獣相手っていうのも、なかなか刺激的だよね。めったにできない経験だよ」
「そんなものはいらない!」
ろくなことを言わないセイに抗議するものの、状況は悪化していくばかりだ。
魔物は爪と牙を使って器用に晴人の服をはだけさせ、下穿きをずり下ろしていく。破ろうとしないあたり、なかなか紳士的な魔物だ。
晴人にとってはたいした慰めにはならないが。
腰のあたりにあったはずの短剣も足下へと移動してしまい、簡単に手が届かなくなってしまった。
「ひっ!」
むきだしになった晴人の尻肉を魔物が舐めた。生暖かい感触に襲われ、晴人の全身にじっとりとした不快感が走る。
魔物はさらに顔を近づけ、晴人の奥の窪まりに舌を這わせた。
「ちょっ……そんな……!」
羞恥に顔が熱くなる。
いくら相手が魔物とはいえ、そのような場所を舐めるなど、信じられない。
だが晴人の戸惑いなど完全に無視し、魔物は何度も同じ動きを繰り返す。
「んっ……くぅっ……ふ……」
くすぐられるようなむず痒さに晴人は身をよじるが、同時にぞくぞくとした何かがわきあがってくる。鼻にかかった吐息がもれてしまうが、くすぐったいだけだと自らに言い訳をする。
「あっ! ひっ……やぁっ……!」
さらには今まで表面上をなぞっていた生暖かいものが、晴人の閉じられた場所をこじ開けようとしてきた。拒もうと力を入れるが、魔物の舌は強引に進入してくる。
締め付けたせいで、よりはっきりと蠢く舌を感じ取ることになってしまい、晴人は悲鳴をあげる。
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