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108.最後の夜2

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 わきあがってくる愛しさに突き動かされ、アデルジェスはミゼアスを押し倒す。胸に唇を這わせ、きつく吸い上げた。

「んっ……」

 かすかなミゼアスの呻き声が響く。
 白い肌に薄紅色の花が咲いたようだった。やり方はミゼアスを見てわかっていたが、実際に行うのは初めてだ。アデルジェスは、うまくいったことに胸を撫で下ろす。

「もっと、いっぱいつけて……」

 甘くかすれた声でねだられ、アデルジェスは何度もミゼアスの身体に痕を刻む。そのたびにミゼアスは甘い呻きを漏らした。
 胸から腹へ、脇腹、腰と徐々に下に向かっていく。ミゼアスの身体は上気し、うっすらと赤く染まっていった。

「あぁん……」

 足を開かせ、太ももの内側に口づけて痕を散らすと、ミゼアスは切なげな声をあげ、もどかしそうに身をよじる。見れば、ミゼアスの中心はすっかり元気になっていた。

「痕をつけてもらって興奮しちゃった? 俺のものだって刻まれて、嬉しい?」

「うん、嬉しい……」

 恍惚とした表情でミゼアスが見上げてくる。その瞳にはうっとりとした陶酔の輝きがあった。
 アデルジェスはふと、ミゼアスが不感症だという話を思い出し、おかしくなってきた。この姿を見れば、間違ってもそのような考えは浮かばないだろう。

「痕だけじゃなくて、他のものも欲しいんじゃない?」

 軽く笑いながら、アデルジェスは卓の上に載っている香油の瓶を手に取る。ミゼアスが期待を込めた眼差しを向けるのを感じ取り、さらにおかしくなった。
 香油を手にこぼすと、ミゼアスは仰向けの姿勢のまま、膝を立てて足を開く。塗りやすくするためだろう。
 すると中心で屹立しているものも見える。淡い茂みに彩られたそれは大きくも小さくもなく、整った形をしていた。アデルジェスにとっては自分についているものと同じだとは思えないほど、美しく見えた。

 男として欠陥品だとか、去勢しているという噂まであるらしいとアデルジェスは思い出す。たまらなくおかしかった。
 機能に問題がないことは知っていたが、思い出すと気になってしまう。アデルジェスは屹立しているそれを口に含んでみた。

「……っ!?」

 ミゼアスが目を見開く。
 当然他人のものを咥えるなど初めてだが、男同士なのでどこが気持ちよいのかは何となくわかる。アデルジェスは歯を立てないように注意しながら口を動かし、舌を這わせ、吸い上げていく。

「やっ……だめっ……いやぁ……あぁ……」

 泣きそうな声をあげるミゼアス。しかしアデルジェスの拙い奉仕でも感じているようだ。声に甘い響きがある。
 アデルジェスの頭をどかせようとするが、手に力が入っていない。ただ頭に手を添えるだけになってしまっている。
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