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50.疑問
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早く食べてしまおうとミゼアスに促され、アデルジェスは食事に手をつけた。
小さく刻んだ野菜と鶏肉の入ったスープ、柔らかいパン、干した果物の盛り合わせというあっさりとした内容だった。味はアデルジェスがいた兵舎の食事より、格段に美味しい。
「さっきの子、やたらと勢いがよかったね」
「ん、ヴァレンのことかい? あの子はお調子者でね。根は真面目なところもあるんだけれど……。頭の回転も早いんだけれど、それをいかにうまく手抜きをするかに使ってばかりなんだよ。まあ、頼んだことはしっかりやる子だから大丈夫」
少々呆れたような声ではあったが、語るミゼアスの瞳は優しい。
「ちょっと気になったんだけれど……さっきの子、『ミゼアス兄さん』って呼んでいたよね。それってミゼアスのほうの立場が上だから? それともミゼアスのほうが年上だったりするの?」
「両方。僕のほうが立場も上だし、年も上だよ」
「……あの子、エアイールと同い年だって言っていたよね。ということは、ミゼアスのほうがエアイールより年上?」
「うん。もちろん」
あっさりと答えるミゼアスに、アデルジェスは驚きを隠せなかった。
エアイールは十六、七歳くらいに見えた。ミゼアスはせいぜい十五歳程度、下手をすれば十三歳と言われても納得してしまうほどだ。
「……ミゼアスって、いくつなの?」
「いくつだと思う?」
「……十五歳くらい?」
「そうだねぇ、それよりは上だね」
「じゃあ、意表をついて十八歳くらいだったりする?」
「さあ、どうだろうね。別に僕の年齢なんてどうでもいいじゃないか。それより、早く食べないとスープが冷めるよ」
そう言ってアデルジェスの疑問を封じ、ミゼアスはパンを手でちぎる。
仕方なくアデルジェスも食事を再開した。
「あぁ、そうだ。食べ終わったら、花月琴を弾いてあげるよ。昨日言っていたけれど、戻ってきてからごたごたしちゃったからね」
小さく刻んだ野菜と鶏肉の入ったスープ、柔らかいパン、干した果物の盛り合わせというあっさりとした内容だった。味はアデルジェスがいた兵舎の食事より、格段に美味しい。
「さっきの子、やたらと勢いがよかったね」
「ん、ヴァレンのことかい? あの子はお調子者でね。根は真面目なところもあるんだけれど……。頭の回転も早いんだけれど、それをいかにうまく手抜きをするかに使ってばかりなんだよ。まあ、頼んだことはしっかりやる子だから大丈夫」
少々呆れたような声ではあったが、語るミゼアスの瞳は優しい。
「ちょっと気になったんだけれど……さっきの子、『ミゼアス兄さん』って呼んでいたよね。それってミゼアスのほうの立場が上だから? それともミゼアスのほうが年上だったりするの?」
「両方。僕のほうが立場も上だし、年も上だよ」
「……あの子、エアイールと同い年だって言っていたよね。ということは、ミゼアスのほうがエアイールより年上?」
「うん。もちろん」
あっさりと答えるミゼアスに、アデルジェスは驚きを隠せなかった。
エアイールは十六、七歳くらいに見えた。ミゼアスはせいぜい十五歳程度、下手をすれば十三歳と言われても納得してしまうほどだ。
「……ミゼアスって、いくつなの?」
「いくつだと思う?」
「……十五歳くらい?」
「そうだねぇ、それよりは上だね」
「じゃあ、意表をついて十八歳くらいだったりする?」
「さあ、どうだろうね。別に僕の年齢なんてどうでもいいじゃないか。それより、早く食べないとスープが冷めるよ」
そう言ってアデルジェスの疑問を封じ、ミゼアスはパンを手でちぎる。
仕方なくアデルジェスも食事を再開した。
「あぁ、そうだ。食べ終わったら、花月琴を弾いてあげるよ。昨日言っていたけれど、戻ってきてからごたごたしちゃったからね」
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