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43.甘い夜2

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「あぁ……いいよ、もう挿れて……あぁ……犯して……僕を犯してぇ……」

 切なげな声でねだられ、アデルジェスの熱が煽られる。
 しかしこの体勢ではミゼアスの顔が見えない。声だけでも十分アデルジェスの頭を甘く痺れさせてはくれるが、やはり快楽に酔う淫らな顔が見たい。
 アデルジェスは指を抜き、ミゼアスを抱えて仰向けに寝かせる。
 とろんと潤んだ瞳で不思議そうに見上げてくるミゼアスと視線が合った。

「顔を見ながらしたい。……いい?」

 おずおずと尋ねると、ミゼアスの顔に嬉しそうな笑みが広がった。あどけなさすら漂う無邪気な笑顔だった。

「うん……して……僕のこと、いっぱい可愛がって……」

 アデルジェスの首に腕を回し、はにかんだように答えるミゼアス。
 可愛い。もう我慢がならなかった。
 ミゼアスの膝裏を抱え、秘所に己自身をあてがう。うっとりと見つめてくるミゼアスの顔を見ながら、ゆっくりと己を埋めていった。

「あああ……あっ、ああっ……」

 恍惚とした表情を浮かべながら、ミゼアスはアデルジェスを飲み込んでいく。
 先端部分が飲み込まれたところで、アデルジェスは一気に奥まで貫いた。

「ああっ!」

 ミゼアスが目を見開いて絶叫する。内部がきつく締め上げられ、続いて弛緩していく。ミゼアスの顔には愉悦が浮かび、身体から力が抜けていった。
 アデルジェスは腹に生温かい感触を感じる。

「……挿れただけでイっちゃった?」

 驚きながらアデルジェスは問いかける。
 ミゼアスは顔を朱色に染め、荒い息をつきながらふい、と顔を背けた。

「だって……ジェスにしてもらってるって思ったら、それだけで……」

 消え入りそうな声で呟くミゼアス。
 アデルジェスの胸に熱いものが満ちていく。可愛い。可愛すぎる。

「あっ……中で大きく……」

 戸惑うような声をあげるミゼアスに、アデルジェスは口づけた。舌を入れ、夢中で口内を舐め回す。
 決して上手とはいえない口づけだったが、ミゼアスはうっとりとした表情でアデルジェスの背に両手を回し、口づけに応えてきた。

「はぁ……ねえ、動いて。もっと、もっとして……」

 口を離してミゼアスがねだってくる。アデルジェスは望みを叶えるべく、腰を動かし始めた。

「あぁ……いぃ……気持ち、いい……もっとぉ……」

 ミゼアスは愉悦の声をあげる。
 アデルジェスは大きく腰を動かし、深く突き立てていく。ミゼアスの口から悲鳴じみた嬌声があがる。
 ミゼアスは情欲に濡れた緑の瞳にアデルジェスを映し、甘い叫びを上げ続ける。その眼差しと湧き上がる快楽に、アデルジェスは追い詰められていった。

「中に出して、中に欲しい……お願い……」

 涙を流しながら求められ、アデルジェスの熱が一気に上がる。
 次の瞬間、ミゼアスの望みどおり己の欲望を内側に解き放っていた。
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