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有効生物ヴァレン 3
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「お客の出したものが、まずかったんです。思い出しただけで、また泣けてきそうです」
「……そう」
ミゼアスは自分の中で昂ぶりつつあった何かが急激に落下していくのを感じる。
客が下半身から放つ、白い液体のことか。はっきり言って、あれはまずい。
今さら何を言っているのだろうかと、頭を抱えたいくらいだった。
「ええと……飲んだのは初めてかい?」
気を取り直して、ミゼアスは問いかけてみる。初めてだったとしたら、まだ仕方がないといえるかもしれない。
「いえ、この間飲んだのは、甘くてまあまあ美味しかったんです。だから、今日のお客は病気じゃないかと思って……」
「……甘いほうが、病気じゃないかって思うけれどね」
ミゼアスは思わず小さく呟くが、ヴァレンは気にせず続ける。
「それで、まだ舌に残るえぐみで泣けてきたところ、転んでしまって泣きました」
話しきってすっきりした様子で、ヴァレンはお茶の残りに口をつけた。
脱力感を覚えながらも、ひどいことをされたわけではないのだから良かったのだと、ミゼアスは自らに言い聞かせる。何事もないのが一番だろう。
ただ、根本的な解決は無理そうだ。
どう声をかければよいのかわからず、ミゼアスもお茶を口元に運んでごまかした。
「……そう」
ミゼアスは自分の中で昂ぶりつつあった何かが急激に落下していくのを感じる。
客が下半身から放つ、白い液体のことか。はっきり言って、あれはまずい。
今さら何を言っているのだろうかと、頭を抱えたいくらいだった。
「ええと……飲んだのは初めてかい?」
気を取り直して、ミゼアスは問いかけてみる。初めてだったとしたら、まだ仕方がないといえるかもしれない。
「いえ、この間飲んだのは、甘くてまあまあ美味しかったんです。だから、今日のお客は病気じゃないかと思って……」
「……甘いほうが、病気じゃないかって思うけれどね」
ミゼアスは思わず小さく呟くが、ヴァレンは気にせず続ける。
「それで、まだ舌に残るえぐみで泣けてきたところ、転んでしまって泣きました」
話しきってすっきりした様子で、ヴァレンはお茶の残りに口をつけた。
脱力感を覚えながらも、ひどいことをされたわけではないのだから良かったのだと、ミゼアスは自らに言い聞かせる。何事もないのが一番だろう。
ただ、根本的な解決は無理そうだ。
どう声をかければよいのかわからず、ミゼアスもお茶を口元に運んでごまかした。
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