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贈り物 2
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「ミゼアス兄さん、毛をください!」
「……はい?」
唐突なヴァレンの言葉に、ミゼアスは眉をひそめて間抜けな声をあげる。
「お守りを作りたいんです!」
続くヴァレンの言葉に、いちおうミゼアスは納得した。あやかりたい人から髪の毛をもらってお守りにするというのは、この国の各地にある風習だ。
「ああ……まあ、いいけれど。ちょうど髪も切ろうと思っていたし。明日でいいかい?」
「明日で構いませんけれど、できれば髪の毛じゃなくて、格好いい場所の毛がいいです!」
「……格好いい場所って、どこだい?」
やや顔を引きつらせてミゼアスは問う。
戦場に出向く兵士たちの間では、下の毛をお守りとすることが人気だと聞いたことはある。しかし、ヴァレンのことだ。それともまた違うだろう。
「鼻毛とか耳毛とか……腋毛もまあまあ。あっ、胸毛もそれなりです!」
「……そこが格好いい場所なのかい……」
ヴァレンの基準がよくわからない。ミゼアスは指で額を押さえる。
「でも、駄目。鼻毛は抜くのが大変だし痛い。耳毛や腋毛、胸毛はそもそもない。あったとしても産毛くらいだし。普通に、髪の毛にしておきなさい」
「えー……むう、仕方ない……わかりましたー」
しぶしぶではあったが、ヴァレンは納得したようだった。
「……はい?」
唐突なヴァレンの言葉に、ミゼアスは眉をひそめて間抜けな声をあげる。
「お守りを作りたいんです!」
続くヴァレンの言葉に、いちおうミゼアスは納得した。あやかりたい人から髪の毛をもらってお守りにするというのは、この国の各地にある風習だ。
「ああ……まあ、いいけれど。ちょうど髪も切ろうと思っていたし。明日でいいかい?」
「明日で構いませんけれど、できれば髪の毛じゃなくて、格好いい場所の毛がいいです!」
「……格好いい場所って、どこだい?」
やや顔を引きつらせてミゼアスは問う。
戦場に出向く兵士たちの間では、下の毛をお守りとすることが人気だと聞いたことはある。しかし、ヴァレンのことだ。それともまた違うだろう。
「鼻毛とか耳毛とか……腋毛もまあまあ。あっ、胸毛もそれなりです!」
「……そこが格好いい場所なのかい……」
ヴァレンの基準がよくわからない。ミゼアスは指で額を押さえる。
「でも、駄目。鼻毛は抜くのが大変だし痛い。耳毛や腋毛、胸毛はそもそもない。あったとしても産毛くらいだし。普通に、髪の毛にしておきなさい」
「えー……むう、仕方ない……わかりましたー」
しぶしぶではあったが、ヴァレンは納得したようだった。
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