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ミゼアスの一日~深夜~
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すっかり夜も更けてしまった。
客は満足して帰っていった。ミゼアスのお仕置きはお気に召して頂けたようだ。
「ミゼアス兄さん、お疲れ様でした」
見習いたちが声をかけてくる。
「ああ、きみたちもご苦労様。ここの片付けが終わったら、休んでいいよ」
軽く肩を回しながらミゼアスは答える。
「……先ほどのお客様、いつミゼアス兄さんが怒り出すかとはらはらしました」
息を吐きながらアルンが呟く。
「ん? だってあの客なんて、いじめてほしいって顔に書いてあったじゃないか。無礼な態度はいじめてもらうための前振りだよ」
「……そうだったんですか……」
「でもさぁ……どうしていきなり僕のところに来るんだろうね。それ用の店だってきちんとあるのに。僕は普通にお話したり、花月琴を弾いたりするほうが好きなんだけれど」
「……でも、ずいぶん楽しそうだったような……」
小声でぼそっと呟くアルン。
「何か言ったかい?」
にこやかなミゼアスの声にアルンはびくっと身をすくませる。
「い、いえ……何でもありません。か……片付けをしますね……」
逃げるようにアルンは片付け出す。
ミゼアスは片付けを見習いたちに任せ、部屋に戻った。
まずは今日の記録をつける。先ほどの客のことなどを書きながら、やり残したことはなかっただろうかと考えていく。
そういえばヴァレンへのお仕置きがまだだった。忘れないよう、そのことも記しておく。
記録をつけ終えると、今度は風呂だ。飲み物を用意して、風呂に浸かりながらぼーっと一日の出来事を反芻するのが日課となっている。
ぬくぬくと風呂に浸かり、薄荷水を飲みながらミゼアスは今日の出来事を振り返る。
朝、昼、夕方、そして夜……。特にこれといった事件もない、平和な日だった。あくびを漏らしながら、ミゼアスは軽く伸びをする。
こうしてミゼアスの一日は過ぎていくのだった。
客は満足して帰っていった。ミゼアスのお仕置きはお気に召して頂けたようだ。
「ミゼアス兄さん、お疲れ様でした」
見習いたちが声をかけてくる。
「ああ、きみたちもご苦労様。ここの片付けが終わったら、休んでいいよ」
軽く肩を回しながらミゼアスは答える。
「……先ほどのお客様、いつミゼアス兄さんが怒り出すかとはらはらしました」
息を吐きながらアルンが呟く。
「ん? だってあの客なんて、いじめてほしいって顔に書いてあったじゃないか。無礼な態度はいじめてもらうための前振りだよ」
「……そうだったんですか……」
「でもさぁ……どうしていきなり僕のところに来るんだろうね。それ用の店だってきちんとあるのに。僕は普通にお話したり、花月琴を弾いたりするほうが好きなんだけれど」
「……でも、ずいぶん楽しそうだったような……」
小声でぼそっと呟くアルン。
「何か言ったかい?」
にこやかなミゼアスの声にアルンはびくっと身をすくませる。
「い、いえ……何でもありません。か……片付けをしますね……」
逃げるようにアルンは片付け出す。
ミゼアスは片付けを見習いたちに任せ、部屋に戻った。
まずは今日の記録をつける。先ほどの客のことなどを書きながら、やり残したことはなかっただろうかと考えていく。
そういえばヴァレンへのお仕置きがまだだった。忘れないよう、そのことも記しておく。
記録をつけ終えると、今度は風呂だ。飲み物を用意して、風呂に浸かりながらぼーっと一日の出来事を反芻するのが日課となっている。
ぬくぬくと風呂に浸かり、薄荷水を飲みながらミゼアスは今日の出来事を振り返る。
朝、昼、夕方、そして夜……。特にこれといった事件もない、平和な日だった。あくびを漏らしながら、ミゼアスは軽く伸びをする。
こうしてミゼアスの一日は過ぎていくのだった。
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