不夜島の少年 小話集

四葉 翠花

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恋とはどんなもの?5

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 相変わらず、コリンには恋というものがさっぱりわからなかった。
 そのようなとき、身体から始まる恋もあるという話を聞いたのだ。肌を重ね、快楽を共にすれば心もほだされるという。
 それならば店に出て客を取るようになれば、おのずと恋に落ちるのではないだろうか。
 もう、だんだんとどうでもよくなってきてしまった。

 得体の知れない『恋』などというものを探すよりも、深い快楽を得られる方法を追求したほうがよいのではないだろうか。
 より深い快楽を得られるようになれば、そのうち恋に落ちることもあるだろう。そう思い、コリンは性交についての勉強に力を入れた。

 受け入れるための練習も始め、快楽の扉に手をかけた。
 まだ実際に誰かを受け入れることはないが、練習ですらコリンの身に歓喜を呼び覚ましたのだ。
 確かにこれならば、本当の快楽を知ることになったとき、それを紡いでくれる相手のことを好きになるかもしれないと思った。


 コリンがすっかり恋を探すことを忘れた頃、ミゼアスの前にアデルジェスが現れた。
 ミゼアスはアデルジェスを部屋に連れ込み、離さないのだ。何故あのような平凡そうな男を側に置いておくのだろうと、コリンたち三人は不思議に思っていた。
 しかし実は凄腕の色事師らしいという結論が出てからは、見る目が変わった。
 ブラムなどはすっかりアデルジェスのことを尊敬している。

 初めて会話を交わしたときはまだアデルジェスのことをよく知らなかったため、コリンも普通に口をきけた。しかし、凄腕の色事師と知ってからはどぎまぎしてしまい、まともに顔を見ることもできない。
 ブラムがアデルジェスから教えを請うているとき、コリンも側にいた。
 この手がどれほどの快楽を紡ぎだし、ミゼアスを酔わせるのだろう。そう考えると身体が熱くなってしまい、もじもじと俯くことしかできなかった。

 そういえばミゼアスはアレが小さい相手に一目惚れするという話だったはずだ。そう思ってこっそりアデルジェスの股間に目をやってもみたが、服の上からでははっきりとした大きさはわからなかった。ただ、小指程度ということはなさそうだ。
 やはり深い快楽を与えてくれれば、その他の好みなど凌駕してしまうのだろう。そう思っていると、裏づけとなるような出来事が起こったのだ。

 コリンたち三人が学校から帰ってきてミゼアスの部屋に行くと、ミゼアスもアデルジェスもいなかった。
 出かけているのかと思ったが、隣の寝室から物音がする。もしやと思いながら、三人は扉に近づいてそっと聞き耳を立ててみる。
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