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第二章 南へ
52.花婿修行
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「やぁん……今日は疲れているんじゃないの?」
寝台に押し倒され、ミゼアスは口先だけの抗議をする。
「ミゼアスの作った肉団子を食べたら、元気になった。昼間は一人にさせちゃったし、埋め合わせをしないと。でも、ミゼアスが嫌ならやめるけれど?」
服越しにゆっくりとミゼアスの胸の尖りを指で押しつぶしながら、アデルジェスは笑って問いかけてくる。
「もう……ジェスの意地悪……」
ふくれたように呟き、ミゼアスは唇を軽く尖らせる。答えなどわかっているくせに、わざわざ問いかけてくるアデルジェスが憎らしい。
「じゃあ、どうしてほしいの? 言ってみて?」
目を細めてアデルジェスは低く囁く。欲望を宿した瞳、静かだが熱のこもった声、すべてがミゼアスの心をとろけさせる。
「僕を優しく抱いて……今日はジェスをゆっくり感じたい……」
熱に浮かされたようにミゼアスが答えると、アデルジェスは微笑んで頷く。
アデルジェスの手によって衣服が剥ぎ取られていくのを、ミゼアスはうっとりと見つめていた。
ミゼアスの願いどおり、アデルジェスはゆっくりと時間をかけて愛撫を続けた。優しく、穏やかな快楽にミゼアスは震える。
じっくりと熱を煽られ、とうとうミゼアスが耐えられなくなってねだると、ようやくアデルジェスはミゼアスの中に侵入してきた。
「あっ……はぁ……どうしてジェスはそんなに余裕が……あぁっ……!」
あまりに平然として見えるアデルジェスに恨みがましい声をぶつけると、弱いところを突き上げられてミゼアスは黙らされてしまった。
「俺だって余裕なんてないよ。でも、ミゼアスが優しくって言うから……」
「あぁん、そこ……! も、もう優しくなんていいから……!」
何度も弱いところをゆっくりと抉られ、ミゼアスは早く上り詰めたくなってくる。アデルジェスに目で訴えるが、アデルジェスは笑みをこぼしただけだった。
「優しくしてほしいっていうお望みだったから、俺、頑張るよ」
意地悪く囁き、アデルジェスはゆっくりとした抜き差しを続ける。身体の奥底からじわじわと広がる愉悦が、もどかしくミゼアスを苛む。
「やぁっ……ジェスの意地悪……!」
ミゼアスの抗議にもアデルジェスは耳を貸さない。アデルジェスはじっくりと時間をかけ、ミゼアスが上り詰めてしまわないように快楽を与えていく。
まるで沸騰しないよう、弱火でとろとろと煮込まれている料理のようだ。
やっと上り詰めることができたときは、いつもよりも高い頂点だった。それまでじっくりと煽られていた熱が、より深い悦楽の世界へとミゼアスを誘う。
ぐったりと寝台に手足を投げ出し、荒い息をつくことしかできない。あまりに深すぎる快楽に身体が痺れてしまっている。
島ではぎこちなかったはずなのに、いつの間にかアデルジェスはミゼアスを翻弄するようになってきた。
料理を作って花嫁修業も順調だと思ったミゼアスだったが、もしかしてアデルジェスの花婿修行のほうが先に進んでいるのではないだろうか。
ぼんやりと霞む頭で、ミゼアスはそのような危惧を抱いていた。
寝台に押し倒され、ミゼアスは口先だけの抗議をする。
「ミゼアスの作った肉団子を食べたら、元気になった。昼間は一人にさせちゃったし、埋め合わせをしないと。でも、ミゼアスが嫌ならやめるけれど?」
服越しにゆっくりとミゼアスの胸の尖りを指で押しつぶしながら、アデルジェスは笑って問いかけてくる。
「もう……ジェスの意地悪……」
ふくれたように呟き、ミゼアスは唇を軽く尖らせる。答えなどわかっているくせに、わざわざ問いかけてくるアデルジェスが憎らしい。
「じゃあ、どうしてほしいの? 言ってみて?」
目を細めてアデルジェスは低く囁く。欲望を宿した瞳、静かだが熱のこもった声、すべてがミゼアスの心をとろけさせる。
「僕を優しく抱いて……今日はジェスをゆっくり感じたい……」
熱に浮かされたようにミゼアスが答えると、アデルジェスは微笑んで頷く。
アデルジェスの手によって衣服が剥ぎ取られていくのを、ミゼアスはうっとりと見つめていた。
ミゼアスの願いどおり、アデルジェスはゆっくりと時間をかけて愛撫を続けた。優しく、穏やかな快楽にミゼアスは震える。
じっくりと熱を煽られ、とうとうミゼアスが耐えられなくなってねだると、ようやくアデルジェスはミゼアスの中に侵入してきた。
「あっ……はぁ……どうしてジェスはそんなに余裕が……あぁっ……!」
あまりに平然として見えるアデルジェスに恨みがましい声をぶつけると、弱いところを突き上げられてミゼアスは黙らされてしまった。
「俺だって余裕なんてないよ。でも、ミゼアスが優しくって言うから……」
「あぁん、そこ……! も、もう優しくなんていいから……!」
何度も弱いところをゆっくりと抉られ、ミゼアスは早く上り詰めたくなってくる。アデルジェスに目で訴えるが、アデルジェスは笑みをこぼしただけだった。
「優しくしてほしいっていうお望みだったから、俺、頑張るよ」
意地悪く囁き、アデルジェスはゆっくりとした抜き差しを続ける。身体の奥底からじわじわと広がる愉悦が、もどかしくミゼアスを苛む。
「やぁっ……ジェスの意地悪……!」
ミゼアスの抗議にもアデルジェスは耳を貸さない。アデルジェスはじっくりと時間をかけ、ミゼアスが上り詰めてしまわないように快楽を与えていく。
まるで沸騰しないよう、弱火でとろとろと煮込まれている料理のようだ。
やっと上り詰めることができたときは、いつもよりも高い頂点だった。それまでじっくりと煽られていた熱が、より深い悦楽の世界へとミゼアスを誘う。
ぐったりと寝台に手足を投げ出し、荒い息をつくことしかできない。あまりに深すぎる快楽に身体が痺れてしまっている。
島ではぎこちなかったはずなのに、いつの間にかアデルジェスはミゼアスを翻弄するようになってきた。
料理を作って花嫁修業も順調だと思ったミゼアスだったが、もしかしてアデルジェスの花婿修行のほうが先に進んでいるのではないだろうか。
ぼんやりと霞む頭で、ミゼアスはそのような危惧を抱いていた。
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