14 / 133
第一章 旅立ち
14.嗜み
しおりを挟む
「いやいやいや! そんな趣味はないから! 頑張らなくていいから!」
慌てた様子でアデルジェスはミゼアスを押し留める。
「そう? 遠慮しなくてもいいんだよ。きみがどんな趣味を持っていようと、僕はきみのことが好きだから」
「遠慮していません……お願いだから、変なことはしないで……」
がっくりとうなだれるアデルジェス。
「それならいいけれど……。僕もああいう趣味はないし」
「……趣味はないけれど、椅子にするとか駄犬に躾けたりするっていうのはできるんだ……」
「え? だって、あんなの嗜みじゃないか。普通だよ」
「そう……」
アデルジェスはゆっくりと息を吐き出すと、向かい合っていたミゼアスの向きを変えて抱えなおした。ミゼアスの背がアデルジェスにぴったりと密着する。
「……お願いだから、俺にああいうことはしないでね」
耳元で囁くと、アデルジェスは薄布の上からミゼアスの胸の尖りに触れた。
「やん」
ミゼアスはぴくっと身を震わせる。アデルジェスは尖りを指先で掠めたり、摘んでみたりとからかうような動きで弄ぶ。
「あぁん……はぁ……」
もどかしい快楽にミゼアスは身をくねらせた。アデルジェスは片手でミゼアスを弄び、もう片方の手は逃れられないようにしっかりと押さえ込んでいる。
身動きもままならないが、そうしてアデルジェスに捕えられているのだと思うと、それすら甘い痺れとなって身体を蝕んでいく。
「ここ、感じるの?」
くすぐるように囁く声は熱っぽい。ミゼアスの耳を甘くとろけさせてくれる声だ。
「うん……気持ちいい……」
はにかんだようにミゼアスが答えると、アデルジェスはさらに執拗に責めたててきた。同時に唇が首筋を這い、ミゼアスはぞくぞくと快楽に震える。
「やぁん……あっ……あぁ……」
逃れようとするのではなく、捕えられていることを確めるようにミゼアスは身をよじる。
しかし、これだけでは物足りない。穏やかで優しい快楽に震えるのもよいのだが、達することができないほどの弱い刺激はだんだんじれったくなってくる。
「ねぇ、ジェス……お願い……もう……」
アデルジェスの手を押さえて訴えると、くすりと笑う声がした。
「欲しいの?」
「うん、欲しい……」
「どこに欲しいのか、教えて?」
ミゼアスの纏っている薄布をはぎとりながらそう言うと、アデルジェスはミゼアスを抱え上げて寝台におろした。
寝台の上でうつ伏せになり、ミゼアスは足を開いて腰だけを高く掲げる。
「ここに欲しいの……僕の中に、ジェスが欲しいの……」
愛しいアデルジェスに秘所を晒し、ミゼアスはねだる。はしたなくなりすぎないよう言葉を選んだが、そもそもこの格好がはしたない。それでもこれ以上我慢できそうになかった。
慌てた様子でアデルジェスはミゼアスを押し留める。
「そう? 遠慮しなくてもいいんだよ。きみがどんな趣味を持っていようと、僕はきみのことが好きだから」
「遠慮していません……お願いだから、変なことはしないで……」
がっくりとうなだれるアデルジェス。
「それならいいけれど……。僕もああいう趣味はないし」
「……趣味はないけれど、椅子にするとか駄犬に躾けたりするっていうのはできるんだ……」
「え? だって、あんなの嗜みじゃないか。普通だよ」
「そう……」
アデルジェスはゆっくりと息を吐き出すと、向かい合っていたミゼアスの向きを変えて抱えなおした。ミゼアスの背がアデルジェスにぴったりと密着する。
「……お願いだから、俺にああいうことはしないでね」
耳元で囁くと、アデルジェスは薄布の上からミゼアスの胸の尖りに触れた。
「やん」
ミゼアスはぴくっと身を震わせる。アデルジェスは尖りを指先で掠めたり、摘んでみたりとからかうような動きで弄ぶ。
「あぁん……はぁ……」
もどかしい快楽にミゼアスは身をくねらせた。アデルジェスは片手でミゼアスを弄び、もう片方の手は逃れられないようにしっかりと押さえ込んでいる。
身動きもままならないが、そうしてアデルジェスに捕えられているのだと思うと、それすら甘い痺れとなって身体を蝕んでいく。
「ここ、感じるの?」
くすぐるように囁く声は熱っぽい。ミゼアスの耳を甘くとろけさせてくれる声だ。
「うん……気持ちいい……」
はにかんだようにミゼアスが答えると、アデルジェスはさらに執拗に責めたててきた。同時に唇が首筋を這い、ミゼアスはぞくぞくと快楽に震える。
「やぁん……あっ……あぁ……」
逃れようとするのではなく、捕えられていることを確めるようにミゼアスは身をよじる。
しかし、これだけでは物足りない。穏やかで優しい快楽に震えるのもよいのだが、達することができないほどの弱い刺激はだんだんじれったくなってくる。
「ねぇ、ジェス……お願い……もう……」
アデルジェスの手を押さえて訴えると、くすりと笑う声がした。
「欲しいの?」
「うん、欲しい……」
「どこに欲しいのか、教えて?」
ミゼアスの纏っている薄布をはぎとりながらそう言うと、アデルジェスはミゼアスを抱え上げて寝台におろした。
寝台の上でうつ伏せになり、ミゼアスは足を開いて腰だけを高く掲げる。
「ここに欲しいの……僕の中に、ジェスが欲しいの……」
愛しいアデルジェスに秘所を晒し、ミゼアスはねだる。はしたなくなりすぎないよう言葉を選んだが、そもそもこの格好がはしたない。それでもこれ以上我慢できそうになかった。
1
お気に入りに追加
104
あなたにおすすめの小説
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
【完結・BL】DT騎士団員は、騎士団長様に告白したい!【騎士団員×騎士団長】
彩華
BL
とある平和な国。「ある日」を境に、この国を守る騎士団へ入団することを夢見ていたトーマは、無事にその夢を叶えた。それもこれも、あの日の初恋。騎士団長・アランに一目惚れしたため。年若いトーマの恋心は、日々募っていくばかり。自身の気持ちを、アランに伝えるべきか? そんな悶々とする騎士団員の話。
「好きだって言えるなら、言いたい。いや、でもやっぱ、言わなくても良いな……。ああ゛―!でも、アラン様が好きだって言いてぇよー!!」
エロゲ世界のモブに転生したオレの一生のお願い!
たまむし
BL
大学受験に失敗して引きこもりニートになっていた湯島秋央は、二階の自室から転落して死んだ……はずが、直前までプレイしていたR18ゲームの世界に転移してしまった!
せっかくの異世界なのに、アキオは主人公のイケメン騎士でもヒロインでもなく、ゲーム序盤で退場するモブになっていて、いきなり投獄されてしまう。
失意の中、アキオは自分の身体から大事なもの(ち●ちん)がなくなっていることに気付く。
「オレは大事なものを取り戻して、エロゲの世界で女の子とエッチなことをする!」
アキオは固い決意を胸に、獄中で知り合った男と協力して牢を抜け出し、冒険の旅に出る。
でも、なぜかお色気イベントは全部男相手に発生するし、モブのはずが世界の命運を変えるアイテムを手にしてしまう。
ちん●んと世界、男と女、どっちを選ぶ? どうする、アキオ!?
完結済み番外編、連載中続編があります。「ファタリタ物語」でタグ検索していただければ出てきますので、そちらもどうぞ!
※同一内容をムーンライトノベルズにも投稿しています※
pixivリクエストボックスでイメージイラストを依頼して描いていただきました。
https://www.pixiv.net/artworks/105819552
【完結】ただの狼です?神の使いです??
野々宮なつの
BL
気が付いたら高い山の上にいた白狼のディン。気ままに狼暮らしを満喫かと思いきや、どうやら白い生き物は神の使いらしい?
司祭×白狼(人間の姿になります)
神の使いなんて壮大な話と思いきや、好きな人を救いに来ただけのお話です。
全15話+おまけ+番外編
!地震と津波表現がさらっとですがあります。ご注意ください!
番外編更新中です。土日に更新します。
薫る薔薇に盲目の愛を
不来方しい
BL
代々医師の家系で育った宮野蓮は、受験と親からのプレッシャーに耐えられず、ストレスから目の機能が低下し見えなくなってしまう。
目には包帯を巻かれ、外を遮断された世界にいた蓮の前に現れたのは「かずと先生」だった。
爽やかな声と暖かな気持ちで接してくれる彼に惹かれていく。勇気を出して告白した蓮だが、彼と気持ちが通じ合うことはなかった。
彼が残してくれたものを胸に秘め、蓮は大学生になった。偶然にも駅前でかずとらしき声を聞き、蓮は追いかけていく。かずとは蓮の顔を見るや驚き、目が見える人との差を突きつけられた。
うまく話せない蓮は帰り道、かずとへ文化祭の誘いをする。「必ず行くよ」とあの頃と変わらない優しさを向けるかずとに、振られた過去を引きずりながら想いを募らせていく。
色のある世界で紡いでいく、小さな暖かい恋──。
消えない思い
樹木緑
BL
オメガバース:僕には忘れられない夏がある。彼が好きだった。ただ、ただ、彼が好きだった。
高校3年生 矢野浩二 α
高校3年生 佐々木裕也 α
高校1年生 赤城要 Ω
赤城要は運命の番である両親に憧れ、両親が出会った高校に入学します。
自分も両親の様に運命の番が欲しいと思っています。
そして高校の入学式で出会った矢野浩二に、淡い感情を抱き始めるようになります。
でもあるきっかけを基に、佐々木裕也と出会います。
彼こそが要の探し続けた運命の番だったのです。
そして3人の運命が絡み合って、それぞれが、それぞれの選択をしていくと言うお話です。
好きなあいつの嫉妬がすごい
カムカム
BL
新しいクラスで新しい友達ができることを楽しみにしていたが、特に気になる存在がいた。それは幼馴染のランだった。
ランはいつもクールで落ち着いていて、どこか遠くを見ているような眼差しが印象的だった。レンとは対照的に、内向的で多くの人と打ち解けることが少なかった。しかし、レンだけは違った。ランはレンに対してだけ心を開き、笑顔を見せることが多かった。
教室に入ると、運命的にレンとランは隣同士の席になった。レンは心の中でガッツポーズをしながら、ランに話しかけた。
「ラン、おはよう!今年も一緒のクラスだね。」
ランは少し驚いた表情を見せたが、すぐに微笑み返した。「おはよう、レン。そうだね、今年もよろしく。」
好きな人の婚約者を探しています
迷路を跳ぶ狐
BL
一族から捨てられた、常にネガティブな俺は、狼の王子に拾われた時から、王子に恋をしていた。絶対に叶うはずないし、手を出すつもりもない。完全に諦めていたのに……。口下手乱暴王子×超マイナス思考吸血鬼
*全12話+後日談1話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる