PrettyGirls(可愛い少女たち)ーレディースバンドの物語ー【プロ編Ⅱ】

本庄 太鳳

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2曲のCM

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5日になると、遅いので善人に催促の電話をしていた。
善人は、慌てていた。

「社長、わすれてたんですかー?」

「すまん すまん 麗奈に渡すのを忘れてたよ。いつなら、取りに来られるのかな?他は?」

「今日の、4時なら大丈夫だと思いますけど。他は、14曲完成してますよ。デモと歌詞持っていきましょうか?」

「ああ じゃ、4時に持ってきてくれよな。」

善人は、もうできちゃったのかとビックリしていた。
優のところに行き4時からのスケジュールを聞くと、4時半からなら空いていると言われたので一緒に聞いてもらうことにした。
一応吾郎にも連絡をして、スケジュールを合わせて貰っていた。
その日は早めの2ステージと撮影を終わらせて、麗奈はタクシーで会社に向かっていた。
渋滞があり、会社に4時20分に到着していた。
小会議室に入ると、吾郎と善人が座っていた。

「すいません。おそくなりました。もうしわけありません。」

「いいよ、まだ一人来てないからね。」

「ちょっと、急いで来たので自販機で飲み物買ってきていいですか?」

「いっておいで。」

麗奈は自販機でレモンティーを買うと、少し飲んでいた。
横を優が通ったので、挨拶をしていた。

「あら、麗奈のデモ聞きに来たのよ。なにしてるの?」

「今、着いたばかりで。喉乾いたので、許可もらって買いに来てました。」

「そう。じゃ、戻りなさいね。」

麗奈は、会議室に入るとお辞儀をしていた。

「今回、社長からだされたのは、月ごとの楽曲なので5月から11月まで2曲づつ作ってきました。えっと、歌詞が1部しかないんですけど。どうしましょうか?」

「じゃ、事務所に行って3部印刷してもらってきてくれないかな?」

「はい わかりました。ちょっと、時間ください。」

麗奈は会議室を出て、事務所で事務員にコピーを3部頼んでいた。

「善人、14曲、いつ頼んだんだ?」

「2ヶ月前だけどな。まさか、こんな早いとは思わなかったけど。他にスケジュール詰まっているだろ?」

「週3回は撮影もあるから、ビッシリだな。」

麗奈は戻ってくると、3人に歌詞を手渡していた。

「それでは、順番に流していきます。デモなので、その点はご了承ください。」

3人は、歌詞を見ながら聞き入っていた。
今まで少し曲と歌詞を無理矢理つけたところは無く、心地よいサウンドだった。
1曲 1曲 四季が感じられ出来栄えはよかったが、これを演奏するのは大変だった。
14曲終ると、善人は。

「結論から言うと、無理かなって思うな。全部。」

「そうですか? 作り直しですか。」

「曲はいいんだよ。今回はギターがネックだよな。これ弾き熟せるのか?」

「完璧では、ないですけど。正月に、練習してて。11曲までは、大体弾けるようになりました。」

「おまえーーーー 正月実家で練習ばかりしてたのかよーー」

「えっと、両親とか兄弟が聞いてる中でずっとリビングで練習してました。すいません。」

「じゃ、これから俺達も帰るから。マンションの下で11曲弾いてみろよ。それで決めるからな。」

「はい、エレキで弾くのは初めてですけど。やってみます。」

「おい これアコースティックで練習してたのかよ?絶対無理だぜ。」

「いつものOvationを持っていったので、すいません。」

「ここまでは何で来たんだよ?」

「洋子さんは、みんなを送って食事の支度があるのでタクシーで来ました。」

「領収書は?」

「え そんなのどうするんですか?」

「経費で落ちるんだからな。貰っておけよ。」

「次から気をつけます。」

「まぁ、お前が損するだけだからいいんだけどな。じゃ、乗せてってやるから帰るぞ。」

「はい あ 社長資料ください。」

「あ ずっと、忘れてたわ。渡したぞ。」

「はい ありがとうございます。」

「おい みんな集めろよ 一大事だからな。マンション1階にな。」

「なんか悪いことしたのかしら? また、怒られちゃった。」

「違うわよ、曲の出来が良すぎたからなのよ。後は、演奏できるかどうかだからね。」

「あ そうなんですね。 よかった。」

麗奈は優の車で、一緒にマンションまで帰っていた。
3人が走ろうとしてるので、今日は用事があるからと断っていた。
急いで洋子の部屋に行き、預けてあったギター2本をもらった。
自室に行くとVintageのGibsonとFenderと楽譜を抱えて1階に降りていた。
優にギターを預けると、再び自室に戻りトートバックを持ってきていた。
ギターを取り出し弦を緩めてニッパで切って弦を張り替えてチューニングしていた。
いとも簡単に、2本を張り替えるとギターを持ってスタジオに入っていた。
アンプに繋ぎ、音量などを調節していた。
吾郎・善人・次男・正生・博和・優・凛・香織が入ってきた。

「まだ、完璧ではないですけど聞いてください。最初の曲からです。」

麗奈は、歯切れ良い音で綺麗な音色を奏でていた。
8人は、あっけに取られていたが。

「ちょっと、3箇所ミスしました。すいません。もうちょっとですので、大丈夫です。」

次々に弾いていき、11曲を弾き終わった。
全員エントランスに出ると。 吾郎は言った。

「まだまだだけど、3日でそこまで弾けるようになったんだろ?仕上げられるよな。後の3曲もちゃんと練習しとけよ。曲自体は問題ないからな。」

「ええ 曲は素晴らしかったわよ。演奏もね。あんな大変な曲なのに。」

「おい 褒めるな。 いい気になるから。」

「でも、この曲全部で2ヶ月で作ったのか?作り置きか?」

「いえ、最初から作りました。案外イメージすると浮かんでくるので。」

「この14曲の譜面と各自のデモもこれから作らなきゃいけないし。CMのだって作らないといけないからな。本当に、寝る暇なくなるぞ。」

「はい 頑張りますので、よろしくおねがいします。許可してくださって、感謝します。」

あすか達は走り終わって帰ってくると、凄いメンバーが揃っていて挨拶をすると。

「麗奈 またなんかやらかしたのか?」

「そうよ、やらかしちゃったわよ。」

「ええええええ またかよーーーー」

「凄い曲が14曲もできてるのよ。今度はギターがネックだったから許可降りなかったんですけどね、バカな娘が。正月返上して実家でずっと練習してきたから許可でたのよ。後は、あなた達次第よ。デモ作ってもらって、早めに練習しなさいね。こんな曲滅多にお目にかかれないわよ。」

「そんな凄いのかよ?今からギターだけでも聞かせてくれよ。」

「あらあら・・」

「お食事とかいいんですか?良ければ弾きますよ。」

4人は、スタジオに入っていった。

「おい 正生、間違えたところわかったか? 俺はわからなかったけど。」

「バーカ おれがわかるわけねえだろうよ。わかってればプロになってるよ。」

「香織はどうなんだよ。 わかったのかよ?」

「わかるわけないでしょ?私も絶対音感持ってるけど、あれほどじゃないわよ。多分、技術的な事じゃないかしらね。」

「ああ 音の伸びとか、色々ミスってたよ。あいつ、正月ずっと弾いてたな。両親が悲しんだろうに。」

「あら、夢中になってる娘を見てるのもいいですよ。」

40分程すると、4人は出てきた。

「すっげーな。 麗奈天才かよ。こんなギターに合わせるなら、これから師匠のところに泊まり込みかな。」

「おい やめろよな。お前、レッスンにも来てなかったくせに。」

「これから、毎日、押しかけてやるからね。覚悟しておいてね。師匠。」

「麗奈は自分で納得するまで来るなよ。納得できるようになったら見てやるからな。お前、しょっちゅう来るから面倒なんだよな。」

「そんなにまだ、行ってるのか?」

「週3だよ。凛のところは毎日だろ?異常だぜ。」

エントランスでみんな大笑いして、各自部屋に戻っていた。

この日は練習よりも、CMの曲作りだった。
4月と言えば、桜・花びら・ピンクの絨毯・春風・出会い・ピンクだった。
桜並木・桜坂・桜公園・昼下がりの散歩・ピクニックなども連想されていた。
案外イメージとコンセプトは、かけ離れてなかった。
麗奈は、春・夏・秋・初夏の曲作りが得意だった。
構想を練りながら試行錯誤を繰り返していると、没頭して朝になっていた。
こんな事初めてであった。

あすか達は、それぞれの師匠のところでレッスンを始めていた。
細かな指摘をされて、悩みながら練習をしていた。
徹夜してしまった麗奈は、5時にみんなを起こして走っていた。

「おい 麗奈 クマできてるぞ。」

「昨日、CMの曲作ってたら夢中になって朝になってました。まだ、完成はしてないですけど。」

「おい 麗奈 あんた今日はスケジュールやったら寝なさいね。倒れたらどうするのよ。もしやったら、縁切るわよ。」

「わかりました 今日は夕飯食べたらすぐに寝ますね。ご心配おかけしました。」

その日は、みんなの言う通りすぐに就寝していた。
まぁ、それでも夕飯の後のボイトレは行ってたが。

10日には、CMの曲が出来上がって。
いよいよ、デモと楽譜の制作を始めていた。
1日3曲のデモを作り、5日で完成させてみんなに配っていた。

「えっと、CMのは今日見せに行くので許可降りてからになります。」

「麗奈じゃないんだから、こんなに渡されたって困んだよ。わかったよ。がんばってみるから。」

16日に善人に電話してこちらの空いてる時間と、善人の時間とを照らし合わせ。
午後2時に事務所まで、タクシーで向かっていた。 
今度は、しっかり領収書をもらった。
事務所に入ると事務員さんに、領収書を渡していた。

「ライブ会場からここまでのタクシー代ですけど。よろしくおねがいします。」

善人は、今度の出来はと聞いていた。

「まぁ。自分では、いつも最高の曲を作っているので。良いか 悪いかは、社長が判斷してください。」

善人は1回一人で会議室で聞くと、優を呼んでいた。
2人は真剣に話し合っていた。 
また、ダメかと少し落ち込んでいた。

「麗奈 この曲でダメだったらCMこっちから断ってやるよ。今から電話するから待ってなさい。」

善人は会議室を出て、電話をかけていた。

「あら、凄い曲だったわよ。どうしちゃったのかしらね?心境の変化でもあったのかしらね。」

「別に、これってのはないですけどね。」

善人は、部屋に入ってくると。

「今から30分後に聞かせてくれって言うから行くけど、ついてくるか?」

「歌詞とか何部作ればいいんですか?」

「急ぎだから、あっちにやらせればいいよ。おいで。」

「はい じゃ、行ってきます。」

善人と麗奈は事務所を出て、善人の車で30分かけて化粧品会社の本社の会議室まで来ていた。
2人は、お辞儀をして入室していた。
かなり偉い人が15人くらい座っていた。

「ええと、急ぎだったので、歌詞は1部しかないのですが用意いたしますか?」

「そうだね。歌詞があるとイメージも沸いてくるしね。」

「じゃ、麗奈横の事務室に行って人数分印刷してきてくれるかな?」

「はい わかりました。」

麗奈が出ていくと、会議室では善人は褒められていた。

「進藤さんには、前回も助けられたからね。今回も期待してるんだよね。」

「ご期待に添えればいいんですけど。私達が先程聞いて、出来の良さにビックリしてたところですよ。これでダメなら、しょうがないと。」

「こりゃ、期待できそうだね。聞くのが楽しみになってきたよ。あの娘って、もうCMかなりやってるよね?」

「そうですね。今回決まれば9本目になりますかね。まだまだ未熟ですが、よろしくおねがいします。」

「あんまりよかったら、またギター取られちゃうかな?」

麗奈は走って会議室に入ってきて、お辞儀をしていた。
一人一人にお辞儀して、歌詞を配っていた。

「イメージとしては、最初の曲なんです。2曲目は、CDに入れる曲ですけど。どちらも、甲乙つけがたいと思いますので、聞いて評価をお願いします。」

麗奈は、2曲を流していた。

「もう、1回いいかな?」

「はい わかりました では、流します。」

「どんなイメージで作ったんですか?」

「春と言えば桜です。しかし、桜が咲き誇る時期は短いです。最初の曲は蕾から花開く季節をイメージしてつくりました。2曲目は、満開の桜が散り始め桜のピンクの絨毯が敷き詰められる景色を想像して作りました。やはり、春は女性が輝く季節なので。そんなところも入れてみました。」

「そっか、前半と後半か。ちょっと、待っててくださいね。音楽のプロを呼びますからね。プロって言っても、CMの音楽担当を5人程です。」

「歌詞いりますか?」

「そうだね。手間かけるけど、コピー頼めるかな。」

「はい、わかりました。」

男性一人と麗奈は、会議室から出ていった。

「進藤君、上出来じゃないのかな?CMもこの2曲を前半と後半に分けて使おうかと思って担当を呼んでいるんだよ。」

「お気に頂けて光栄です。なんか、この頃、曲作りのやり方が変わったみたいで。良い曲がどんどん私のところに来るんですよね。」

「それって、どんなのなんだ?」

「まぁ、月毎に作らせましたけどね。5月から11月までのを7ヶ月分ですかね。それも、あっさり。普段の仕事やりながら2ヶ月で完成させちゃってますから。」

「それも、今度でいいから是非聞かせてくれないかな?」

「かなり出来がいいですよ。最初はダメだと言ったんですよ。ギターが凄くシビアなのでね。それでも、3日11曲を練習して凡人の私達には、ミスしたところなんてわからなかったですけどね。本人は、3箇所ミスったとか納得してなかったですけど。」

「どうせ、どんどんレコーディングするんだろ?進藤君、持ってきてくれよ。まぁ、使うかどうかわからないけど。」

「はい 喜んでお持ち致しますよ。ビックリしないでくださいね。私達、幹部全員が揃って聞いて納得しちゃった曲ですから。」

麗奈は、入ってきて。

「遅くなりました。私機械音痴なのでコピーしてもらってきました。」

1番偉そうな人に、5部渡した。
10分程すると、5人の男性が入ってきていた。

「じゃ、もう1回流してくれないかな?」

「はい わかりました 流しますね。」

麗奈は曲を2曲流して反応を伺っていた。  
ダメかなと・・・・

「あの もう、一回 おねがいします。」

何度も何度も、会議室で流されていた。

「コンセプトとピッタリで良いと思いますけど、社長。二部となると撮影の方もかなりギャラが発生しますよ。」

「そうだな。後半の方はモデルもやってるし麗奈さんに頼めるかな?」

「えっと、撮影はしてますけど。演技とかできないですので。」

「いいんだよ。化粧品の宣伝に演技いらないからね。ちょっと、待っててね。」

「善人さん、なんか大変なことになってるわよ。」

「まぁ、お前はモデルで色々なポーズとかとってるんだろ?それでいいんじゃないのか?」

2人の女性が入ってきて、麗奈に近づくと肌とか髪とかをチェックし始めていた。

「社長、あんなモデルよりもこっちの娘の方が肌のキメ細かいし綺麗に写せますよ。髪の毛の質も問題ないですしね。両方やってもらったらどうなんですか?」

「代わり映えしないだろう。」

「バックとか、変えれば全く違いますからね。そこは企画の方でなんとかしてくださいよ。」

「善人さん、私そんな時間ないですよ。怒られます。」

仕事はしたいが、この前吾郎に怒られたこともあり麗奈は断りかけていた。

「えっと、本当に光栄なんですけど。本人はミュージシャンで毎日ライブを2個くらい熟しているので、時間とかの折り合いが付かないと思うんですけど。すいません。」

「あら、お休みはあるわよね?」

「はい 週1回貰って美容室とかエステとか行ってます。」

「じゃ、来てくれたら美容室あるわよ。全身じゃないけど、お顔はツルツルになるわよ。どうする?」

「えっと、私のお休みの日でよければいいですよね?社長。」

「ああ 休日は自由だからな。できるだけ協力してあげなさいね。無理はダメだよ。」

「じゃ、決定ね。曲は決まったんでしょ?この娘をその様に撮影すればいいのよね?」

「ああ そうだけどな。今回は2部で。初春と春なんだよな。」

「3月から流せば長く使えますよ。そして5月の初旬までね。」

「ああ そうだな。お前らも歌詞を見せてもらって聞いてくれよ。」

再び、会議室に2曲が流れていた。

「すっごいじゃないの。わかる わかる これ、貴女が作ったの?」

「はい ちょっと時間かかりましたけど、5日で2曲作りました。」

「仕事は、作曲だけでしょ?」

「昼間は、ライブとモデルの撮影してましたから。夜とかですね。」

「そっか、すごいね。良いCM作りましょうね。よろしくね。」

「はい よろしくおねがいします。」

やっと、長い会議は終了していた。

「社長すいません。こんな長くなって。」

「バーカ 1曲のところを2曲になったんだよ。凄いことだからな。後は、レコーディング全部仕上げてくれよな。CMのからな。」

「はい わかりました。」

善人に送られてマンションに帰ったのは、8時を過ぎていた。
洋子に電話したら、善人と一緒だったから用意してないと言われた。
仕方なく麗奈はファミレスに行こうと、エントランスまで降りてきていた。

「あら どうしたの麗奈。 こんな時間からどこに行くのよ。」

「あれから、化粧品会社でずっと会議でご飯ないのでファミレスに行こうと思って。」

「来なさい そんなに無いけどね 期待しないでよ。ご飯はあるからね。」

麗奈は優と9階まで上がると、玄関から入った。 
吾郎がいたので。

「夜分遅く、お邪魔します。」

「なんだ、こんな時間に。こっちに泊まるか?」

「いいえ 会議が今までかかったので、洋子さんご飯用意してなくて。ファミレス行こうとしたらお母さんが食べさせてくるって言うので来ました。」

「そっか、それでCMどうだったんだ?」

「なんか、CDの曲2曲使うみたになって2部構成にするそうです。春先の3月からのと4月初旬からのになるそうです。」

「なんだ、2曲使ってもらえたのかよ。凄いじゃないか。」

「私も聞いてビックリしたのよ。驚いちゃったわよ。」

「でも、問題があって・・・・・・・・・・・・・・」

「また、無理な事引き受けてきたんだろ?」

「はい どっちも演技いらないから、撮影に入ってくれって言われました。休日に行けばいいそうで。その場で社長に承諾は得たんですけど。」

「麗奈が休み無くなっていいなら問題ないぞ。ただ、なんだな。化粧品だぞ。お前の顔のドアップが全国に流れるんだからな。笑えるよな。」

「ですよね。普通の女優とかだとギャラが凄いって、2部にできないって困ってたので。」

「代用品か。いいんじゃないか?」

「貴方知らないのよ。こんな肌の細かい娘いないわよ。それに麗奈は美人ですからね。」

「そうなのか?ずっと、俺の中では中学の麗奈しかいないけどな。」

「ほら、麗奈 バカなお父さんは放っといて、こっちで食べなさい。」

「ありがとうございます ご馳走ですね。頂きます。」

「麗奈 たまには、こっちでご飯食べてね。吾郎と2人だと会話もなくて食事も美味しくないのよね。麗奈みたいに、美味しそうに食べないし。」

「でも、知ってますよ。お父さんの大好物は、お母さんの料理だってね。私も大好きだもの。とっても美味しいし。」

2人はニコニコ笑いながら、食べている麗奈を見ていた。

「お母さん、ご馳走様でした。おいしかったです。片付けますね。」

「麗奈 やることあるでしょ?」

「えっと、CMからなので。他のはデモ渡したんですけどね。今日中に作ろうかと思っています。」

「おい 今、何時だと思ってんだよ。9時だぜ。いくらお前が早くても、1時回るだろうが。明日のライブに差し支えるからな、今日は1曲にしとけよ。」

「はい わかりました。これから凛さんのところでボイトレやってからやりますね。」

麗奈は食べた食器をシンクまで運び洗おうとすると、優は早く行けと言ったのでお礼を言っていた。
そのまま凛のところに行き、1時間レッスンをしていた。

「しかしあいつ、いくら稼いでるんだ?凄いだろ。」

「そうね、桁外れよ。まだ、給料10万ですけどね。」

「いいんじゃないか?こっちで貯金しといてやればな。なんとかMUSICってところにな。そろそろ株を増やさせようかな。30%くらいまでは、いいだろうしな。」

「そうね、これからのためにも。そうしとけばいいわよね。」

その日0時少し過ぎに、1曲のデモと楽譜が完成していた。
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