PrettyGirls(可愛い少女たち)ーレディースバンドの物語ー【プロ編Ⅱ】

本庄 太鳳

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新垣麗奈

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次の日から、ライブも再開された。
麗奈もいつも通りに、ステージをやっていた。
ステージではキレていたが、降りると少し沈黙していた。

「あら、麗奈 今日は元気ないわよね。どうしたの?」

「ええ 帰って夕食終わったら、部屋に来てくれるかしら。話ししとかないといけないので。」

「かなり重要かしらね。いいわよ。今日は1個だけだしね。いっぱい話ししましょうね。」

「すいません。いつも、聞いてもらって。」

4人は帰ると夕方のランニングをしてからシャワーを浴びて、夕飯を食べていた。
麗奈の部屋に、みんな集まっていた。

「あ 紅茶入れますね。すいません。」

「いいよ、私が入れるから。座ってなよ。」

葉月が紅茶を入れると、4人は紅茶を飲み始めていた。 
麗奈は、やっと口を開いていた。

「実は、私養女になるんですよ。養女になっても、今の両親とか兄弟とかと別れないですけどね。」

「やっぱりな。新垣麗奈か。」

「はい、新垣さんが、両親がご挨拶に行った時に言われたみたいで。でも、養女になったからって、特別扱いとかは嫌って言ったんです。それなら、養女にならないってね。今まで通りなら、別に名字変わるだけだし。」

「まぁ、そうだけどね。麗奈の両親は複雑だよな。一昨日お姉さんがお嫁に行って。次の日麗奈が養女だものな。」

「色々話し合って、お世話にもなっているし。それに、両親と会えないって事でもないし。弟や姉と縁も切れないですから。私はいいかなって。でも、こんな事メンバーに黙っているのは悪いですから。言わないとと思って・・・・・・」

「うちらは、問題ないよ。麗奈が特別扱いされたってね。だって、特別なんだものね。」

「それは、嫌ですよ。困ります。」

「じゃ考えてご覧よ、麗奈。優さんにいっぱい買ってもらてるだろ?私達、誰も文句言わないし当然だと思ってるよ。最初から新垣夫妻は麗奈を溺愛してたからね。」

「そうそう、ミエミエだったけどね。」

「麗奈から要求するようになったら、ダメだけどね。あっちからしてくれるのは、いいんじゃないのかな?」

「優さんもだけど、吾郎さんなんて、麗奈に厳しいのは溺愛の証拠だものね。」

「なんか悪いところでたら、注意してくださいね。直しますので。」

「わかったから、安心していいよ。麗奈は、麗奈だよ。変わらないからね。」

「もっと、深刻な話かと思ったわよ。こんなの時間くれば当然だと思ってたしね。」

「麗奈が辞めるのかって、心配してたのに。損しちゃったわよ。」

「業界では、REIだし、変わらないしね。」

「1番麗奈の事理解してるのが、吾郎さんと優さんだからね。1年一緒に過ごしていたんだしね。なんでもお見通しだからね。」

「こりゃ、麗奈は40までお嫁に行けないな。一生かな。」

「なんか話をしたら、安心しちゃったわ。」

「ステージで叫んじゃえばいいのに。師匠の養女になりましたーーってね。」

「言えるわけないじゃないですか。殺されちゃいますよ。」

「秋で紅葉の季節よね?それで、いつ養女になるの?」

「今度、弟の結婚式の時上京した時、書類とか持ってくるみたいです。なんか面倒ですよね。」

「両親はお金とかもらったの?」

「いいえ ただ、今まで通り接して厳しく躾けてくださいってお父さんがお願いしてました。後はなにもですね。」

「麗奈と一緒で欲がないよね。でも、お金とかだったら人身売買みたいで嫌だものね。麗奈も納得して両親も同意して、兄弟もでしょ?それなら問題ないわよね。」

4人は、遅くまで話をして部屋に各自戻っていた。

9月の第4週の金曜日に両親が上京してきていた。
麗奈のところに来る前に、会社に寄ったみたいだった。
養女は、息子の結婚式の後にしてくれとお願いしていた。
優はポロポロと涙を零し、申し訳無さそうにしていた。

「奥さん、気にしないでくださいね。あの娘が選んだんですから。こっちで母親・父親としてしっかり躾けてください。なにもわからない娘なので。お願いします。」

「はい わかりました。私も主人も娘さんをもっと立派に育ててみせますから。任せてください。音楽だけでなく、色々な事を教えて行こうと思っています。」

「新垣さんのお宅に1年住まわせてもらっていたので、性格とかもご存知だと思うので安心しています。あの娘は2人を慕っていますので。厳しくしてやってください。甘える事は無いと思いますけど、一人で抱え込む事が多いので。私達は、手のかからない娘と言ってましたけど。随分、耐えてたと思います。今は自分で少し稼いでいるので、それなりに生活できると思いますけど。売れなくなったらどうなんだろうっていつも考えてます。」

「娘さんは会社の株を内緒ですけど、25%持ってるんですよ。言わないでくださいね。まだ、お金とか持たせたくないので。ただ、貯蓄はちゃんとしてありますので大丈夫ですよ。私達の株よりも多いですからね。」

「色々と考えてくれているんですね。ありがとうございます。あんな娘ですけど、見捨てないでよろしくおねがいしますね。」

「見捨てないですよ。とっても素直で可愛いですからね。ライブとかいっても、他のバンドのメンバーに可愛がられてますよ。だから、お姉さんの時にみんな駆けつけてくれたじゃないですか?普通、頼まれないのに行かないですよ。」

「そうですね。いっぱいの人が来てビックリしましたけど。学校時代は友達もいなかったので。」

「それは共通点がなかったからですよ。音楽を追求してる仲間だったら、すぐに友達になれますからね。バンドのみんなが遊んでいる時でもライブやチャリティーに進んで参加したり、施設にも行ってましたからね。凄いですよ。」

「そんな事してるんですね。ご迷惑おかけしました。」

「結局、宣伝とかにもなりますからね。今はチャリティーでも、会社でバックアップしてチームを作ってバンドで参加していますよ。これも、娘さんが事務所の社長に頼み込んでたんですけどね。」

「そんな娘に成長してたんですね。なにも知らなかったですよ。」

「今度から、ツアーとかで回る時は遠いかもしれないですけど、チケットを送ります。そして、ギター弾いて歌っているのが好きですけど。帰省させれるようにしますね。うちのマネージャーに送らせますので。」

「ありがとうございます 書類はこれで揃ってると思いますけど、署名と捺印はしてありますので。娘をよろしくおねがいします。失礼します。」

「マンションまで送らせますよ。待っててください。」

いつも優が乗ってる車が会社の前に到着して、両親は2人に挨拶して乗り込んでいた。
優は、そのまま泣き崩れていた。

幸平の結婚式も、茉莉子の時と同じ様に行われていた。
違ったのは、最初からみんなが麗奈をみつけて騒いでいたのだった。
騒ぎが大きくなると困るので、麗奈は退出して喫茶コーナーで紅茶を飲んでいた。
歌を歌う少し前に入ってきて、紹介されて歌っていた。
二次会は、もう大盛況だった。 
幸平の姉が麗奈だとみんな会社では知っているので、みんな押し寄せてきていた。 
麗奈達は、1時間のステージを終えると。
披露宴に来なかった人に、色紙を配って話をしていた。
両親は、その夜そのまま帰っていた。
麗奈も茉莉子達に別れを言うと、マンションに帰った。
それから日曜日が過ぎ、月曜日に新垣夫妻は市役所に届けを出していた。

この日から、麗奈は新垣麗奈になっていた。
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