PrettyGirls(可愛い少女たち)ーレディースバンドの物語ー【プロ編Ⅱ】

本庄 太鳳

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吾郎テクニック

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8月中旬には、色紙が完成していた。 
ちゃんと、ラミネート加工もされていた。
茉莉子のところに70枚  幸平のところに50枚持っていった。
まぁ純也が、大方持ってくれたのだったが。

ライブの合間に、8月下旬のライブの練習をみんなでしていた。
その間も、まだ売れてないグループの曲を作って善人に提出していた。
まぁこのグループの曲を作り始めてから、音域が狭い曲もできるようになったのだった。
麗奈達は、レコーディングしたり・毎日ライブをしていた。
ライブの回数は、レコーディングがあるので1日1~2回にしていた。
みんなの腕も上がっているので、2日で1曲は完成していた。
後は、本人達が歌を吹き込むだけだった。

いよいよ、ライブ当日になっていた。 
それでも、いつもと変わらない生活だった。
午後1時からなので、10時まで最後の練習をしてから風呂に入り支度をしていた。
前に他のバンドが演奏をするので、向こうでのリハはできなかった。
トラックが入り、マイクロバスとワンボックスが駐車場に入ってきた。
車から降りると、駐車場であすかを中心にみんなで輪になっていつもの掛け声をかけていた。

「あ おはようございます 今日は、お世話になります。」

「おい 見せてくれよ。お前の恋人達を。」

「あ 今日は持ってきましたよ。ちょっと、まっててくださいね。」

楽屋に4本のギターが、スタッフによって運び込まれていた。
Fender Gibson Martin Gibsonアコースティックがケースを開けられていた。

「まじかよ すっげーな。こんなの間近で見るなんて初めてだぜ。しかも、4本揃っちゃって。」

「Gibsonのレスポールは吾郎さんから頂きました。1番のお気に入りですよ。」

「有名だものな。新垣さんのギターコレクションって。それを貰っちゃうなんて凄いよな。後で、弾いていいか?」

「いいですよ。素人には触らせたくないですけどね。先輩なら。」

「今日は、どんな演奏してくれるのか。みんな楽しみにしてるんだからな。」

「今日は会社総出で来ましたよ。トラックとマイクロバスにスタッフと私達のワンボックスで。ツアーみたいですよ。」

「いつも、これで移動してるのか?」

「そうですね 大体そうですね。走るのはゆっくりですよ。器材運んでいますのでね。」

「そりゃ、そうだろうよ。トラックの中 億だろうが。」

「そうなんですか?全く他のは、わからないですけどね。」

「アンプだって凄いの使ってるしな。もう元取っただろ?」

「まだだと思いますよ。吾郎さんには、ド下手って言われてますので。」

「麗奈 少し食べときなよ 身体持たないよ。」

「あ それじゃ、失礼します。」

麗奈達は、いつもの軽食のサンドイッチを食べていた。

「あああ 忘れてた。弦張り替えるわ。」

毛布を出すと、その上で1本ずつ弦を素早く張り替えてチューニングして戻していた。
10分で4本の弦を張り終えると、一安心して、紅茶を飲んでいた。

「どうしよか?今日は、あれ入れる?サビまで独唱のを。」

「麗奈が良ければいいわよ。最初にやりましょうか?」

12時半を過ぎ、前の組のアンコールが始まっていた。
麗奈達は、イヤモニをしてスタンバイしていた。
スタッフにより、器材がセッティングされていた。
麗奈達は、手を振ってステージに向かっていた。
シーンと静まる空気の中、麗奈は空を見上げていた。
ふーっと、一息つくと。マイクに向かって歌いだしていた。
透き通った綺麗な声に、観客は魅了されていた。
Aメロ Bメロを歌い上げると、一斉に楽器が奏でられていた。
音感はピッタリだった。 間奏では、アドリブを入れて演奏していた。

「みなさーーーーーーーーーん  こんにちわーーーーーーーーーー
PrettyGirlsでーーーーーーーーーーーーす
今日は、先輩達の計らいによって2時間のステージができるようになって
すっごく うれしいでーーーーーーーーーーーーーーーーーーーす
いっぱい いっぱい歌えますものねーーーーーーーーーーーーーー
まだ、夏休みかしらね。 彼女 彼氏と来てるみんなに捧げます
【Kiss Kiss Kiss】【口づけ】 【青空と大地】」

ストラトに持ち変えて、軽快に音を奏でていた。
メンバーもノリノリで、彩香も動き回っていた。
麗奈が聞いていても、音ズレはなかった。

「それではメンバー紹介しまーーーーーーーーーーす
我らがリーダー すっごく頼れる姉御 ドラム ASUKAーーーーーーーーーーーーーー
低音担当、ソロだってお任せよ  ベース AYAーーーーーーーーーーーーーーーー
色々な音を奏でます 音の魔術師 キーボー HAZUKIーーーーーーーーーーーーーーー
そして、ギターとボーカル担当の REIでーーーーーーす
みなさん、よろしくねーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
次、いくよーーーーーーーーーーーーーーー
今日はノッてるから、どんどん時間いっぱい演奏しちゃうからねーーーーーーーーーーー」

1時間が過ぎ、麗奈は水を飲むと。

「先日、メンバーにも内緒だったんですけどねーーーーーーーーー
みんなにおしえちゃいまーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーす
ウエディングドレス着てきましたーーーーーーーーーーーーーー
結婚したんじゃないんですけどねーーーーーーーーーーーーーー
パンフレットの撮影でしたーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
私は気が多いので恋人たくさんいますよーーーーーーーーーーー
今日は、そのうち、4人きましたーーーーーーーーーーーーーーー」

メンバーは後ろで爆笑していた。

「しってるーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」

「ええ ばれちゃってますかーーーーーーーーーーーーーーー」

「そう、ここにずらっと並んだギターが私の恋人でーーーーーーーーーーーーす
良い音を奏でてくれるので、大好きでーーーーーーーーーーーーーす
暑いから、みなさん熱中症には注意してくださいねーーーーーーーーーーーーー
あんまり話しをしてると、メンバーに怒られちゃうので次いきまーーーーーす」

Martinに持ち換えると、今度はしっとりと歌い上げていた。
2曲歌い終わると、上を向いていた。

「社長ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ごめんなさーーーーーーーーーーーーーーーーーーい
うたっちゃいまーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーす
まだCDも出てない新曲でーーーーーーーーーーーーーーーーーす
本当は、今年結婚する姉と弟の為に描き下ろした曲なんです
封印しようとおもったんですけどねーーーーーーーーーーーー
CMで使われることになっちゃいましたーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
メンバーには、ちょっと休憩しててもらいまーーーーーーーーーーーーーーーーーす」

Martinのアルペジオで、弾き始め。ソロで弾き語りをしていた。
出会い・恋・絆・春夏秋冬が1曲に詰め込まれていた。
歌い終わると、割れんばかりの拍手と歓声が巻き上がっていた。

「ありがとーーーーーーーーーーーーー
でも、帰ったら怒られちゃいますけどねーーーーーーーーーーーーーーーーー
みんなに聞いてもらいたかったでーーーーーーーーーーーーーーーす」

Gibsonのアコースティックに持ち替えると、軽快なリズムを刻み出していた。
観客もノッてきていた。 
麗奈は間奏の間、頭の上で手拍子をすると。
観客も、手拍子をし始めていた。

最後は、【夏祭り】【風鈴】【渚の少女】でステージは終了していた。
4人はクタクタになって客席にいつものように手を繋いでお辞儀をすると、袖に引いていた。
アンコールの声が聞こえたが、かなり時間オーバーなので。辞めようと思った。

「おい アンコール待ってるだろ。2~3曲歌ってこいよな。」

4人は笑顔で袖から姿を現していた。

「ありがとーーーーーーーーーーー
相当時間オーバーだったのでできないとおもったけどねーーーーーーーーーーーー
歌っていいって言ってくれたのでーーーーーーーーーー
優しい先輩ありがとーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
じゃ、お話しはこれくらいにしないと、本当に怒られるのでねーーーーーー
3曲続けていきまーーーーーーーーーーーーーーーーす 
その前におみずーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」

麗奈は水で喉を潤すと、あすかのドラムで曲が始まり3曲を歌い上げ
客席に手を振って下がっていった。
スタッフは、素早く片付けていた。

今日はここだけなので、最後までみんなで残ることにしていた。
感想とか指摘も聞かなければいけないので、帰れなかった。

「おい 下手くそ 歌っちまいやがって。」

「あ 吾郎さん すいません 夢中になって、歌っちゃいました ごめんなさい。」

吾郎に呼ばれて麗奈は楽屋の隅で、色々と注意をされていた。
こちらから見てると、麗奈はただ頷いて謝っているだけであった。
まぁメンバーはいつもの光景なので、平気で見なかったが。

「おい お前ら、あんなに怒られてて放っておくのか?」

「あ あれ恒例なので、ツアー中なんかずっとでしたからね。なれちゃいました。」

「あれだけ弾けても怒られるのかよ。俺達の演奏なんて評価してくれないだろうな。」

「そんなことないですよ。ただ、吾郎さんは、麗奈だけには厳しいのでね。私達には、普通ですよ。」

麗奈は、トボトボとみんなのところまで来ていた。

「今日はなんだって?」

「押さえが甘いから、基礎からやれって言われました。後はハマリングとかトレモロとかの長さとか注意されましたね。まぁ、実際そうなんですから。仕方ないですよ。」

「ね こんなんよ。毎度お馴染みですからね。でも、帰ると麗奈注意されたところ練習してるから。凄いと思いますよ。」

「私なんて、ツアー中。麗奈がヘッドホンで練習してるから鍵開けてくれなくてフロントまで何度も行ってたんですよ。」

「って、お前らまだ2人で一部屋か?」

「そうですよ。ビジネスホテルで2人一部屋ですけどね。でも、ツインだからいいですよ。最初のマンションなんて一部屋に5人だったし、ベッドも2個しかなかったから。2人とか3人で寝てましたからね。」

「凄い生活だな。今は、別々なんだろ?」

「今は別々ですね。麗奈だけ優遇されてますけどね。ギター保管室とか視聴覚室とか、PCの部屋とかでワンフロアーですけど、当然ですね。私達より、やること多いですからね。」

「あ そんなに使ってないですよ。4~5個も部屋余ってるし。」

「今日は、先輩達の演奏も聞かせてもらいますね。ちゃんと盗んで帰らないと、社長に怒られちゃいますから。」

「お前らには負けるよ。やっぱり気になって新垣さん見に来たな。」

「だって、吾郎さん夫妻は、麗奈を自分の子供だと思っていますからね。心配だったんでしょうね。」

「へー あの美人の奥さん知ってるのか?」

「優さんは、レコード会社の社長ですもの。麗奈なんて連れ回されて、色々買ってもらってるけどね。麗奈は、楽器以外は、無頓着だから、心配なんでしょうね。」

「次、出番だけど。どっちかギター貸してくれるかな?弾いてみたいんだよな。」

「あ どっちでも構いませんよ。私が選んだピックならありますけど。やっぱりギターによってピック感覚が違うでしょ?」

「そっか、じゃ、借りていこうかな?こっちのレスポールでいいか?」

「吾郎さん愛用のですね。どうぞつかってください。ギターも喜びますよ。」

いよいよステージが始まっていた。 
やはりキャリアの差か、凄く上手かった。
3曲程歌うと、客席に語りかけていた。

「俺は、尊敬するギターリストは新垣吾郎さんです。
あの人の速弾きとか音色とか真似しようとおもっても、できませんでした。
そして、今でもです。
そんな新垣さんの弟子がREIさんです。
新垣さんが愛用していた、今持ってるレスポールをREIさんに借りてきました。
すっごい音です。 なんかこのギター持ってるだけで、新垣さんに近づいた錯覚しちゃいました。   それでは、ご紹介します。新垣吾郎さんです。」

吾郎は仕方なく、袖から出ていった。

「おい 無茶言うなよ。この頃、あんまり弾いてないんだからな。」

「この人が日本で1番のギターリストです。みなさん、拍手。」

観客は一斉に、大きな拍手と歓声をあげていた。

「それじゃ、1曲だけな。それで勘弁してくれよな。」

吾郎にレスポールを手渡すと、自分のギターを持っていた。

「吾郎さんなら、なんでもですよね?俺らの曲聞いたことありますか?」

「多少あるけどな。どんなのやるんだ?」

リズムを刻むと、吾郎が首を縦に振っていた。
演奏が始まると、吾郎は邪魔にならないように弾いていたが綺麗な音色だった。
間奏になると、中央に押し出されていた。
吾郎はボリュームをあげて、様々なテクニックで弾き始めていた。
圧巻なのは速弾きだった、凄く早いのに音は正確でリズミカルだった。
間奏が終ると、再び横に移動していた。
観客からは間奏の間、歓声やら悲鳴が巻き上がっていた。
無事演奏が終ると、吾郎は客席にお辞儀をしてギターを持って帰ってきた。

「いい恥かいたわ。あのやろう、来たら怒ってやるからな。」

「凄かったです 師匠のギター最高でした。いつも言ってた基礎が肝心って身にしみてわかりました。私の音とは比べ物にならないです。どの音も綺麗だし、速弾きしても、澄んだ音を奏でてるし。最高でした。演奏してくれてありがとうございます。感謝します。」

麗奈は、目をウルウルして吾郎を見ていた。

「バーカ プロなら、あれくらいできなくてどうするんだよ。お前が下手なだけなんだからな。」

「はい 下手なので、これから頑張ります これから週4にしようかしら?」

「それは、勘弁しろよな。」

「いいじゃないですか。教えてくださいよ。」

「じゃ、課題出すから。出来たら、来いよな。」

「わかりました、ありがとうございます。」

みんなは、最後までいて演奏を聞いていた。
色々な人から、演奏などの評価や指摘をみんな受けていた。
麗奈はギターやボーカル・そしてマイクパフォーマンスなどについてもアドバイスを受けていた。

それでも、みんなの評価はとてもよかったのは言うまでもなかった。
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