PrettyGirls(可愛い少女たち)ーレディースバンドの物語ー【プロ編Ⅱ】

本庄 太鳳

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お洒落

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次の日は午前中の練習が終ると、洋子の部屋でみんなで昼食を食べていた。

「いつか、麗奈が言ったでしょ?今年は8月になったら、素麺とかお蕎麦とかも用意するからね。楽しみにしててね。」

「うわぁ、やったー。覚えてくれてたのね、洋子さんありがとう。」

「そう言えば、食べてないよな。私も食べたいし。」

「何年食べてないかしらね?麗奈、ハンバーグだけじゃないんだ。」

「もう、あれは安いからですよ。この頃は、メンテとか弦とか事務所が経費で払ってくれるけど。昔は自腹だったので、かなりキツかったですからね。」

「そうだよね。本数もあるしね。もう、行きつけの楽器屋あるんでしょ?」

「はい ありますよ。いつも、ホームページチェックしてて、大量買いするので用意してくれてます。」

「大体、弦なんて何セット持っていくの? 20セットくらい?」

「ギター1本に対して、50セットと鞄に20セットですね。だから、200セットくらいですよ。あまり弾かないアコースティックは残って持って帰ってきますけどね。」

「そりゃ、お金かかるわね。事務所が出してくれるようになってよかったよね。給料全部弦に変わっちゃうものね。」

「あ そろそろ1時になるので、私失礼しますけど。片付けごめんなさい。次、全部一人でやりますから。」

「期待しないで待ってるよ。私達はこれから個人で練習するから。行っておいで。」

エントランスに降りて、ソファーに腰掛けて優の来るのを待っていた。
麗奈は、ウトウトとして少し寝てしまっていた。
優は30分遅れて急いでマンションに入ってくると、麗奈が寝ているので笑ってみていた。

「麗奈 朝ですよー」

「あ 優さん、おはようございます。」

「あら、あの事本当だったのね。香織に聞いてたけど。ごめんね。少し遅くなっちゃったわ。車で行きましょう。」

「えっと、優さん。どこに行くんですか?手ぶらですけど。」

「お楽しみよ。まぁ、景色でも眺めていなさいね。」

2人は後部座席に座って、色々な話しをしていた。

「麗奈、いつもバックとか持っていないの?」

「えっと、いつもライブの時は弦とか入っているバッグ持っていますよ。ポーチみたいなのですけどね。なんでも入るから便利ですよ。」

「時計はしないの?」

「大体、時計どこでもあるし。携帯でも見れるから持ったことないですね。中学の時、携帯なかったけど、時計もなかったですね。」

「ねえ、いつも下着はどこで買っているの?」

「普通の商店街とかですね。なんでもいいので安売りですよ。結構安いって知ってました?ええとね、ショーツが5枚で1000円とかだから。」

「じゃ、ブラと別々でしょ?」

「それって、同じじゃないといけないんですか?上は白が多いですけど、下は5枚セットなのでカラフルですよ。」

「それって、女子力0じゃないの。恥ずかしいわよ。普通、上と下は一緒のをつけるのよ。」

「そうなんですね。今度から、白に統一しますね。」

車は渋谷まで来ていた。 
優はなにやら運転手に話しをすると、2人で車から降りた。
変装もしていないので、すぐに大勢の人に取り囲まれていた。
優は人混みの中、ショッピングモールに入っていった。
どれだけ店があるんだろう、見渡す限り店だった。
麗奈は優に手を引かれ、引きずられるようにして店に入っていた。

「ちょっと、細めなんだけど。合う服あるかしら?ちょっと、探してくれないかしら?」

「あ REIさんですね。派手な方がいいですか? それとも地味とか。」

「えっと、あまり派手でなくて普通のがいいですね。サイズがいつも合わないので、すいません。」

「優さん、服買うんですか? 知らなかったですよ。ちょっと、待っててくださいね。」

ポケットから、財布を取り出していた。
カードがあるので、安心していた。

「あら、その財布いつから使っているの?ばかに古そうだけど。」

「えっと、中学の入学のお祝いに両親から頂きました。だから、もう、10年くらいですね。」

「もう。下着もバッグも時計も財布も服もって、世話焼けるわよね。麗奈。」

「ダメになったら、後で買いますので。」

店員が何着か用意してくれて、更衣室で試着していた。
優は何回も着せて、1着に決めると精算していた。

「あ 優さん、私が払いますので。それくらいなら、多分あると思うので。」

「子供の洋服買うのが悪いの? 親に恥をかかせないの。わかったわね。」

「ありがとうございます。優さん。」

その後も何件も周り、5着の洋服を麗奈は手にしていた。

「そうね、バッグとか財布は高いのがいいわよね。麗奈だったら、大事にするし、長持ちするからね。出ましょうかね?」

優は電話をして、車を回してもらっていた。
車が来ると、トランクに買った洋服を入れていた。

「あの こんなにたくさんありがとうございます」

「まだまだよ。こんなもんじゃないからね。」

車は銀座に向かっていた。
いかにも高級店の店の前に、車は停まっていた。
優が降りるので麗奈も降りたが、店構えからして高そうだった。

「優さん、ここって高くないの?」

「ちょっと、高いだけよ。ついてきなさい。色々見るから。」

グッチ・シャネル・ルイビトン・プラダなど、回っていた。

「そうね、若いから。あんまりケバケバしいのは嫌でしょうから。プラダね。決定。」

「ええ  どこも高いですよ。」

優はプラダで財布とバックを選ぶと、トートバックも選んで購入していた。
そして2人は荷物をトランクに入れると、車は動き出していた。
今度はワコールの前に停まると、優は降りていた。
麗奈は、もう恐ろしくなってきてしまっていた。
店内に入ると下着ばかりで、しかもショーツ1枚3000円とかもあった。
見たことも無いような、お尻が半分出ちゃいそうなショーツとか、
大事なところだけ隠して、両サイドを紐で結んであるのとかあって唖然としていた。

「ほら、サイズ計ってもらいなさいよ。」

「え 」

「すいません どこででしょうか?」

「おバカさんね、脱ぐわけ無いでしょ? そのまま計ってくれるわよ。」

「そうですね ショーツはSでいいですね。ブラの方はCの65でしょうか。」

「じゃ、選びましょうか? いつも、どんなの履いているの?」

「安売りだから、普通のですよ。そんな小さいのなんて履いたら、出ちゃいそうで。」

「出るわけないでしょ?あんた永久脱毛してあるんだから。どんなのだって履けるわよ。」

「あまり小さいのは・・・・・ 普通でいいです。 わからないので。」

「そう、じゃ、勝手に決めちゃうわよ。私の好みでね。紐がいいかしら?」

「あ それだけは、やめてください。履き方もわからないし。無理です。」

店員は優と麗奈のやり取りを見ていて、クスクスと笑っていた。

「そうそう、店員さんに選んでもらおうかしらね。どんなのがいいかしら?」

「REIさんでしたら、ピンクとか水色とか黄色なんかも良いと思いますよ。まだ若いので、黒とか赤は派手過ぎると思いますけどね。」

「大体、ブラとショーツ2枚くらいでいいわよね。そのセットを5セットだけど、どれにしようかしらね。思い切って今回はビキニかしらね。」

「そんな、履いてるかわからないじゃないですか?」

「じゃ、こっちのローライズにする?もっと布小さいけどね。それともTバックにする?選びなさいよね。」

「その中からですか?」

「そうよ。ビキニ・ローライズ・Tバック・紐パンどれかよ。」

「えっと、ビキニでいいです。優さんの意地悪ですね。」

「今どき普通よ。あすか達だって履いているでしょうしね。」

「そうなんですか? 知りませんでした。」

結局ビキニのショーツを10枚と、お揃いのブラを5枚購入していた。

「優さん、ありがとうございます こんなにいっぱい買ってもらって。」

「だからー 親が子供に買うのは当然でしょ? 麗奈は、私達の子供みたいなものなんだからね。」

車でそのままデパートの前に行くと、優はまた降りていた。

「優さん、もういっぱい買いましたよ。十分ですよ。」

「いいから、付いてきなさい。」

そのまま時計売り場に行くと、店員に話しかけていた。
ケースから出された、時計はフランクミューラーだった。
値段も破格で60万くらいしていた。

「あら、ちょっとはめてみなさいよ。いい感じだと思うわよ。麗奈は金属だと傷つけるからね。ちょっと安めだけど、こっちがいいわよね。文字盤も可愛いしね。店員さん、他に似合いそうなのあるかしら?」

「いいえ、これがピッタリだと思いますよ。REIさんに身に着けてもらえるなんて光栄な時計ですよね。」

「あら 店員さん、お世辞が上手だわね。これにするわね。お願いします。」

「優さん これ60万くらいしましたよ。」

「あんただって、70万のギター衝動買いしてでしょ?一緒よ。ただね、これからは、見られる仕事だからね、ちゃんとした服装で出歩かないとね。」

「はい わかりました。ありがとうございます。それで、ちょっと寄りたいところあるんですけどいいですか? これ、私が買うんで。」

「何を買いたいの?」

「えっと、いつも走っているので走るジャージを2セットと運動靴買いたいと思ってます。」

「毎日走っているものね。ジャージいつから着てるの?」

「えっと、高校のをそのまま着てましたけど。」

優は、もう呆れてしまっていた。
時計を買うと、そのままジャージとかのスポーツ用品の売り場に行った。
麗奈は、もう種類がありすぎて迷ってしまっていた。
優は、もう仕方ないので店員を呼んでいた。

「この娘のジャージ、似合うのあるかしら?ちょっと、見せてくれないかしら?」

店員は、色々と持ってきていた。 

「どれが似合うと思うのかしら? 1個でいいのよね?」

店員があまりあてにならないので、優は探し始めていた。
優はナイキのTシャツを2枚と、ジャージを持ってきていた。

「どう?下は履いてみるといいわよ。サイズとか違ったら困るからね。」

試着室で下を履いた。
ウエストは良かったが裾が短かったが良いかなっと思っていた。

「あら、脚長いのね。いつもジーンズとか切らないでしょ?」

「はい、ウエスト詰めたりすると高いので特注になってます。どうしても、裾が足りないので。」

「じゃ、これは仕方ないわね。ハーフパンツ買えばいいわよね。」

ジャージ2セット・Tシャツ2枚・ハーフパンツ2枚を購入してさっさと会計していた。

「あ そうだ、靴だったわね。ランニングシューズよね?」

店員に案内されて、シューズを見ていた。

「靴はやっぱり日本人に合った国産がいいのよね。パンプスとかは別だけどね。って、麗奈パンプス持ってないでしょ?」

「今履いてるこのスニーカーとランニングシューズと後は、高校の時のステージでの靴です。」

「もう、呆れちゃうわね。でも、ショーの時は履くでしょ?」

「あ あれは、あっちで用意してくれてるので履くだけですね。」

ランニングシューズは、アシックスのを購入してから店を出ていた。
優の後に付いていくと、靴売り場に行き。
パンプスを2足購入していた。

「これで大体揃ったわね。これから季節毎に買いに来るからね。わかった?」

「優さん、これだけで十分ですよ。」

「それで冬越せないでしょ?コートもいるし。マフラーだってね。これくらさせなさいよ。いいわね。もう、帰ったら今までの下着は処分しなさいよ。わかった?」

「はい わかりました。 ありがとうございました。」

2人は車に乗って、マンションまで帰っていた。
優が電話したのか、下では洋子と純也が待っていて荷物をトランクから出してくれていた。
麗奈は優に何度もお礼を言うと、車を見送っていた。

「こんなにいっぱいどうしたの?麗奈さん買ったの?」

「私、服持ってないから。優さんが全部買ってくれました。バッグとか時計とかまでも。」

3人で荷物を運んで、麗奈の部屋まで入れると洋子達は部屋に戻っていた。
帰ると、下着を処分していた。 
今履いているのは、後で入れればいいと思っていた。
ジャージもボロボロなので、ゴミ袋の中に一緒に入れていた。
靴を収納式の下駄箱に入れると、空箱も入れていた。
リビングのテーブルの上に、時計を置いておいた。
バッグは収納スペースの中に、袋から取り出して入れて袋も入れておいた。
買ったもの全てをしまうと、もう夕方になっていた。
ジャージに着替えて、みんなに電話していた。
上はTシャツで下は、ハーフパンツだった。
買ったばかりの靴で、エントランスで待っていた。

「おい なんだよ、麗奈、どこいくんだよ。そんなお洒落しちゃって。」

「走りに行くんですよ。なんか変ですか?」

「だって、麗奈走る時って高校のジャージだろ?いつの間にそんなのを。まぁ、走りながら聞いてやるよ。」

麗奈は、今日の出来事をみんなに話していた。

「だから言ったろ?新垣夫妻は麗奈が子供みたいなんだってな。着るものとか興味ないから、そこは面倒見るんだろうな。よかったな、麗奈。」

「でも、凄いお金使わせちゃって悪かったですよ。」

「そう思うんだったら、バリバリ活動するしかないだろ?」

「そうですね、頑張らないといけないですね。私の下着全部の値段が1枚のショーツの値段に劣るとは・・・・・・・・・」

「へー すごいな。紐パンか?」

「それは勘弁してもらいましたよ。いつも、お腹までのだったけど。みんなもそうですよね?」

「そんなの履いてないよ。ババパンだろ?Tバックとか紐とかローライズだね。」

「ええええ みんな知らない間にそんなの履いてたんですね。」

「まぁ、葉月から聞いてて笑ってけどね。だって、ブラとショーツ色違いだろ?」

「あ それも言われました。明日からバッチリですよ。」

「そっか そっか 女子力上がったね 麗奈も。」

4人は走り終ると、シャワーを浴びてから洋子の部屋に行った。
麗奈は、なにか落ち着かない様子だった。

「麗奈 初めてのショーツでなんか変だろ? 最初はそんなもんだからね。」

夕食を食べ終わると、麗奈は一人で片付けると言ったがみんなで片付けていた。
明日から、神奈川・千葉・最後に東京と全部で9箇所のライブだった。
財布も交換していた。 
まぁ親からもらったので、大事に閉まっておいた。
弦・ピック・譜面なども今日買ったトートバックに入れていた。
まぁ弦とかは、まだトラックになるので安心した。

ニッパは忘れずに、バッグに入れておいた。
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