PrettyGirls(可愛い少女達)ーレディースバンドの物語ー【プロ編】

本庄 太鳳

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幸平と茉莉子と聡と共に

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翌朝走ってきてシャワーを浴びて着替えると、コーヒーと紅茶を入れて幸平を起こした。

「朝ですよー 起きなさいね、幸平。」

幸平は起きてきて、リビングでコーヒーを飲んでいた。

「麗姉、いくら弟だからって、リビングにパンツ干してるなよな。」

「いいじゃないの。そんなの子供の時から見慣れてるでしょ?」

「そりゃそうだけど。麗姉も、もう22だよ。今年で23か。」

「幸平が引っ越しの時は、忙しいから会えないけどね。7月には暇になるわよ。それ飲んだら行きましょうか?お腹空いたしね。」

麗奈は、今日の食事を全ていらないと連絡していた。
そして、みんな用事がなければ休養してくださいと言っていた。
幸平と麗奈は、部屋を出てマンションから出ていった。
茉莉子の家に着くと、幸平は茉莉子に麗奈の家が凄いことを言っていた。

「そんな凄かったのね。でも、これだけ稼いでいるんだから当然よね。ところで、幸平はいつ引っ越す予定なの?」

「多分、3月の末になると思うけど。家具とかいらないし、ベッドだけだろ?」

「そうね。後は、私達も収納スペースガラガラだもの。すごく入るわよ。多分、8畳以上の部屋を改築したのね。物が部屋にないから広く使えるわよ。」

「麗姉の祝儀だよね。ありがとう。でも、パンツをリビングに干すの辞めたほうがいいよ。急に誰か来たら見られちゃうよ。」

「そうね。テラスにでも干しておくわよ。」

茉莉子が作った朝食を、4人で食べていた。

「なんか風呂場の横に洗面所と脱衣所をつけるから改築するみたいですよ。その間は、私の部屋使ってても構いませんよ。3部屋以上空いているし、好きに使ってていいですよ。4月から3ヶ月はいないのでね。」

「そうなのね。麗奈の部屋に4人なんて、住めるのかしらね。」

「大丈夫だと思いますよ。ベッドは1個あるので、布団だけ2組用意してくれればいいですからね。」

「幸平は引っ越して、すぐだけど。ごめんなさいね。脱衣所とかあったほうがいいものね。洗濯機も置けるしね。洗面所もつけるみたいよ。今日は、なにをするのかしら?」

「たまには、4人で東京見物でもしようかなってね。どこがいい?原宿・六本木・新宿・渋谷とかあるけどね。幸平だと、若者の街の原宿と渋谷かしらね。麗奈は、行ってるの?」

「ええ 原宿には行きつけの美容院とエステがあるから行きますよ。」

「へぇ、脇毛剃るのを教えたのが最近だと思ったのに、エステも行ってるのね。」

「あんまり変な話ししないでよね。恥ずかしいじゃないの。」

「しかし、髪の毛も染めて。ピアスもしてるものね、これが私の妹なのかしらね。」

「イヤリングよりもピアスの方が種類あるし、いいかなって思ったから。髪の毛は、他のメンバーの方が凄いわよ。赤とか青のメッシュ入れてますからね。」

4人は取り敢えず電車に乗り、原宿に向かっていた。
麗奈は髪を束ねずキャップを被って、メガネをしていて薄いマフラーをしていた。
電車を降りると、日曜で多くの人混みで幸平はビックリしていた。
麗奈も、日曜日の原宿は初めてであって。凄いと思っていた。
少し歩くと、4人はカフェに入ってゆっくりしていた。

「すっごい人の数よね。こんな中歩くだけで疲れちゃうわよねぇ。」

「でも、麗奈来てるんでしょ? ここは。」

「ええ そうだけど、平日しか来てないから。まぁ、最初の頃は見つかって大騒ぎになったけどね。裏口とかから出してもらってましたよ。」

「今日は見つからないといいわね。見つかった時はどうしたの?」

「初めてだったから、逃げちゃいましたね。この頃は、見つかったら30人限定とかでサインしてますけどね。あまりサインとかしないから。」

「でも、家族の時はグッズに全部サインしたじゃないの。今は、寝室に飾ってあるわよ。」

「幸平も、一緒に住むこと許してもらったの?向こうの両親に。」

「まぁ、許してもらったけど。麗姉の名前出しちゃったから、それでなくちゃ許して貰えなかったよ。」

「あら、私の名前使ったのね。無断借用で、使用料はここおごってね。嘘だけどね。でも、あまり言わないでよね。まだ、そんなに有名になったわけじゃないんだからね。」

「麗奈が思ってるほど、売れて無くないわよ。ヒットチャートの上位にいつもいるじゃないの?」

「作ってからは、殆ど無関心だから。これから、TVとか出演してからツアーですから。その練習もしないといけないのでね。今度は、お姉ちゃんの名字はなにになるの?」

「言ってなかったかしら?佐山よ。佐山聡さんですよ。」

「聡さんね、よろしくおねがいしますね。幸平の彼女の名前は?」

「田辺詩織だよ。これからは、田中詩織になるけどね。」

「へぇ、イニシャル一緒になるわね。結婚前も後も一緒だわね。」

「俺の方が先に結婚しちゃうけど、いいのかな?麗姉は、まだやることあるものね。探そうと思えばすぐ、見つかりそうだけどね。」

「でも、男性も女性も顔とかスタイルじゃないでしょ?性格が良い人が1番ですよね。今は、みんな優しいですけどね。売れなくなったら、急に態度変わったりする人もいるから、ファンとかはいいかなって思ってるわよ。」

「それでも、麗奈なんて。どれもいいじゃないの。私達家族にも、優しいしね。なんでも無理とか聞いてくれるし。麗奈の嫌な顔とか、怒った顔みたことないわよ。」

「怒りますよ。レコーディングとか、ライブとかでメンバーに怒ってますよ。仲はいいですけどね。他人が見たら喧嘩してるみたいですって。」

「まぁ、それは音楽に対してでしょ?仕方ないわよ。仕事なんだしね。それに、麗奈は聴力が良いから。少しでも音外すと怒ってるでしょ?」

「みんなに言われますね。レコーディングの時は鬼になってるって。何度も、ダメ出ししてるから。」

「ところで、内緒って言ってたのはどうなったの?」

「ええと、4月からCMかしらね。5月の連休から、劇場での公開ありますよ。劇場のは招待券送りましょうか?一応、ツアー中だけど。1人だけ戻ってきて舞台挨拶とかもありますから。」

「じゃ、4枚ね。私達と幸平達で4枚 いいでしょ?」

「それじゃ、頼んでおきますね。チケット取れたら持っていきますから。」

「よし、次はどうする?渋谷に行く?人混みだけどね。」

「もう、十分だよ。茉莉子姉。静かなところってないのかな?」

「じゃ、公園でも行きましょうか?広くていつもデートに使ってた場所だけどね。」

「じゃ、そこにしよう。決定で連れてってくれよ。」

「まぁ、途中渋谷も少し通るけどね。ここから渋谷まで行って乗り換えだから。」

4人は原宿駅まで歩いて電車に乗り、渋谷に着くとゆっくり歩いて他の路線に乗り換えていた。
井の頭線で井の頭公園まで来ると、麗奈と幸平は喜んでいた。

「しかし、麗奈ってジーンズ似合うわよね。それって切ってないでしょ?」

「ええ サイズが中々無くて注文したり、ウエスト詰めたりしてもらってますけどね。作った方が安いみたいですよ。」

「だろうね。ウエスト50切ってるものね。脚長すぎで細いから。サイズないでしょうね。」

「ここの公園、池あるのね。ボートもあるわよ。みんなで乗りましょうよ。」

「あんたは、幸平に漕いでもらいなさいよ。私達は2人で乗るから。」

「幸平、出番だよ。ボート漕げるのかしら?」

「心配ないよ。麗姉より運動は得意だからね。」

「そうね、私より運動出来ない人いないものね。安心して任せるわよ。」

2組は、ボートに乗った。 
ゆっくりと幸平は漕ぎ出していた。

「幸平、こっちに引っ越して来た頃は。桜も咲くでしょうね。今度は彼女乗せてあげてね。今日は、私で練習ね。詩織さん、きっと喜ぶわよ。」

「舞台挨拶って、バンドでやらないんだね。さっき聞こうと思ってたけど。」

「ツアー中だしね。曲作って、歌ったのが私なので。みんなの負担軽くするためだと思うわよ。」

「ここって、秋とかどうなのかな? 色々と休日に2人で探索してみよっと。」

「そうね。ここならお金もかからないしね。お弁当持ってくれば良いものね。詩織さんは、料理とか得意なの?」

「料理は得意みたいだけど、3月までギリギリ引っ越すまで料理教室通うって言ってたよ。」

「幸平も、今度19だっけ?若いわよね。20前で結婚なんて勇気いるわよね。」

「まぁ、付き合いは長いし。これ以上時間かけても仕方ないと思ったからね。まぁ、生活するのには大変だけど。給料が安いから、でも当分は共働きだから。」

「よく、勤めて1年で本社勤務になったわよね。しかも、高卒でしょ?」

「本社で欠員が出て、社内で募集していてね。本社っていっても、下働きだよ。事務とかじゃないしね。高卒じゃ、そんなに昇級できないからね。」

「わからないわよ。一生懸命やれば、なんとかなるわよ。2人で頑張ってね。もう、世帯主になるんだからね。」

「そうだね。頑張るしかないか。週休2日だから、土日は暇なんだけどね。マンションの前に公園もあるし、時間は潰せるしね。」

「ダメよ。時間は潰すんじゃなくって。有意義に活用しないといけないわよ。私なんて、時間足りないんだからね。幸平の余った時間を貰いたいわよ。」

「そんなに頑張るから、マンションを2個も買えるんだよね。麗姉が中1でユーフォ辞めた時、親父相当怒ってたけどね。今じゃ、自慢の娘だものね。」

「まぁ、今だけでしょ?幸平やお姉ちゃんに子供できた時お父さんは、そっちを喜ぶわよ。」

「そろそろ、戻ろうか。戻ってる間に時間になるしね。」

「そうね。でも、こんな時間になったのに。まだ昼食してないわよね。お腹空かないの?」

「ちょっと、空いたかな?でも、麗姉って。そんなに食べて太らないんだよね。」

「たくさんは、食べれないわよ。でも、3食はちゃんと食べてるかしらね。マネージャーが用意してくれるから。いなければ、近くのファミレスで食事だけどね。」

「麗姉って、お金使わないの?」

「そうね。楽器のメンテとか弦とかは、この頃タダだし。食事は事務所で払ってくれるからタダだしね。たまに、服買ったりするだけよ。前に言われちゃったわよ。何年も同じ下着つけてるなってね。メンバーにだけどね。それから、1年に1回買ってるけど。」

「恋愛経験0だから、下着にも感心なかったのか。履けたら一生履いてそうだものな。」

「そんな一生は履けないでしょう。まぁ、買った時は3年のを全部処分したけどね。」

「それって、女子力0じゃん。麗姉。秘密にしといてあげるから、他で言わない方がいいよ。」

「そうなんだ、わかったわ。まぁ、そんな話題はあまりないけどね。」

ボート乗り場に到着して、茉莉子達を待っていた。
茉莉子が来ると公園でホットドックを買い食べて休憩をして、幸平の電車の時間を聞いていた。

「何時の電車にするの? 幸平。」

「遅くても、5時か6時には乗りたいと思ってるよ。」

「じゃ、そろそろ駅に行かないといけないわよね。みんなでお見送りしてあげるわよ。どうせ、乗り換えとか出来ないでしょうからね。」

5時前に東京駅に着くと、麗奈は弁当と飲み物と雑誌などを買って幸平に渡していた。
帰りの切符も買ってやり、幸平にお礼まで言われた。
3人は幸平を見送ると、電車でマンション近くまで向かっていた。

「麗奈、夕飯はどうするの?どっかで食べる?」

「どこでも、いいですけどね。いつもはマンション近くのファミレスだから。」

「駅の反対側に、焼肉屋あるから行く?」

「あ 行きたい。1回行ったけど、3キレしか食べれなかったから。」

「じゃ、行きましょう。安いけど、結構美味しいわよ。」

3人は駅に降りて反対側の改札から出て、茉莉子達の後ろを麗奈は付いていった。
もう焼肉屋の前から、美味しそうな匂いがしてきていた。
店は日曜日の夕方なのでかなり混んでいたが、隅のテーブルに3人は座った。
焼肉屋なので、マフラーとキャップを取っていた。
注文は、茉莉子と聡がしてくれていた。 
麗奈はご飯をもらった。
茉莉子達は、ビールを注文していた。

「おこちゃまは、ご飯よね?ところで、前はなんで3キレしか食べれなかったの?」

「CM撮影の打ち上げで連れてってもらったんですけどね。お酒を酌して回ったりして。社長に、ギター弾いてくれって言われて。ついつい、調子に乗って最後まで歌ってましたよ。そしたら、そのギターもらいました。それが、今ライブで使ってるアコースティックで800万くらいするそうですよ。でも、出回らないので。もっと高いかもしれないと言われましたけどね。」

「それで、焼き肉食べれなかったのね?普段は、どんな食事してるの?」

「普通ですよ。煮物とか、佃煮とか。漬物とかだから、昔家にいた時と同じ感じですから。お肉は多少はでますけどね。朝食は干物とか多いですよ。」

「もっと、豪華な食事してると思ったわよ。意外と質素なのね。」

「でも、栄養とか考えてくれてるから。味も良いし満足してますよ。」

3人は食べ終えると、マンションまで帰っていった。
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