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幸平の部屋探し
しおりを挟むマンションから帰ろうとして歩き始めると、純也が立っていた。
「純也さん、どうしたの?こんな時間に、ここにいて。」
「いえ、帰り道とかあるので。待ってましたよ。」
「ずっといたの? 言えば、中に入ってもらったのに。今度から言ってね。寒かったでしょう。ごめんなさいね、そしてありがとう。」
純也と一緒にマンションに帰り、エレベータを降りるときお礼を言って別れた。
早朝走り朝食を済ませると、純也の車で事務所まで向かっていた。
善人には連絡を入れてあったので、9時から会議室で聞かせていた。
作るイメージを伝えてあったので、曲は素晴らしいデキだった。
善人が望んでいた以上の仕上がりをみせていたので、オーケーをだした。
その日は、帰ってみんなにデモを配っていた。
2週間くらい、みんなのスケジュールを空ける準備をしていた。
1週間後からスタートになり、各自練習を始めていた。
麗奈もこの頃、楽器屋に行き大量の弦とピックを購入していた。
そしてギターのメンテも出す日を言うのでと、言って帰った。
ピックと弦などは、一旦事務所に送られることとなっていた。
マネージャー2人と、久しぶりに外で食事をした。
とはいえいつものファミレスだったのは、なんとも味気ないだろう。
まぁなんでも美味しく食べている、麗奈だった。
普通にランチコースとかを食べていた。
「そんなんでいいの?なんでもいいのよ。」
「ランチって、お得なんでしょ?値段も安いし、色々と付いてくるから。これでいいですよ。それにツアーになれば、いつもこの食事ですものね。そうそう、洋子さん。夏になったら、素麺とか食べたいですよね。後はざるそばとかもいいわよね。」
「そうね、夏にお昼に用意してあげるわね。」
「夏が楽しみになってきたわ。秋になったら、少しスケジュール調整できるかしらね?結婚式が2個あるので、出席しないといけないので。」
「ええ 日時とか知らせてくれれば空けますよ。2次会も出るの?」
「わからないですけど、言われれば行きますけどね。言われなければ、結婚式と披露宴だけで帰りますけどね。」
「じゃ、取り敢えず、丸1日空けますからね。」
「ありがとうございます。感謝 感謝 ですね。」
その後、撮影を1個してから帰宅していた。
みんなは必死に練習していたが、年中ライブやレコーディングやってる麗奈は自分で作った曲なのでさほど苦労はしてなかった。
ただ、自分の求める音を試行錯誤して書き直したりしていた。
1週間後から、1階で音合わせをし始めていた。
エントランスで、色々と意見をぶつけて話し合っていた。
特に、葉月には要求が多かった。
「ここ、もっと本物のフルートの音が出ないのかしら?ちょっとイメージが違うのよね。」
「多分、これ以上は無理だと思うわよ。」
「そしたら、そこは弾かなくていいわよ。生のフルート入れましょうか。曲自体は1曲のこの歌は、ギターとベースが中心なので。他の音は控えめにするんだけど、いいですかね?」
「麗奈が、そういうイメージで作ったんでしょ?それなら文句ないわよ。」
「ありがとう。イメージ通りに、録音したいから。頑張りましょうね。」
麗奈は、携帯で善人に連絡していた。
プロのフルート奏者を探してくれるように、頼んでいたのだった。
その後、3日間練習をして。スタジオ入りしていた。
恒例の円陣を組んで、掛け声をかけてから録音に入った。
合わせての、録音は3日で終了していた。
麗奈が、何回もダメ出しをしていた。
「もう、レコーディングになると。麗奈は鬼だからな。ミスできないしな。完璧でも、ダメ出しするし。私なんて、もっとドラム弱くって何回も言われてるしね。」
「私は逆でベースもっと力強くってダメ出しされるし。苦労したわよ。」
「今回はアコースティックだけなのね。得意のエレキは使わないんだ。」
「ええ コンセプトとかテーマとかで、こんな感じになりましたね。」
「今回のもCMでしょ? 」
「CMとアニメの歌ですね。アニメって言っても、大人も見れる様なアニメですから。」
「まぁ、後はコーラス入れる時が楽しみだけどね。明日からリード入れていくんでしょ?」
「そうですね。でも、案外早く終わりそうですね。多分、明後日か、明々後日には、コーラス入れられると思いますよ。」
「じゃ、それまで休養で待機してるわよ。出来上がりが楽しみだわね。それにしても、麗奈はモデルまでやってるから凄いわよね。私達も、普通だけど。麗奈みたいに身長ないし、そんなモデル体型じゃないからね。」
「ライブも、かなりやってるでしょ?お金にならないチャリティーライブとかも。」
「ええ 2~3回出演したら、依頼が多くてやってますよ。まぁ、アコースティック1本しか持っていかなかったですけどね、この頃は、エレキも持っていってますよ。両方練習用のですけどね。」
「そんなにやってたら、休日ないでしょ? 私なんて週に2日は休日ですよ。多い時は、4日とかね。」
「まぁ、暇な日は押しかけライブやってますよ。孤児院とか老人ホームとかね。」
「そう言えば、ツアーのチケットすぐ売り切れたみたいだよね。今回も100回みたいだけど。」
「詳しいわね、彩香は。」
「暇なだけだしね。PC買ったから、色々見たりしてるわよ。」
録音が終わり休憩をしてから、4人でマンションまで帰り夕方走っていた。
次の日は、リードを入れていた。
この頃はスムーズで、自分で納得する音まで1日で終わっていた。
重ねるフルートの演奏者が翌日来て、麗奈は色々と言っていた。
フルートは、色々な注文をつけられていたが1日で終了していた。
まぁ、時給なので、10万くらいが事務所から支払われていた。
曲が出来上がると、歌を重ねていった。
毎日練習してたので、これも1日で終わっていた。
予定よりも1日遅れて3人は、スタジオ入りしていた。
麗奈や凛が見守る中、コーラスが録音されていた。
まぁあまり練習とかしてないので、コーラスには2日かかっていた。
その後はエンジニアの手によって。曲は仕上げられていった。
そんな時茉莉子から連絡があり、幸平が上京していると知らされた。
夜に行くと伝えて、エンジニアと色々と話しをしながら制作をしていた。
夕方やっと完成すると、マンションまで帰り1時間走ってからシャワーを浴びて茉莉子の部屋に行った。
純也もいたので、茉莉子の部屋に連れて行った。
「お姉ちゃん、ごめんなさいね。この前の時、ずっと外で待っててくれたので。今日はあがってもらっていいかしら?」
「ええ いいわよ。どうぞ、いらっしゃい。」
「幸平は、会社はここから近いの?」
「そうだな。電車と徒歩で1時間くらいかな。都会じゃ近い方なのかな?」
「普通じゃないのかしらね。どっかいい物件あったの?」
「まぁ、見ただけでびっくりして部屋までは見てなかったけど。アパートでも6万とかするからね。しかも、1ルームだし。」
「お姉ちゃんの隣の部屋なら、借りれるわよ。5万でね。ここと一緒だと思うけど。」
「聞いたよ。お姉ちゃんの祝儀なんでしょ?実際払うのは2万くらいだものね。ここにしていいのかな?明日の夕方には帰らないといけないんだけど。」
「待っててね。ちょっと、確認してみるからね。」
麗奈は善人に連絡を入れて、明日の善人のスケジュールを伺っていた。
明日は用事があるから、今日マンションの会議室に来るように言われた。
「ちょっと、明日は用事があるみたいなので。これからだったら良いって言ってたわよ。行くでしょ?契約書にサインしないといけないからね。」
「ここから近いの? それなら行けるけど。まぁ、遠くても行くけどね。」
「近いわよ。歩いて15分くらいだからね。マンションの会議室だから。」
「じゃ、案内してよ。」
「私も行かないといけないからね。一応、家主なのでね。お姉ちゃん、又来るわね。そのまま帰るから。」
「ええ 明日は暇なの?」
「やっと、レコーディング終わったから。明日は暇ですね。」
「じゃ、日曜日で休みだし。みんなで食事に行きましょうか?朝食も食べに来ていいわよ。」
「わかったわ。幸平は、今日はここに泊まるのね?新婚さんのお宅に。あ まだ結婚してなかったわね。」
「麗奈の部屋は? 空いてないの?」
「布団がないですよ。まぁ、私がリビングのソファーに寝てもいいですから。構わないわよ。」
「じゃ、麗奈のところに泊まって。朝、朝食食べにきてね。」
純也と幸平と一緒に部屋を出て、マンションまで行った。
エレベーターで7階まであがり、小会議室に入り善人に電話をしていた。
契約書にサインをして、3月分は家賃はいいからと言われて鍵を渡されていた。
善人を見送り、純也とも別れると3階まで行き、部屋に幸平を入れていた。
「麗姉、なんだよ。この豪華な部屋は、凄すぎないか?」
「そうなの?リビングとかキッチンは使ってないからね。」
「ワンフロアー丸々部屋じゃないかよ。色々部屋あるんだろ? 見てきていい?」
「いいわよ。幸平が初めてのお客さんね。メンバーは何回か来てるけどね。」
10分程部屋を見回って、驚きを隠しきれずにいた幸平だった。
「お風呂、入ったの?私は、まだだから入れるけど。入るでしょ?」
「ああ 風呂入りたいものな。麗姉、コーヒーとかある?」
「コーヒーは、飲まないからインスタントならあるけど。いいでしょ?入れるわよ。」
普通のマグカップに粉を入れて、ウォーターサーバーからお湯を注いでいた。
「こっちの水は、飲まない方がいいみたいよ。いつもこれだけどね。多分、幸平の部屋にも付いていると思うわよ。それと、お姉ちゃんの部屋見てきてわかったと思うけど、収納は全部できるから、家具とかいらないのよ。2部屋、1面は収納だからね。キッチンも収納多いし、リビングにもあるわよ。」
「そうなんだ、家具とかは持ってこないで。服とか食器だけでいいんだ。」
「そうよ。そろそろ沸いたから、先に入りなさいね。ここは脱衣所あるけど、幸平のところないからね。風呂場広いから、濡れないところに置いておいてもいいし、夫婦だから外で着替えてもいいでしょ?作り変えたみたいで、ユニットバスを普通のにして。トイレを別にしたからね。」
「そうなんだ、トイレ一緒じゃ嫌だものな。」
脱衣所にはバスタオルやタオルが収納されていたので、それを使う様に言った。
幸平は20分くらいで出てきて、麗奈は次に入ってゆっくりと浸かってから出てきていた。
「もう、寝ましょうかね。ベッドで寝ていいわよ。私はこっちで寝るから。」
「いいのかよ。スターがソファーで寝るなんて。」
「そんなスターじゃないしね。いいわよ、こっちで毛布だけあればいいからね。」
2人はリビングとベッドでゆっくりと、寝ていた。
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