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FenderVintage

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大会議室までギターを抱えて、入っていった。

「ええと、さっきと演奏のギター違ってたよね?」

「ええと。休憩の1時間でギター1本と歌を重ねてきたので、それだと思います。」

「距離もあるだろうし、どれくらいでできたのかな?」

「まだ、完成度としては1%に達してないですけど、一応、音だけと思って30分くらいで入れてきました。」

「かなり弾き込んでいるのかな? この曲は?」

「まだ、できて数日で。渡してたので、今日初めて演奏はさせて頂きました。本当にすいません。メンバーにも、重厚感出すなら、ベースやドラムでもなんとかなると言われましたけど。」

「そうだな。リズムはあれでいいけど。リードは、もっと軽い方がいいかな?」

「そうすると、リードは、Fenderになりますね。ギターを変えて演奏しますけど。」

「そのFenderのギターの音色はGibsonに負けないよね?」

「多分、負けちゃうと思います。お手頃価格なので、中1に買ったギターなので、それでも、25万くらいしたんですけど。この頃は物足りなくなってきてますね。」

「だろうな。それでレコーディングしても、音が際立たないからいつもレスポール1本なんだろ?」

「はい、そうですね。レスポールとアコースティックになってますね。今は練習用として活用してますけど。ちょっと、高くて手が出ないので。」

「あのさ、プロなんだから。道具にこだわりを持つのは当然だよね?飯食べなくてもギター買うよ。ところで、ギターは何本いつも重ねたりしてるんだ?」

「そうですね。2~3本が多いですね。」

「1人で3本弾いて、歌も歌ってるのか?ソロと変わらないだろ?」

「やっぱり、4人で演奏した時の音が好きなので。このままがいいですね。」

善人や、色々な関係者は話し合っていた。  
麗奈は、部屋で待機するように言われた。
3時間くらいして、みんなと走り終る頃に携帯が鳴った。
すぐに、会議室に来るように言われた。
汗ビッショリで、会議室に入ってきてみんな驚いていた。

「なにしてたんだ? そんなに汗をかいて。」

「毎日の日課で走ってました。体力をつけないといけないので。」

「まぁ、結果としては色々な意見もあったが採用となった。そこで、ストラトの方だが。ちょっと、さっきの場所で1回でいいから聞かせてくれないか?」

「えっと、お時間ありましたら着替えて下に行きますけど。30分ええと20分でもいいので時間頂けますか?」

「じゃ、30分後に下でな。」

急いで帰り、シャワーを浴びて着替えるとFenderを持ってエントランスに降りていた。

「麗奈。まだやってるのかよ。」

「採用になったけど、ストラトの音を聞きたいからって1回だけ弾くことになりました。」

「おお よかったな。準備か?」

「はい、今から準備します。」

手早くエントランスで弦を張り替えて、スタジオに入り音量を合わせ始めていた。
しばらくすると、8人くらいが降りてきて入っていき演奏を聞き上に上がっていた。」
麗奈も、後を追う様に上に上がっていた。
会議室に入ると早速、言われてしまった。

「弾き方とかは、文句なかったけどね。負けちゃってるね。音が。レコーディングまでになんとかなるのかな?1週間でレコーディングには入ってもらうけどね。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「あれ、黙っちゃったかな?困ったね。じゃ、こっちでそれよりもいい音のを貸し出すから、それでレコーディングしてくれたらいいよ。まぁ、大切なギターだから大事に使ってくれよな。」

「貸して頂けるんですか? ありがとうございます。傷一つつけませんので。本当にありがとうございます。」

「そうそう、さっきみたいに2本のギターで弾いてくださいね。他のギターの音はいらないからね。レコーディングには立ち会わせてもらうよ。こっちも社運かかってるからね。いいでしょ?進藤さん。」

「ええ、狭くてよければ構いませんよ。」

「じゃ、1週間後からレコーディングってことでお願いしますね。期待してるよ。」

「ありがとうございます。一生懸命がんばります。」

会議は終了して、みんなをマンションの出口でメンバー全員で頭を下げて見送っていた。

「麗奈。どうだったの?心配でずっと、ここで話ししてたんだけどね。」

「曲自体はオーケーだったんですけど、今回は音にシビアで。今のFenderの音じゃダメと言われて。当日、貸してもらうことになりました。」

「あれもダメなんだ。今回は気合入れないとダメだね。」

「はい、当日はレコーディングも見に来るそうです。食事の後に少ししたら楽譜とか渡しますね。」

4人は洋子の部屋に行き夕飯を済ませると、麗奈は3時間かけて制作して。
それぞれの部屋を訪れて、楽譜と一緒に渡していた。
夜も0時を過ぎてたので、その日はみんなそのまま寝ていた。
次の日朝食を食べると、自宅にて個人で午前と午後そして夜と練習していた。
4日目から、午後は1階で合わせていた。
色々な意見が飛び合って、書き換えたりしていた。
書き換えると言っても、音の長さとかであった。
話し合われる事は、全体のバランスとかでベースとかドラム・キーボードなどではあったが。
やっと7日目の午前中にまともになってきて、午後は仕上げに入っていた。
いよいよ明日はレコーディングなので、夜は各自調整にはいっていた。
麗奈も忙しいながらも、ボイトレは1日1時間は凛に受けていた。

当日もいつもと変わらない朝を、4人は過ごしていた。
8時前にみんなでスタジオ入りすると、いつもの掛け声をかけてから各自楽器の調整をしていた。
麗奈は弦を張り替えて、チューニングを済ませてスタジオに置いてきていた。
遅いので1回音合わせをしてから、休憩所で待っていた。
8時半に、みんなで入ってきていた。 
吾郎・善人・エンジニア・その他5人いた。

「じゃ、始めようかな。合わせてきたのかな。」

「一応、合わせましたけど。多分、すんなりとはいかないと思います。どのパートも難しいところがあって苦労しましたから。1週間でやっと、出来上がりましたけど。まだ、微妙な音ズレとかも出るかもしれないので。」

「おいおい、困るよ。ちゃんと練習してきてくれないとね。こっちも、頼まれてここに聞きに来たんだから。遊んでたんだろ。」

「遊んではいないですけど、80時間くらいはやってます。」

「まぁ、入って演奏してくれよな。」

4人はスタジオに入っていき、準備を始めていた。

演奏を始めると見事に噛み合っていたが。 途中でギターを止めたりドラムが止まっていた。

「ちょっと、そこベース音ミスってるよ。ちょい長かった。やり直しね。」

こんなことが、午前中は延々と繰り返されていた。

「いつも、あんなレコーディングなのか?普通に演奏できてるじゃないか?」

「ええ 誰かが気が付くとやり直してますね。ここでは、あまりこちらから指示とか出しませんからね。納得できると、最後までいきますけどね。」

「普通は、妥協しちゃうけどな。特にギターはよく止まるよな。」

「あいつは、耳がいいから。それに自分が作ってるから、全員の音とかも把握してますからね。ここまでになるには、苦労しましたけどね。」

午前中の演奏が終ると、出てきて昼食を食べながら意見を言ったり・言い合いもしていた。
まぁ、初めて見た人は喧嘩に見えていた。

「あれで、本当に仲がいいんですか? どうみても喧嘩してますよ。」

「まぁ、仲は凄くいいですよ。レコーディングやライブとかではいつも、あんなですけどね。お互い本気になってぶつかってるので、いい音期待してくださいね。」

話しをしていて、色々と譜面に書き込まれていた。
前日のギターなどとは、比べようもない音色を奏でていた。
ドラムやベースもしっかりと、こちらが言わなくても要求通りの音を出していた。
今日は少し長めの休憩で話し合いが終ると、スタジオに入っていった。
結局丸1日、5時までかかってレコーディングは終了した。

「こっちの要求した音を、みんな出してくれてたよ。後は、リードとボーカルとコーラスになるね。明日もよろしくね。」

本当はこの頃はTV出演の予定だったが、一旦保留していた。
化粧品会社のCMが流れ始めていて、反響が大きかった。
あすか達は、2日か1日半は休日になると思っていた。
麗奈がどれだけリードの練習をしたかであったが、歌は毎日歌ってるだろうし。
次の日は、麗奈だけスタジオ入りしていた。
ギターは一応持ってきていた。
古いギターケースを、1人の男が持ってきていた。

「じゃ、これで今日は頼むからね。」

ケースを開けると、いかにも年代物のギターが入っていた。

「ええと、弦張り替えちゃっていいですか?」

「ああ 構わないけど、まだ使えるけどね。」

その場で弦を緩めると、ニッパで切って素早くFenderの弦を張っていた。

「じゃ、入りますね。よろしくおねがいします。」

スタジオでアンプに繋ぎ、そのままチューニングしてしまった。

「チューナー持ってないのか? 貸そうか?」

「いえ、大丈夫ですよ。あいつはチューナー無しでいけますからね。」

「絶対音感ってやつか。大したものだな。」

一旦出てくるとエンジニアと話しをして、譜面を1枚渡していた。

「おい、なんだって?なんか、あったのか?」

「いえ、最初のこの音が終わったら流してくれと言われましたけど。ちょっと難しい注文ですよね。最初に入れちゃえばよかったのに。」

「多分、音色でだろうね。」

手をエンジニアに挙げると、弾きだして曲が始まると止まっていた。

「すいません。もう、ワンテンポ早めにお願いします。」

何十回も繰り返されていて、まだイントロも弾いてなかった。
少し休憩にして、エンジニアと話しをしていた。

「多分、タイムラグあるので。耳から入る前に入れてくれると良いと思います。」

休憩後2回目でやっと、イントロに入っていた。
それでも納得いかないと、演奏は中断してしまっていた。
イントロ前のは、もういれてあるのでエンジニアもホッとしていた。
午前中は終了して、みんなで昼食を取っていた。

「どうだ?ギターの方は?」

「音色は、比べ物にならないですね。段違いですよ。ただ、これってヴィンテージですよね。ちょっと、今までのとはネックの太さとか微妙に変わっているから少し時間かかってますけど。多分、午後はいけますよ。慣れましたから。凄い乾いた音しますよね。それに音割れもしないから、どんどん弾けそうですよ。」

「まぁ、音なんて好みだからな。でも、この前のよりずっといい音出してたけどな。」

「ええ まだまだ、出し切れてませんけどね。後、半日でフルに出せますよ。」

「頼もしいね。これを弾き熟したやつは、滅多にいないからな。って、お目にかかったこと無いし。がんばってくれよな。」

午後は、個室で籠もって2時間出てこなかった。
3時前から、レコーディングが始まっていた。
2時間で完璧にリードは演奏されて、終了していた。

「すいません。最初のところちょっと納得できないので、やり直していいですか?」

エンジニアは、大体はタイミングは掴んだが恐ろしかった。
それでも先程より良い音で弾いていて、1時間半で終了した。
録音は6時過ぎに終わっていた。 
ギターをケースに戻すと、お礼を言い返した。
みんなを送り出してから、葉月に連絡した。
今から、走るところだと言われて。
みんなに待っててもらい、マンションにギターを置いて走った。
走りながら、みんなで話していて。

「今日の調子はどうだったの? ギターは終わったの?」

「ええ 終わりました。いい音だったけど、慣れるまで苦労しましたけどね。多分、60%くらいしかギター使えてなかったと思いますよ。」

「麗奈の60%じゃ、殆ど100%だね。麗奈は自分に厳しいからね。」

「そうそう、自分が気に入らないと途中で中断しちゃうしね。だから、良い曲出せてるんだけどね。」

「だって、みんななら。もっと良い音出ると思うから要求しちゃうのよね。」

「まぁ、私らも期待されてるのか。よかった よかった。期待裏切らない様にしないとね。」

走り終えて、みんなで夕飯を食べて各自部屋に帰っていった。

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