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忙しい1日
しおりを挟むマンションに帰ると、ギターを置いて洋子の部屋まで行った。
「遅くなりました。ありがとうございます。」
「ほら、麗奈が、頑張ったから、今日は特別にハンバーグよ。目玉焼き付きね。」
「よかったね。麗奈。」
みんなと一緒に、ハンバーグとサラダとスープを食べていた。
もう、2日間でヘトヘトだった。
食事をしていても、少し寝ていた。
「おーい 寝るなよ。麗奈。」
やっと食べ終わり、片付けはメンバーの3人がしてくれていた。
「ごめんなさい。ちょっと、2日間で疲れましたよ。」
「そりゃ、私達の何倍も働いてるからね。当然だろうけどね。早く寝なよ。」
4人は部屋を出て、自室に戻っていった。
それでも、風呂に入り就寝していた。
翌日も、8時にスタジオ入りしてギターを重ねていった。
麗奈は、2日間で4曲を終えていた。
次は、歌であった。
まぁ2日間凛に、指導してもらっていた。
凛も歌合わせには、来ていた。
すんなりと1日で4曲終了して、麗奈のレコーディングは終了していた。
後は、3人のコーラスだけだった。
これには、2日かかっていた。
2日間のうち、1日は美容室とエステに行った。
足りなくなった弦とピックも、ついでに買っていた。
3人レコーディングなので、洋子はいなかった。
楽器店でお客さんに見つかってしまったので、仕方なく対応していた。
「じゃあ、このお店の商品買ったらそれにサインしますねー。いいですよね?店長さん。なんでもいいですよ。1時間だけしますねー。」
色々な人が、来ていた。
ピックからギターまで、幅広かった。
サインして、握手をしていた。
「これからもよろしくねー ここって、私の行きつけの店だから、買ってねー。」
50人以上にサインをして、1時間以上過ぎて店員が列をストップさせた。
みんなに手を振って、笑顔で街に消えていった。
後を付けてくる人もいたので、タクシーで公園まで帰り帰宅していた。
後の1日は、ギターを弾いたり曲を作っていた。
あのCMで応募した曲と合わせる曲のイメージはできていて。
歌詞もスムーズに出てきていた。
初冬のイメージの曲調にしようと、していた。
こっちは、アコースティックとエレキを織り交ぜた曲にしよとも思った。
3人がスタジオから帰る頃には、ほとんど完成していて。
後は少しの手直しと、アレンジだけだった。
4人で走ってからシャワーを浴びて、夕飯にしていた。
「あー きつかったわ。麗奈は今日は楽しててよかったわね。」
「そうでもないですよ。あのCMに応募した曲に入れるのを作ってましたから。」
「ザ・職人だね。昨日はなにしてたの?」
「美容院とエステと楽器屋ですね。取り囲まれました。」
「見つかったのね。逃げた?」
「しょうがないから、楽器店でサイン会を1時間しましたよ。買った商品にサインするってね。」
「お金もらったの?」
「いつも、お世話になってるから。貰いませんよ。」
「へぇ、楽器屋儲かったのね。麗奈様さまね。」
それから数日後に、曲が出来上がり善人に聞いてもらった。
自分では、かなりの手応えがあった曲であったが。
後日、また来るように言われた。
まぁ、曲は渡してきたのだが。
麗奈達のレコーディングが終ると、4人組がレコーディングに入っていた。
凛はかなり苦戦していて、4人で練習をしていた麗奈も呼ばれていた。
歌は良くも悪くも無く普通だったので、パッとしなかった。
4人の前で、こんな感じだと麗奈は歌った。
3オクターブしかない音域なので、軽々と歌い上げていた。
「もっと、メリハリつけたり。楽しい曲なので、明るく歌った方がいいと思いますよ。歌ってて、楽しいでしょ?まぁ、仕事だけど。やるなら、楽しくやらないとね。なんか、聞いてて楽しさとかが伝わって来なかったので。」
「麗奈。そこよね、なんか足りないと思ってたのよね。」
「みんなは、別々に暮らしているのかしら?グループとか、お互いわかり会えるまでは。共同生活もいいと思いますよ。私達は、中・高一緒で、こっちに来てから共同生活してましたからね。今でも、1日に6時間は一緒にいるので。それと、グループ内で言いたいこと言っても良いと思いますから。私達は、レコーディングは喧嘩みたいになってますからね。それじゃなきゃ、良い物できないでしょ?1番良いパフォーマンスを心がけてね。休憩中とか、話し合っていてね。ただ、休んでるだけじゃなくってね。」
「まぁ、麗奈達は仲が良すぎるからね。でも、お互い音とか音楽に対しては厳しいからね。言ってることも、納得できるんだけど。そこまでには、時間かかったでしょ?」
「バンド結成してから、多分ちょっとしてからこの態勢になりましたよ。まぁ、共同生活だと。プライベートとかは、無いですけどね。私達も、5人の頃は。5人で2部屋だったのでね。売れてくれば、プライベートも持てますからね。」
段々と歌も良くなってきた時、善人から電話が入った。
呼ばれて、大会議室までスタジオから駆けつけていた。
かなり大勢の見知らぬ人達が集まっていた。
お辞儀をして、挨拶をして入った。
「取り敢えず、曲流すから麗奈ちょっと合わせて歌ってくれないか?」
まぁこれくらいの会議室なら、マイクもいらないので断った。
曲に合わせて、麗奈は歌い上げていた。
「麗奈には、話してなかったけど。これって冬の曲だろ?なんか閃いて、大手飲料メーカーに聞かせてたんだ。すぐに気に入ってくれて。ここにいるのは、そこの会社の人とか音楽関係者なんだよ。商品のイメージに合うのか検討してもらうことになったんだよ。」
「あ そうなんですか。ありがとうございます。この曲は、結構自分でも気に入った曲で。制作にも、あまり日数がかからなくて。自然にできました。」
「今は、なにしてたんだ?」
「ええと、新人のレコーディングを聞いて指導したり、アドバイスとかしてました。」
「そっちは、もう終わったのか?」
「まだですけど、後は、凛さんがいるので大丈夫だと思います。」
「それじゃ、大事な会議だから。少し座って聞いててくれよな。」
麗奈は指定された席に座って、置かれてた水を飲んで聞いていた。
「ちょっと、麗奈さんに質問いいですか? この曲のコンセプトは? 難しいかな?」
「イメージが初冬で作ったので、みなさんも冬は寒くて嫌な人も多いですよね?でも、冬はイベントが盛りだくさんです。クリスマス・お正月・2月にはバレンタインデーとかあります。これから、冬になるけど楽しいこといっぱいあるから。元気だして行こうって感じですね。答えになってませんかね? すいません。」
「まぁ、大体はわかりました。テーマとかはありますか?」
「これからの冬、やはり1人で過ごすのは寂しいですよね?冬が来る前に、友達・恋人などできたらいいかなって、感じです。ちょっと、ズレましたか?」
「まぁ、ここまで聞いて。楽曲も聞いてそれで納得しましたね。そこで、もう少し音の重みとか出るようになるんですか?」
「一応、これは機械で作ったので。普通に録音すればもっと重厚な音が出ると思いますよ。レコーディングには、専用のギター使いますので。」
「それって、1回聞きましたけど。あのヴィンテージで弾くんですね。」
「そうですね。今は、あれ以上いい音を奏でるギターはエレキではありませんので。」
「一度、これを弾いてはくれませんか? 無理ですか?」
「ええと、自分で作ったので弾けないことはないですけど。社長どうしたらいいですか?」
「ああ 今の人数だと。かなりの人数なので。10人づつ5回に分けてならできますけど、それでも良ければ聞いて頂けると嬉しいですけど。」
「そうしてもらえると、助かるよ。あの音色聞いたことないのが殆どですからね。」
「麗奈、今日は1階は使うってみんなに連絡してから、ギター持って1階まで行って用意してくれよ。」
「すいません、ちょうどお昼なのでギターの音だけスタジオで作ってきますね。」
「じゃ、1時には。間に合わせてくれよな。」
麗奈は午後は1階は使うから練習は個別でとお願いをしてから、凛に電話してギターを持ってスタジオ入りしていた。
「すいません。わがまま言いまして。昼休み中の1時間でギター抜きのデモにギター1本と歌入れたいんですけど。いいですか?」
「いいけど、間に合うのか?」
「間に合わないと困るので、やるだけです。」
デモを渡してチューニングをすると、ギターでリズムを刻んでいた。
2回ほどで終ると、歌をそのまま重ねていた。
4回ほどで、完成していた。
お礼を言い、ギターを持ってスタジオを出ていった。
「貴女達、4人にあんなことできるかしらね?まぁ、完成度は低かったけど。1時間でギターと歌じゃ、仕方ないわね。多分、あれってギターで最初に弾いたみたいね。CMの依頼でたくさん集まってるから、聞かせるんでしょうけどね。機械で作った音よりもやっぱり演奏が1番ですからね。」
4人は綺麗な高い声や完成度にビックリしていたが、あれで初めて演奏して歌ったとは思えなかった。
1階に、あすか達が来ていて。
麗奈が慌ててるので、事情を聞いていた。
「ええと、この前アコースティックで作った曲あるでしょ?あれと組み合わせる曲を作ったら、今CM依頼で大騒ぎになってて、もっと重厚感出せないかって言うから。スタジオでリズムと歌入れてきて。ここのスタジオで聞いてもらうんだけどね。あと、10分あるから休憩するわよ。」
「えらいことになってるよな?CM用じゃないのに、取り入れられたのか?」
「ちょっと、聞いていい?」
3人は、スタジオに入って聞いていた。
麗奈は、エントランスで休憩をしていた。
「重厚感出すなら、ベースやドラムもだよね?」
「はい、そうなんですけど。急だったので、こんな音だと聞かせる為なのでギターだけ入れましたよ。」
「ギターとか歌、初めてだろ?よく30分くらいでできたよな?」
「完成度は、10%も行ってないですから。そんなもんですよ。」
「ってか、これって。普通のレベルなんだけどなぁー 麗奈は上ばかり見てるからさぁー」
「チューニングして、待機してないと。社長に怒られるから入ってますね。良ければ見ててくださいね。5回やるみたいなので。入り切らないそうです。」
「ああ 邪魔にならないように見て応援してるよ。」
麗奈は入っていき、録音したものとギターを音量を1人で調整していた。
エレベーターで10人降りてきて、スタジオに入っていった。
もうスタジオは、人でパンパンだった。
みんなガラスに背中を貼り付けて、麗奈の演奏を聞いていた。
これが5回終わり、やっと麗奈は出てきていた。
葉月がタオルをくれたので、汗を拭いて上に上がって行った。
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