PrettyGirls(可愛い少女達)ーレディースバンドの物語ー【プロ編】

本庄 太鳳

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化粧

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静かにスタジオに入り、前の人の終わるのを聞いて待っていた。
4人は、片隅でイヤモニをつけて待機していた。
小さなスタジオでも、スタッフや関係者がとても多かった。
ようやく終わると、ギターなど置いてからトークから始まった。
あすかが、トーク担当なので任せていた。
まぁそれぞれ聞かれたが、無難に対応していた。

「麗奈さん、ギターコレクターだと噂ですけど、何本持ってらっしゃるのですか?」

「コレクターではないですけど、今は5本あります。先日、撮影の時に社長さんから1本もらったので5本になりました。」

「じゃ、今日はそのギターで演奏してくださるんですね?」

「はい、自分で買ったのは2本だけなので、後は譲り受けたものばかりです。今日は会社から譲ってもらったギターと先ほど話したギターの2本を使わせて頂きます。よろしくおねがいします。」

4人はスタンバイすると、Gibsonを肩にかけて中央に立って笑っていた。
イントロから麗奈は、爆発していてメンバーは笑っていた。
歌い始めると、スタジオは静まり返っていた。
聞いたことの無い、綺麗な歌声と声量・そして音域の広さだった。
間奏では、彩香と見つめ合ったり背中を合わせて弾いていた。
1曲が終了すると、ギター用マイクもセットされた。
Martinに持ち替えて、演奏は始まっていた。
綺麗なピッキングで、弾かれていた。 
サビからは、リズムを刻みコード中心だった。
間奏はアコースティックで、色々テクニックを使ってリードを弾いていた。
2曲目は音域を狭く作られていて、3オクターブくらいだった。
それでも、ギターの軽やかな音色と歌声・バックの演奏が調和されていた。
どちらの曲も一発でオーケーがでて、収録は終了していた。

4人は、スタジオの人々にお辞儀をして、挨拶をして楽屋に戻った。

「一発収録って、ここ最近ないだろ。それを普通にやっちゃうんだからな。しかも、TV初出演だろ。」

「まぁ、ライブ数やってればそんなこともあるさ。あのギターさっきの時もミスしてなかったしな。」

「収録じゃなくても、あいつらは、生でもいけるかもな。」

「しかし、あのギターが1人で曲作って歌ってるんだろ。凄いよな。会社も、儲かってるわけだぜ。」

「そうだな、今回は前回と比べて。大手の会社のCMだからな。注目度も違うだろうしな。」

「それにしても、あのギターいくらするんだ?」

「教えてやろうか?ビックリするぜ。2本で2800万くらいだからな。エレキが2000万ってとこだな。」

「凄いのを持ってんだな。ギターに負けちまうよ。」

「そりゃ、ないね。あれだけ弾ければ、ギターも幸せだろうよ。俺らの方がミスして撮り直しだったからな。嫌になっちまったぜ。」

4人は楽屋で着替えると、担当スタッフに挨拶をしていた。

「先程は、REIさん。助けてもらいました。感謝しますよ。」

「いっぱい演奏できて嬉しかったですよ。こちらからも、お礼を言います。」

マネージャーは、このまま帰っていいと言われて。
麗奈は、先程お世話になったグループの楽屋を訪れて挨拶をしてお礼を言った。
洋子が、車を回したので。

「おつかれさまでした。お先に失礼します。ありがとうございます。」

みんなに挨拶をして裏口から、出ていった。
ドラムやキーボードは、既に積まれていてギターとベースを積み込み乗車した。
洋子も疲れているので、途中でファミレスで食べることにした。

CMが流れているので、すぐに注目されてしまっていた。
1時間、ゆっくりと夕飯を食べていた。 
麗奈は、得意のハンバーグだったが。
会社で払ってくれるのか、洋子が精算してくれた。
店からでると、人が大勢集まっていた。 
車まで移動中に、洋子はファンがサインを求めているので。

「まだ、新人なのでサインの練習してないんですよ。並んでくださいますか?30人限定でサインを自宅まで配送しますので、住所を書いてください。」

35人に住所を書いてもらい、後日送ると言い納得してもらった。

マンションに帰ると、器材を運び込み麗奈は自室まで運んでいた。
みんなにメールをして、下に集合するとその日も走っていた。
戻ってからも、普段と変わらない時間を過ごしていた。
CMが流れた日の次の日に、CDは発売され始めていた。
そして、1週間後にはTVにも出ていた。
TV番組の雑誌には、大きく取り上げられていた。
そして麗奈の手伝ったバンドからも、コメントが出ていた。

「あのギターには、本当に助けられました。新曲だったのでメンバーが遅れて収録できないと思ったんですけど、2回程聞いてから一緒に演奏をしてもらいました。実は、最初はできっこないと思ってバカにしてた面もあったんですけどね。頼みに行ってから、10分ちょっとなのでね。収録だからいいかと思ってましたけどね。ギターは一度もミスをしてなかったので、感心して驚きました。そして、こちらが助けてもらったのに。スタジオでも、楽屋に来てまでもお礼を言われちゃいましてね。謙虚ですよね。とっても可愛いグループでしたよ。彼女達の収録は1発で終わりましたのでね。グループとして、まとまってましたね。完成度が高かったですよ。彼女達にお礼とこれからの活躍を期待しています。」

グループのリーダーのコメントだった。

まぁ麗奈はTVはあまり見ないし、雑誌もあまり読んでいなかった。
新聞だけは1人だけ取っていて毎朝、朝食後に読んだりしていた。
4人は毎日、朝・夕のランニングと午後の練習で顔を合わせていた。
自分達で休日を決めて、週に1度休みをとっていた。
麗奈は休みの日は、曲作りとかギターを弾いていた。
新曲は、12曲出来上がっていた。  
3組のバンドの曲も、ほとんど完成間近だった。
前の曲が、どれだけ売れたかは不明だったが。
4人は小会議室に呼ばれて、1週間で1日3時間のメイクを教えてもらった。
最初は、肌チェックから始まった。 
肌の色とかキメの細かさ、質感とかの検査だった。
肌の弱いのは、葉月だった。
それ用のメイクセットを、次の日は用意されていた。
後の3人は普通だった。 
ただ麗奈は白い肌なので、日焼けに注意するように言われた。

「なんか麗奈は東北美人みたいだけど、出身は東北なのかしら?」

「いいえ、違いますよ。みんな一緒ですから。」

普段用のメイクと、ステージ用のメイクを教えて貰っていた。
何度も自分でやっては、これもダメ出しされていた。

「まぁ、大体ステージメイクはできればいいわよ。ステージの時はこれから同行しますからね。雇われちゃいましたから。それと、化粧品は宣伝したメーカーから提供されてますから心配しないでくださいね。」

メイクの練習が終ると、今度はサインの練習だった。
事務所の方で色々なデザインを出してくれて、自分の好みのからデザイナーに意見とか言って工夫してもらっていた。

PrettyGirlsの書き方は統一された。
麗奈は、簡単なのがよかった。
まぁそれでも3文字しかなかったので、工夫されて結構難しかった。
サインが上手いのは、葉月だった。 
あすかのは、力強かった。
彩香は、繊細だった。 
まぁ麗奈は大変だったが、書きやすかった。
マネージャーが言った通り、35枚の色紙にサインをしていた。
グループ名は、9枚ずつ書いて麗奈は8枚だった。
そこに寄せ書きをして、洋子に渡していた。
洋子は、もらった住所とサインを事務所の男性に渡してお願いしていた。

12曲の楽曲は、許可が降りていた。
4人で曲を聞いて、それぞれの意見を聞いて譜面に書き換えていた。
個人練習は、麗奈がデモを渡していた。
それぞれ、自分のパートを抜いた音を渡していた。
午後は、集まって練習をした。 
納得いかないと、夕飯の後に再び集まっていた。
2週間くらいで、揃う様になってきた。
その頃、麗奈は善人の元を訪れて3組の曲はいいのか聞いていた。
一組は売れ行きはよかったのだが、後はイマイチだったと言われた。
曲が悪いのではなく、歌だったと言われた。
そこで麗奈は、コーラスをCDには入れたらどうかと意見を出した。
4人でコーラスするので、どうかと言っていた。
一度試してみよと善人は言ったが、曲はいつできると麗奈に聞いた。
明日時間があれば聞いてもらいますけど、6曲できてますのでと。
次の日の午前中に、小会議室で曲を聞かされていた。

「えっと、1組目のボーカルは低音がいいので。そこを基調して作りました。2組目は、反対で低音が良くなかったので、低音をカットしてます。デュオは、もう1人も歌声が良かったので、2人で歌えるところを多く入れてます。」

「ああ なるほどな。この前は、歌は聞いてないからな。写真とイメージと歌いたい曲だけじゃ合わなかったのかもな。負担かけるけど、こっちのも演奏やると後の3人にも伝えておいてくれ。」

計18曲だった。 
4人集まって、曲を聞かせて意見も聞いていた。
譜面を書き直したりしていた。
出来上がると、デモを作って練習してもらった。
午後は、18曲を演奏していた。 

いつもながら、エントランスで意見交換をしていた。


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