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オーディション

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8月の下旬、まだまだ暑い日々が続いていた。
月1度のみんなとのお出かけや、個人での休日も洋子が暇であれば同行していた。
まぁ麗奈はみんなほどお金を使わないので、2日間は洋子の費用も出していた。
一緒に美容院やエステに行ったり、昼食を2人で食べていた。
楽器のメンテなども、みんなが休日の時に来て行われていた。
それに伴い、美穂もストラトの購入を余儀なくされていた。
まぁ、レスポールの次のギターと言えばストラトだろう。
美穂は優に言い、前借りをしてギターを27万で購入した。
白のFenderだった。 鮮やかな色だった。 
思い出したが、昔の麗奈のFenderも白だった。
練習などに、明け暮れる日々が続いた頃。
TVから麗奈が飛び出してきて、みんなはびっくりしていた。
8月に出したCDの中の一曲と、ギターを演奏して歌ってる麗奈だった。
歌い終わり汗をかいた顔で、笑いながら飲料水を飲んでるCMだった。

4人は慌てて麗奈の部屋に行くと、まだ知らないのか麗奈は1人練習していた。

「おい 麗奈。CM出てたぞ。凄いな。」

「え CMってなんですか? なんか撮影って言われて撮影しましたけど、演技とかできなくて何度もやりなおさせらましたよ。」

「演技じゃなくってさぁ、麗奈がギターで演奏して歌ってるところだったよ。」

「あれ、偉い人がこの曲弾いて歌ってくれって言われて、6回くらい歌いましたけどね。でも、最後は気持ちよくって嬉しかったですよ。あれがCMだったんですね。」

「そうそう、麗奈は緊張すると思って知らせてなかったのよね。まぁ、ライブじゃ緊張しないけど。他ではわからないからね。」

「そっか、私達が取材受けてる時にいなかった。あの時、撮影したのね。」

「いいわね。麗奈は、私達の中で1番お金持ちね。まぁ曲も作ってるしね。」

「4人変わらないって、言ってましたよ。最初に言われたので。優さんに聞くといいかもしれないですよ。」

「まぁ、それでもこのCMが続けばちょっとは人気も出て、会場もいっぱいになるわね。私達も取材してたしね。」

「そうそう、美穂が言ってたわよ。麗奈は怖いってね。まぁ、あの時だけだしね。私も怒って当然と、思ってたからね。まぁ一周年記念ライブまでには、腕あげてもらわないといけないわよね。」

「もう、あすかさん、プレッシャーキツすぎますよ。」

善人から計画を確認して撮影が終わって放映も決定すると、CDのプレスは大幅に量産し始めてた。
売り出される飲料水のペットボトルには、5人揃ったフィギアとか1人ずつのフィギアも作らてペットボトルに付けられることになった。
事務所・会社・スタジオ・自宅にもたくさんの商品を買っていた。
まぁ、企業からの進呈だったのだが。
CDは、CMなどの効果もあり20万枚の売上をあげていた。

一躍、PrettyGirlsの名は全国に広まっていた。
3枚目が売れると、1枚目・2枚目も売れてきていた。
9月のライブが終わると、ライブ映像でのDVDも発売されていた。
まぁ映像のDVDは高価だったが。彼女達の魅力が満載されていた。

10月発売のCDは、アマチュア時代の14枚を一気にまとめてアルバムとしてリリースしていた。
アルバムも曲数が多いので14曲づつのアルバムを2個作り、1st   2ndとなっていた。
ライブはこの頃になると、チケットが完売してしまうので。
土日の2日間のライブとなっていた。 
事務所では、会場内でグッズ販売も始めた。
CMが放映されてからは、素顔で電車移動など困難になってきていた。
8月から9月が1番過酷だった。 
28曲を全てアレンジし直して、録音だった。
その期間中は、美穂はレッスンに打ち込んでいた。

11月は月4回のライブ開催で、会場を点々としていた。
都内の中規模の大ホールを、満員にして回っていた。

12月に入ると、CD発売と月8回で週2回のライブが開かれていた。
吾郎から、5人に休憩所で言い渡された。

「個人レッスンなどは、来年の4月で終了するから。後は各自で練習をするように。俺達もそろそろ暇じゃ無くなってきたんでな。4月まではキッチリみてやるから、それ以降は聞きたいことがあればそれぞれ連絡してくるように。特に美穂は、まだまだ練習不足だからな。5月からは、北から全国ツアーをしていくから。その前にCDを6枚完成させるから、そのつもりでな。この12月からは、都内でのライブとCD制作になっていくから。体調管理には気をつける様に。まぁスケジュールは、マネージャーの洋子に渡してあるから各自聞くように。」

吾郎は、このメンバー以外でも人材を発掘しようと考えていた。
ソロ・グループなどでのオーディションも、行われていた。
まぁ他のグループはCDなどの売上は、半分はレコード会社に入ってくるのだが。
会社立ち上げの彼女達は、待遇は少し違っていた。
彼女達の活躍でオーディションにも多数参加してきたが、目ぼしい人材は見当たらなかったのは事実だった。
まぁあのバンドを見て、女性だけのグループも受けてきたが話にならなかった。
色々なバンドを見てきて、そのバンドからドラム・ベース・ギター2人を選んだりしていた。
2組のバンドと、一組のデュオと契約していた。
半年後までは、各自名前を売るのにライブハウスなどで演奏するように言われた。
そしてオリジナル曲を2曲作ることも、言い渡されていた。
演奏や歌唱力ももっと磨けと、吾郎や善人に言われた。

年が明けても、レッスンやレコーディングは続けられていた。
麗奈は休みの度に洋子の車でドライブしたり海に出かけたりして、車の窓から外を眺めながら呟いていた。
新しい曲のイメージ作りとかに、でかけていたのだった。
東京タワーやスカイツリー・浅草・原宿・新宿、時には足を伸ばして日光などにも出かけていた。
各地で色々な物を見たり、人を観察したりしていた。
帰っては、PCで作詞を手掛けていた。 
もう、頭の中は音楽一色だった。

4月のライブも無事終了すると、6人でファミレスで打ち上げをしていた。

まぁここでも決まって麗奈は、ハンバーグを食べていたが。


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