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5人の初ライブ
しおりを挟む6時になり、いよいよ開演となる時間だった。
場内は暗くなり、ステージも暗かった。
舞台脇にスポットが当たり、あすかが手を振って登場していた。
ドラムの位置に座ると、ダイナミックなドラムを叩き出していた。
彩香が登場して、拍手も巻き起こっていた。
知らない人は不自然に思っていたが、ファンは当然のことだった。
ベースを奏でていると、葉月が登場してキーボードを弾き始めた。
今日の葉月はノリにノッていて、大きな歓声が巻き起こっていた。
続いて美穂が登場したが、美穂の参加はファンには知らせてあったが4人との一緒のステージでは初めて見た。
ステージ脇にスポットがあてられても麗奈は中々出てこなく、袖でギターを弾き始めていた。
大歓声が巻き起こり、麗奈はステージに出てきていた。
イントロがスタートして曲が始まると、綺麗な演奏と麗奈の歌声とバックコーラスが噛み合っていた。
前の方に陣取っていた、ファンは熱狂していた。
間奏ではステージで自在に動き周り、演奏をしていた。
エンディングは、美穂はついていけなかった。
麗奈の速弾きとか、リードが凄まじかった。
「みなさーーーん こんばんわ PrettyGirlsでーーーーーーーーす
都内に田舎から来て、Prettyと言うレコード会社からスタートしましたーーーーーーー
故里での6年間の活動を元にして、新たにスタートしましたーーーー
中1からですから、かなり年月をファンの人達に支えてもらってきましたーーー
初めての方もいらっしゃると思いますが、是非、覚えてくださいねーーーーーーーー
次の曲【緑】【五月雨】いっきまーーーーーーーーーす。」
麗奈はOvationに持ち替えて、ギターソロから演奏を始めていた。
軽やかなリズムで、今までの曲調とはかなり異なっていた。
だれにでも、歌える3オクターブくらいの曲だった。
それでも、歌声は以前とは段違いで綺麗な声だった。
間奏ではアコースティックで、リードを弾いていた。
彩香と背中を合わせて演奏したり、美穂と見つめ合って演奏をしていた。
2曲は、ドラムは少し控えめな音だった。
キーボードも、ピアノ調の音を出していた。
「ありがとーーーーーーーーーーーーーーーーー
最高でーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーす
やっぱりライブはいいですよねーーーーーーーーーーーーーーーー
ずっと、スタジオに缶詰だったのでーー
ここでメンバー紹介でーーーーーーーーーーーーーーーーーす
我らリーダー 頼りになる姉御 ドラム ASUKAーーーーーーーーーー
低音とソロベースはお任せを ベース AYAーーーーーーーーーーーー
軽快なリズムと音を奏でる キーボード HAZUKIーーーーーーーーーーー
そして、そして、4月から新メンバーになった ちょっと1個年下で羨ましい
ギター MIHOーーーーーーーーーーーーー よろしくーーーーーーーーーー
最後は、ギター兼ボーカル担当のREIでーーーーーーす よろしくね
美穂が高校卒業して、5人のメンバーになりました。バンドもツインギターになり、私もちょっと楽させていただいてまーーーーーーーーーーーーす
次の詩です、【May】【彼女と2人で】いっくよーーーーーーーーー」
ストラトに持ち替えて、あすかのドラムからスタートしていた。
最初の3曲までは、外の大型スピーカーでも流されていた。
聞いていて、途中から入場してきたお客さんもいた。
メンバー紹介のところまで、流されていた。
5オクターブの綺麗な歌声が、会場に響いていた。
16曲を演奏すると、アンコールで2曲歌いステージは終わった。
汗ビッショリの5人は、私服に着替えていた。
雑誌記者はマネージャーと話しをしていて、吾郎とも洋子は相談していた。
5人はスタッフにもお礼を言い、器材を車に運んで公会堂を後にしていた。
途中で、マネージャーとファミレスで食事をしてから帰っていた。
器材をスタジオに戻すと、麗奈はギターを背負ってマンションにみんなで帰った。
ミスしたところなどを、色々練習して風呂に入って寝た。
翌日は、昨日の反省が3時間行われた。
休憩室では、各自反省点を言っていた。
美穂は数え切れないくらいだったが、フォローしてない麗奈が怒られていた。
3時間のうち2時間は、メンバー内で話しを行われていた。
少しの間、美穂のボリュームは少し下げられる事になった。
麗奈がソロを始めたら、まだ弾かなくていいとも言われた。
美穂も歌が下手ではないが、4人よりは下手で。
ギターがある程度出来るようになったら、コーラスの練習もすることになった。
5日後くらいに、スタジオに記者が来ていた。
カメラマンと記者2人できていたが、5人はレッスン中だった。
休憩室で、善人と話しをしていた。
「CDとかも、聞きましたけど。スタジオ・ミュージシャン書かれてないですけど、だれが演奏してるんですか?」
「全部、彼女達ですよ。まだ、1人はレッスン中なので。1人が3回被せていますけどね。」
「ステージでは、本当に演奏してたんですか?音を流してたのでは?」
「彼女ら信じられませんかね?もう、6年で7000時間以上は練習してますからね。今も、個別に練習をしてますよ。このスタジオで毎日8時から6時まで練習もしてますからね。ギターは帰ってからも練習してるみたいですよ。」
「あの歌声も、彼女のなんですか?」
「あんな音域出る歌手いますかね?いなでしょう。貴方も、業界の人ならわかりますよね?声質と、音域・声量で誰が出ますか?」
「なんで、大手レコード会社からデビューさせなかったんですか?」
「そうですね。今、1人以外は完全に均等の給料ですよ。1人はレコーディングにも参加してないので、ライブ代くらいですかね。それは本人も納得して、メンバー入りしましたのでね。ただ、後の4人で平等でないと仲間割れするのご存知ですよね。このグループも、1人が作詞と作曲をしていますのでね。レコード会社だと、そんな融通は効かないですよね。それに、地方でいかに有名になっても。すぐメジャーデビューなんてできませんからね。そこで1年のセミプロ生活で、金を稼がせて会社を設立したんですよ。すでに、セミプロで14枚のシングル出してますからね。1枚3万くらい売れましたよ。」
「そんなに売れるんですか? 普通無理でしょ?」
「ええ、そうですね。小さな街ですけど、夏祭のトリを連続で中2からやってきたたので、5000人は集めてましたよ。」
「それでは、1曲でもいいので演奏お願いできますかね?そしたら、信じますけどね。」
「まぁ、信じようと信じまいと自由ですけど。宣伝してくれるなら、助かりますからね。ちょっと、言ってきますね。」
善人は麗奈の個室に入っていき、吾郎に話しをしていた。
休憩室に5人は出てくると、見知らぬ男性2人に挨拶をしていた。
それぞれ、冷蔵庫から水を取り出して飲んだりしていた。
「ちょっと、質問していいかな?」
あすかは、代表として質問に答えることになった。
「いつから、演奏を始めたのかな?」
「中1ですね。最初は麗奈がギターをやりだして。私達3人が加わってバンドを組んだので。」
「いつから、指導とか受けてるのかな?」
「麗奈は中2の秋の終わりですかね。私達3人は中2の冬からですね。美穂はだいぶ遅くて、今3年くらい経つのかしらね。」
「楽器とかは、自前ですか?」
「そうですね。麗奈以外は、親に頼んで買ってもらいましたのでね。麗奈は、バイトや小遣いで買いましたね。まぁ、2本は格安で譲ってもらったみたいですけどね。」
「じゃ、一度麗奈ちゃんに質問です。ギターの種類は?」
「最初、25万くらいのGibsonでしたね。次は26万のFenderです。アコースティックも取り入れることになり、今のレコード会社の社長の新垣優さんから格安でOvationのVINTAGEを買いました。高3の夏に、師匠の新垣吾郎さんからGibsonのヴィンテージを超格安で譲り受けました。今は、ライブでは、ヴィンテージとOvationが多いですね。練習で昔のGibsonを使っています。」
「5人は仲がいいんですか?」
「仲はいいですね。共同生活してますのでね。食事はいつも、佐藤香織さんにお世話になってます。」
「それでは、ちょっと演奏とか1曲してもらえるかな?歌も入れてね。」
「お前ら、スタジオでスタンバイして1曲聞いてもらえ。」
吾郎に言われて、5人はスタジオに入っていった。
「おい、美穂はまだいいからな。こっちで見てな。」
美穂は戻ってきて、ガラス越しに見学させられていた。
4人は普通に弾き始めて、麗奈は歌っていた。
完成度は高かった、特にギターと歌は格別だった。
歌い終わると、室内で私服でスナップ写真をカメラマンが撮っていた。
「ここに、彼女らのアマチュア時代の14枚ありますから聞いてくださいね。最初の1枚目から進歩してるのがわかると思いますから。」
善人は、紙袋に入れた14枚のCDを記者に手渡していた。
麗奈達は、お辞儀をして記者達を見送っていた。
吾郎はくれぐれも、スタジオの写真と住所だけは載せない様に言っていた。
その後も再び、麗奈達の練習は再開されていた。
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