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さよなら故郷
しおりを挟む3月のコンサートも終えて、5日後4人は集められた。
CDの売上も、14枚で50万枚を超えていた。
コンサートの売上も、11回でかなりの金額だった。
吾郎から、4人に言い渡された。
「今後、プロになるためには。東京にでるしかない。この田舎街では、できないからな。成功するまで、戻らない気持ちで望んで欲しい。お前らは、ここまで努力をしてきたのだから、後はみんなに知って貰うことだ。レコード会社やプロダクションに入るとそれなりに宣伝もしてくれるが、売れなくなればそのまま地方での公演になる。そこで、俺達7名で会社を設立した。名前はお前らの名前の【Pretty】だ。レコード会社は、優がやる。プロダクションの方は、善人だ。知ってると思うが善人は俺達のバンドのメンバーで、今は都内に住んでいる。CDも、これからと同様作っていくし、レッスンもある。今後は、もっと過密なスケジュールになると思うが。覚悟しておいれくれよ。それと、プロデビューに先駆けて。メンバーを1人入れてツインギターにすることにした。リズムギターだが、麗奈のライブでの負担も減るし、音に深みもでてくるからな。なにか質問ある人は。」
「えっと、住まいとか。後はもう1人のメンバーは誰なんですか?」
「住まいはもう、確保してある。5人で暮らしてくれ。それと、新しいメンバーには、美穂に入ってもらう。お前達が聞いた頃は、聞けなかったけど。あれから香織と正生に指導されて、そこそこになってるからな。俺も聞いたから問題ないし。麗奈が上手くカバーしてやってくれよな。」
「えっと、引っ越しとかはいつなんですか?」
「明後日だな。どうせ荷物なんてないんだろ?器材と洋服くらいしか。今日中に荷物をまとめて、俺の車で引っ越しはするからな。明日は休養日にするから、家でゆっくりするように。成功するまで帰って来れないんだからな。特に麗奈はずっと会ってないだろうしな。」
急なことで4人はビックリしていたがついに、この時が来たと思った。
TVなどに出るメジャー・デビューではないが、一応プロであった。
個々に契約書にサインをしてから、帰宅していた。
麗奈も、サインをしていた。
あまり目を通さずに、サインしてしまっていた。
麗奈の契約書には、作詞・作曲の著作権の項目もあり。
給料は、みんなと一緒に分担されることとなっていた。
CDやコンサートでの著作権などは、別に会社に貯蓄され。
上場した時に、株券として変えられる様だった。
まぁ、荷造りは洋服だけだったのですぐに終わっていた。
渡された段ボール箱は、2個だったからである。
吾郎に断り、弦とかを大量に買い集めていた。
店長の姿はなかったが、かなり値引きをしてくれて助かった。
その日も帰ってきてランニングをすると、シャワーを浴びてから食事をして0時までレッスンをしていた。
翌朝、5時からランニングをすると吾郎達に挨拶して1日帰宅した。
平日なのに、両親が家にいた。
幸平は、やっと起きてきたところだった。
4人で久しぶりの食事をしていて、色々な話しをした。
「麗奈。都会って怖いのよ、気をつけなさいよ。」
「お母さん、大丈夫ですよ。5人で暮らすし、平気ですよ。」
「お姉ちゃんのCD持ってる友達も、たくさんいるよ。」
「ありがとう、お礼言っといてね。売れるまで、ここに戻れないから。みんな家族の支えがあってここまで来れたから、お父さんやお母さんには感謝してます。勿論、毎回見に来てくれた幸平にもね。」
「麗奈、自炊とかできるのか?いつも、お前は食べてばかりだけどな。」
「なんか、香織先生が作ってくれるみたいです。用事ある時は、みんなで近くの喫茶店かファミスで食べます。」
「しかし、なんだな。お前がユーフォ辞めた時は。こっちは怒ってたけどな。中1から初めて、こんなに上手くなるんだな。新垣さんのおかげだな。」
「そうですね。私の人生を変えたのは新垣さんなので、感謝してます。本当なら、のんびりと。大学でも、通ってたでしょうけどね。」
「出会いって、大事だからね。これからも、いっぱい良い人と巡り合うといいわね。」
幸平は、学校に出かけていた。
両親も休んでいたので、落ち着かないが話しをした。
3人で昼食を済ませると、落ち着かない麗奈に父は。
「麗奈、無理しなくていいぞ。ギター弾きたいんだろ?新垣さんの家に、戻ってもいいからな。父さん達は、お前の顔を見れただけで満足だからな。」
「そうよ、麗奈。無理してたら気分悪くなっちゃうわよ。行きなさい。」
「お父さん、お母さん。ありがとう。いつ戻れるかわからないけど、行ってきます。今までありがとうございまいた。」
玄関で両親に頭を下げて、家から出ていった。
新垣の家に着くと、チャイムに指をかけるが押す勇気が中々でなかった。
家の中から、優が笑いながら出てきて招き入れていた。
「あら、完全休養日だったのに。もう、戻っちゃったの?」
「しょうがねえよ、こいつ練習好きのマゾだからな。俺に怒られるのが快感なんだろ。」
リビングで、3人で寛いだ。
優と麗奈は紅茶を飲み、吾郎はコーヒーだった。
「明日で、お前らの運転手も最後だからな。運転手兼マネージャーも見つけたしな。心配ないよ。俺達より年下の女性だからな。我儘言うなよ。」
「麗奈が言うわけないでしょ?この娘達、素直なんだから。」
「部屋は、2人と3人に分けたからな。お前は葉月と2人部屋だから。そうそう、いい忘れたけど、部屋狭いからベッドは2人でも3人でも1個しかないからな。収納のクローゼットはついてるぞ。それでも、ユニットバスじゃないところ探したんだからな。ありゃ、嫌だよな。便所と風呂が一緒だなんて考えられないわ。浴槽とシャワー付いた洗い場が常識だろうがよ。まぁ、着替えは部屋になっちまうけどな。女だけならいいだろうし。」
「そうね、麗奈はいつもシャワー2回にお風呂1回だものね。あれから欠かさずランニングしてるから偉いわね。プロになると、体力もいるからね。」
話しをしてから、3時頃からボイトレとギターレッスンをして夕食を済ませて夜の練習をしてから就寝していた。
この街で産まれ、この街で19まで育った。
色々な思い出がたくさんあった。
通ってた楽器スクール。
小学校での思い出は、あまり無かったのだが。
中学に入りすぐに吹部を辞めてしまい、ふと入った楽器屋で綺麗なギターに巡り会えた。
バイトと小遣いでギターを買い、練習を始めた懐かしい頃。
中学であすかや彩香・葉月と一緒に軽音楽部を作って、学祭に3回出たこと。
夏祭も中2から参加して毎年、トリを演奏したこと。
吾郎から電話があり喫茶店で話しをしたことが、つい先日の事の様に思えてきた。
ボイトレとかギターのレッスンを始めた頃は、泣いて帰っていた。
厳しいからではなく、できない自分が悔しかった。
1年間の休止も言い渡された事もあった、ライブが好きな4人にはショックだった。
毎月の休日には、それからレコーディングが始まっていた。
できるまで、何度もやり直させられて最初の頃は少しくじけていた時期もあった。
半年もすると、正確に音を出せるようになり今まで3日かかってたところを2日で出来るようになっていた。
演奏の次は、麗奈のギターを2個被せていた。
これにも、相当な時間がかかった。
妥協しない吾郎は、何十回とダメ出しをしてやり直させていた。
普通にスタジオを借りたら、膨大な金額だろう。
それから歌を入れて、最後にコーラスが入れられていた。
みんなそこそこに音楽はいいので、ボーカルの麗奈ほど時間はかからなかった。
卒業前にアマチュア1年の経験を積むと言われて、レッスンと月1回のライブを開いた。
夏祭や学祭とは違って、入場料を貰うので最初の頃はそれでも厳しかった。
元々のファンとかに助けられて、1年を乗り切っていた。
麗奈は、Gibson2本・Fender1本・Ovation1本を所持するようになっていた。
高価な2本は優と吾郎に譲り受けた。
最初に購入したGibson1本は、練習用と作曲用だった。
高校卒業と同時に小遣いも無くなったが、弦などは支給されていた。
途中から月に2万貰い、遊びに行ったりエステとか美容院とかも行った。
ピアスの穴も開けたので、今は小さなピンクのピアスをしていた。
中学途中から、脱毛にはいつも苦労していたが。
母が出してくれて、全身脱毛もしていた。
まぁ、見えると困るのでVIOもしていた。
Vラインは、小さな逆三角形にしていた。
化粧などは、していなくほとんど薬用リップだけだった。
色々な事を考えながら、眠りについていた。
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