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進路
しおりを挟む結局、吾郎は帰って来なく。
麗奈は、母と共に帰宅した。
体力トレーニングの成果か、疲れはあまりなかった。
食事と風呂を済ませると、勉強を先にしてから1時間練習をして0時に就寝した。
翌朝も変わらず、ランニングをして。
シャワーを浴びると、朝食を取った。
姉の茉莉子も今年大学4年で就職だったが、帰省していた。
今日は荷物が少ないので、バスと歩きで会場に向かった。
暑いのでキャップを被り、ポニーでもないのでだれも気が付かなかった。
高校生のブースに、行っていた。
プログラムでは、午後の13時と15時になっていた。
あすか達、3人も続々と会場入りしていた。
「あら、13時と15時なのね。午後からだから、早かったわね。」
あすかは、みんなに言っていた。
自分達のプログラムを見ると、19時だった。
ここで3年連続でも驚異の出来事だったのに、4年連続だった。
みんな、彼女達の演奏の後は嫌がったからだった。
新垣達は、朝からCDの発売を始めていた。
部員の1人が、それを見つけて4人に報告していた。
4人は小さなブースに近づくと、むさ苦しい男性4人と優がいた。
麗奈達のCDを販売していたので、あすかが声をかけた。
一斉に、お客さんに取り囲まれた4人だった。
「あ みなさん CD購入ありがとうございます 知らなかったので、ごめんなさい。新垣さん、時間あるので11時頃までお手伝いしていいですか?」
新垣達は、4人に販売を任せて後ろで休憩した。
4人は、販売して握手をして笑っていた。
「今日もメインステージで7時から歌いますので聞いてくださいね。」
麗奈は、これは不得意だったが精一杯頑張っていた。
「REIちゃんって、普段は大人しいだね。声も小さいし。ギャップがいいけどね。」
「ありがとうございます よろしくおねがいします。」
笑顔だけは、4人絶やさずに販売していた。
本人が売ってると聞きつけ、長蛇の列ができていた。
およそ3時間、手伝うと。
新垣達にお礼を言って、高校生ブースに消えていった。
部員全員で早めの昼食を済ませて、木陰でゆっくりとしていた。
再び、今日も円陣を組むとあすかの掛け声で気合を入れていた。
今の2年はセッティングが慣れているので、1年をサポートにつけて手際よかった。
このセッティングも、何度も繰り返し学校で練習していた。
前日と同様に進められて、観客は集められていた。
時間も昼過ぎなので、昨日よりも多少多くの人が集まった。
一組、置いての演奏なので、舞台袖に器材はスタンバイされていた。
麗奈は、各自のチューニングを完璧にセッティングしていた。
部員達を送り出し、客席で拍手をしたり手拍子をして盛り上げていた。
2組目も無事終了すると、片付けは任せて。
少し、木陰で休憩をしていた4人だった。
わかる人もいるだろうが、4人はキャップを被って木にもたれて腰掛けていた。
5時になると、部員全員はメインスタジオの裏の駐車場に行った。
器材を運び出し、楽器のチューニングを各自行っていた。
6時頃から、ヘッドマイクとイヤモニをつけていた。
4人は円陣を組んで、気合を入れていた。
大勢のお客さんなので、普通に登場することにした。
ただ、いつものドラムのソロからはじまるのは言うまでもなかった。
今回はレスポールで登場し、演奏を1回止めて独唱から入ることにしていた。
4人がステージに姿を現すと、大声援が巻き起こっていた。
ドラムのソロ、ベースと続き、シンセが鳴り響いた。
そのまま演奏がストップすると、観客は静まり返っていた。
香織も聞いていなかったのであった。
静まり返った中、麗奈は独唱していた。
Bメロから、次々にシンセから音が出てきてベース・ドラムの音が静かに鳴っていた。
サビからギターが入り、一体化して歌い上げていた。
「みなさーーーーーーーーーーーーーーーーーん
こんばんわ PrettyGirlsでーーーーーーーーーーす
昨日に引き続き、演奏させていただきまーーーーーーーーーーす
こんな素晴らしい場を与えてくださった関係者の皆様に感謝しまーーーーーーーーーーす
今日はだれと来ましたか? 友達? 恋人? 家族とかしらねーーーーーーーーーー
楽しい思い出できましたかーーーーーーーーーーーー
夏祭最後の夜でーーーーーーーーーーーーーーーす
思い出まだの人に、こんな歌捧げまーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーす
そうそう、恋人のお二人にもねーーーーーーーーー
【線香花火】【恋人たちのKiss】いくよーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
振り返り、水を飲むとOvationに持ち替えていた。
毎年恒例に歌われる歌もあるが、2日続けて歌う曲はなかった。
高校生でどれだけのオリジナルを持ってるのか、みんな驚異を感じていた。
アコースティックの軽快な音と、リズミカルなバンドの音色が融合していた。
そして、それらにひきたたされて。
麗奈の声は、まだ明るい夜空に響いていた。
大歓声と拍手の中、麗奈は歌い上げていた。
大勢の観客の中、8曲とアンコール2回で3曲、合計11曲を演奏・熱唱してライブは終わった。
部員は集まり、香織の挨拶があり。
各自、家に帰宅した。
麗奈は、家族の手を借りて3本のギターと荷物を持って家路についていた。
CDも、完売して。
新垣も、家路に着いていた。
今回は店頭売りではないので、売上は全部入っていた。
夏休み残り2週間は、CDのレコーディングや練習で過密なスケジュールだった。
なぜ新垣が、こんなにもCD制作をしているのか麗奈達はわからなかった。
まぁ、これも練習だと思い。
夏休み中、レコーディングしてたわけだが。
麗奈もバッキングなどリズムギターで最初ギターをみんなと合わせてから、個人でリードを入れていた。
その後に歌を被せるのだが、他のメンバーの3倍は時間を浪費していた。
9月に入ると、進路などが除々に決めていく時期だった。
4人は桜花女子大の文学部への進路を決定していたが、今の成績では問題なかった。
美穂も香織から、徹底的に基礎から練習をしていた。
主に、コード重視だった。
4人は、新垣に土曜の午前早くに呼ばれた。
香織も、そこにはいた。
新垣と香織そして優の3人と、リビングで昼まで話しを聞かされた。
それは、今の1本のギターよりもツインギターにした方がいいと言われた。
そのために美穂を、今香織の家で特訓させていると。
これには、戸惑いを見せていた4人だった。
そして、1年のライブ活動中止も言い渡された。
せっかくみんなに名前も知れてきたのにと思ったが、その間にさらなる技術の向上を求められた。
まだまだ、未熟なのでライブよりも練習に専念することを言い渡された。
そして、最後に4人にメジャーデビューをする気があるのか問いただしていた。
これは、すでに両親の許可を得て同意もされているので。
本人の意思次第だった。
プロとは、まだほど遠い存在なので夢であり。
大学卒業時点で、考えようと思っていた。
新垣は、高校卒業後。
1年のレッスンで、プロ並みにすると言っていた。
19歳で、プロデビューが目標だった。
ボーカルは、メンバーで1番華のある麗奈であり。
ギターテクニックも、上手くなっていた。
作られてる録音した楽曲は、卒業と同時に発売されることとなる予定だった。
デビューまでの後、2年半で美穂を香織は一人前にすると言っていた。
リズムギターとして、演奏がベストと新垣も4人に言った。
まぁ、レコーディングの水準には達しないだろうがライブでバンドのサウンドが違うのは事実だった。
今も、レコーディングでは麗奈がギターを2本担当しているのだから。
それがライブでできればと、考えていた。
まぁ、4人は仲がよく。
部員とも仲がよかったが、それは卒業まで返事は伸ばしてもらった。
あすかは、どちらかというとボーイッシュな感じだった。
彩香は目がくっきりしてて、吉川愛に似てる顔立ちだった。
葉月はお嬢様でハーフであり、少し中条あゆみに似ていたので人気もあった。
麗奈は、日本人ではなくヤン・ミー似だと言われていた。
まだ、幼いので彼女ほどの色気はないが顔立ちがそっくりだった。
勿論、麗奈は日本人であるが。
身長も167あり、細めだがスタイルはよかった。
小顔で、脚も長かった。
みんな、スタイルはよかった。
これだけの運動量をしていれば、太れなかった。
とりあえず、4人は話しに同意して午後から練習を再開していた。
香織は、桜花学園軽音楽部のホームページで。
4人の1年間の活動休止を報じていた。
新垣は、CD販売はシングル2枚をプレスして店頭販売していた。
今年のオータムフェスティバルには、桜花学園は参加しなかった。
学園祭は、他のメンバーのサポートをしていた。
麗奈は部活中は、美穂につきっきりでの指導をしていた。
まだまだ、水準には程遠いが上達をしていた。
香織は、そんな2人を見守っていた。
美穂は、毎日7時間以上の練習と1時間の勉強を麗奈に言われていた。
下手な癖なども、直していき美穂も苦労していたが。
練習中も時々休憩をして、ギターなどの事を美穂と話していた。
まぁ、麗奈達は地方の寂れた街であったが。
噂は、都会まで広がっていた。
今はPCとかでの情報が、どこでもキャッチできるのであったから。
問い合わせとか、大小プロダクションやレコード会社から来ていて香織は手に負えないので。
優がPrettyGirlsのホームページを開設して、ここにて対処していた。
まぁ、19までは今の知名度でもある程度売れる予測はついていたので。
わざわざレコード会社などに、50%くらいの売上などを与える必要もなかった。
高2の彼女らが、19歳になったらデビューさせると返事をし。
会社との条件提示などを、色々と出させていた。
クリスマスライブや、年越しライブも参加しなかったがレッスンは過密だった。
4月に入ると、新入部員が30人入部してきていた。
初心者から、経験者まで幅広かった。
まぁ、4人の演奏には圧倒されていたが。
香織の提案で、1ヶ月に一度ライブを開くことにした。
みんなに、楽しく演奏してもらうためであった。
夏祭まではライブ許可は出てないので、当日はスタッフとして働いていた。
月1回のライブも、無事4回終了する頃には蝉の声が賑やかだった。
部員も多くなり、部活も賑やかになったが練習場所に困っていた。
麗奈達は、他の部員に譲り個人練習をしていた。
その頃、新垣は何本かあるヴィンテージレスポールの中から1本をメンテに出していた。
彩香も、この頃2本目のベースを購入していて今度はFenderのベースだった。
このバンドで現在1番高い、100万以上していた。
ドラムは最初からOvationと同じくらいの値段だったので、あすかは満足していた。
シンセサイザーも、メンバーで1番のお金持ちの葉月だったので良いものだった。
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