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桜花祭まで後わずか

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いつもの時間に起床して、リビングで寛いでいた。
久しぶりに、5人で朝食を食べていた。 
もっぱら昨日の話しであることは、言うまでもなかった。
姉の茉莉子は、今日の昼前に再び戻る予定だった。
茉莉子の大学でも、麗奈達は少しは評判だった。  
ジャンルは違うのだが。
近頃は、なんでも携帯の時代で。
麗奈みたいに電話とメールしか、やってないものなど少なかった。
フェスティバルの次の日は【話題のJKフェスタでも大暴れ】と流されていた。
麗奈は、一日中ギターの練習をしていて。
この日も15時間練習すると勉強した。
月曜日から、中間テストだったのであった。 
風呂に入り、明日の支度をすると0時に就寝していた。

テストも終わり、最低86点の成績で無事クリアしていた。
みんなメンバーも部員もクリアして、これから文化祭に向けて活動だった。
他の1年も除々に力をつけてきていたが、4人には見劣りしていた。
というより、香織が見方が辛口なだけだったのだが。
普通の学校で、初心者からなら上出来の出来栄えだった。
部員達は、よいお手本が目の前にありそれを目標に練習していたが追いつけなかった。
むしろ、距離はどんどん離れていったのだった。 
練習量の差だった。
学校2時間半・レッスン3時間・自宅レッスン2時間もされたら追いつけなかった。

フェスタでは、本当は新人賞と特別賞を受賞される予定だったが辞退と言うことにした。
まぁ、携帯での投票とかもあったので父兄とかには入れないように予め言ってあった。
それでも、得票数は優勝したグループよりも多く1位だった。
ホームページに、苦情の書き込みが多数寄せられてきた。
仕方ないので、グループは賞を辞退していると報告をした。

今度は、グループに非難の声が上がっていた。
ちょっと可愛いからといい気になるな・真剣にやってるやつになんて言い訳するんだ・生意気・嘘で塗り固められたパフォーマンス・偽りの涙・口パクなど書かれた。
全校集会が開かれ、今回の騒動について校長も謝罪していた。
壇上に香織が上がると、一例をし。

「デタラメな中傷や批判ですので、ご理解ください。彼女らが、そんな風に見えますか。いつも共に行動してる貴女達なら理解できますよね。ボーカルが、口パク。だれが歌えますか。5オクターブの歌を、教えてくださいね。中1から、もう何千時間も練習してきた成果です。このことに関しては、責任を持って対処しますのでしばらくお待ちください。」

香織は壇上から降りた。 
謝罪などせず、キリッとしていた。

香織は、PCでホームページに書き込んでいた。

【この度、皆様に多大なご迷惑をおかけしている桜花女子学園PrettyGirls顧問の佐藤香織です。辞退をさせたのは、私個人の意見です。まだ発展途上の幼い女子高生です。彼女達は、賞というものよりも、歌う場所が欲しいのです。私達、軽音楽部は年間のスケジュールを決めてます。スプリングフェスティバル・夏の祭典・オータムフェスティバル・桜花祭・クリスマスライブ・年越しライブと開催する予定でおります。桜花学園軽音楽部のホームページもこれから作成しますので、ご覧ください。色々な批判とかは自由です。ただ、まだ高1である彼女らを傷つけないよう、暖かくそっとお見守りください。高校に入ってライブ活動も2個終了しました。ご覧になった方は、わかるはずです。演奏は、まだまだ下手でこれから指導をしていきますが。彼女らの演奏には、心があります。後2年半はじっくりと指導していきますので、よろしくおねがいします。 最後に出して頂いた大会関係者の皆様、第1回大会からこの様な不祥事を起こしすいませんでした。寛大な処置を持ち、来年も出させて頂けたらと心から願っております。】  

「茉莉子、あんたの妹相当有名人みたいじゃないの口パクとか言われちゃってさ。まぁ、あんだけの声出す影武者なんていないけどね。発声もしっかりしてるし、ギターも高校生離れしてたからね。」

「見てたの? 私は両親とかと桜花の座席で見てたけど。まぁ、私の妹ながら大したものよ。中1から始めたのにね。バイトして2本ギター買っちゃってさ。もう、1本は安く譲り受けたみたいですけどね。」

「あんだけ貯めたんだから、風俗か?」

「違うわよ、朝の8時から夜の9時まで働いてたわよ。ファーストフードとコンビニの掛け持ちでね。親は知らないからずっと怒ってたけどね。」

「あのOvation高いんだろ。確か70万以上するわよ。」

「あれは、レッスンしてる先生から譲り受けたのよ。15万でいいと言われたけど、母が半分出して30万渡したんですって。半分は妹の貯金だけどね。」

「レッスンもしてるのか?プロ並だよね。凄いよね。」

「ええ、レッスンは毎日だから。高校になってからは部活で遅くなるからな9時までになったみたいだけどね。土日もだしね。」

「茉莉子の授業料と、妹のレッスン料で親も大変だな。」

「そうね。感謝してるわ。でも妹は月5000円なので負担かけてないわよ。」

「暇人ね。どんな顔してるロリコンか見てみたいわよ。」

「あんたも知ってるわよ。新垣吾郎よ ボイトレは奥さんね。」

「あの人、弟子とかもたないタイプでしょ。頼みに行ったのかしらね?」

「あっちから、頼んで来たみたいよ。私も、自宅に新垣さんがいたからビックリしたけどね。あんな有名人が自宅に来るなんてさ。」

「プロにならなかったから、今でも伝説のギターリストですものね。レッスンきつそうね。可愛そうな妹さんね。」

「まぁ、中2の夏過ぎから習い始めて、もう2年かしらね。でも、ステージごとに進歩してるわよ。この前なんて私と母の間から立ち上がってその場で弾き始めてたしね。こっちがびっくりしたわよ。」

「ああ あそこにいたのね。ずっと後ろだったでしょ?しかし、ハチャメチャだけど、礼儀正しいし好感持てるわよね。4人共、凄かったものね。でも、妹さん、ファン投票最下位だけどね。」

「まぁ、書き込みだけでしょ?最下位の原因って学校生活で根暗とか陰気とかで星0なだけだし、多分、携帯は電話とメールしかやってないから本人は見てないわよ。他の演奏とルックス・スタイルは満点でトップだからいいんじゃないの。家でも大人しいし、あまり話しもしなかったからね。母は手のかからない娘だって言ってたけど、我慢はしてるのよね。まぁ、長女がデキがいいからね。なんちゃって、次の講義始まるわね。行きましょうか。」

茉莉子も、友人達に妹の話しは聞かれていた。

学園祭まで2週間の頃には、香織の手で軽音楽部ホームページが開設されていた。
全員での集合写真。
部長あすかの写真。
副部長彩香と葉月の写真。
3人には、それぞれプロフィールも載せられていた。
麗奈は、その他大勢の中の1番最初に写真を載せられていた。
まだ、グループは1個なので。
麗奈達のPretty Girlsの器材を持っての写真が飾られて、これまでの活動内容を書かれていた。
グループのできるまでの事など、書かれてもいた。
まぁ、記事からすると麗奈がリーダーであり創設者でもあったので。
これは得て不得手があって、あすかが適任だった。

学祭では、1時間の演奏で2日間だった。
但し、他の部活もあるのでアンコールは無かった。
桜花祭の日程と、講堂でのスケジュールもPCで打ち込まれていた。
近隣にも多数の高校があり、この時期はお客さんの奪い合いだった。
まばらな年もあれば、多少入ってたこともあったのだった。
すぐ近くには有名なお嬢様学校があり、ほとんどがそちらに流れていた。
反対側には、男子校があり女生徒などはそっちに足を向けていた。
男女共学の学校もあり、共学ならではの趣向を凝らしていた。

まぁ、4人は演奏できればいいので毎日練習を積み重ねていた。

「おい、麗奈。頑張ってるか?久しぶりだな。」

電車で、秀一に声をかけられた。
隣には、前の彼女と違う彼女がいた。

「あ お久しぶりです。元気でしたか?」

「お前たち、フェスタの受賞辞退したんだってな。もったいないな。」

「そうなんですか?全く知らなかったです。いらないですけどね。まだ下手なので。」

「お前ら軽音のホームページも出来たし、凄いよな。」

「そうなんですね。香織先生が作ったんですね。見る暇ないから・・・」

「学祭も一緒の日だし、お互いがんばろうな。」

秀一と別れてマンションまで帰り、ギター片手に新垣の家に向かった。

「ねえ、あの娘。秀一の元カノ?ちょっと、似合わないわよ。」

「幼馴染だよ。桜花だから、すぐ近いだろ。学校も。」

「秀一も学祭で演奏するのよね。楽しみだわ。」

「俺のより、あいつらの聞いた方がいいぜ。桁違いだからな。あのオータムフェスティバルで、受賞して辞退してんだから。相当なファンが、いるはずだぜ。」

「そんなに凄いんだ。でも、あそこの学祭ってダサいって有名だから今年も私達の方が勝つわよ。」

「ああ 取られなきゃいいけどな。今回は他の街からも来るだろうしな。追っかけがすごいからな。講堂なんて入り切らないんじゃないのかな。」

いつもながら、新垣のレッスンはハードだった。
できるようになると、さらにレベルをあげていった。
学祭まで、3日になった。
4人は通しで、演奏を始めていた。
ここでも、香織のダメ出しが連発して。
4人は部活で疲れ、帰りの道だけが息抜きだった。
レッスンを受け、家でもより厳しく練習していた。 
勿論、勉強も欠かしてなかった。
学祭前日、あすかはみんなを呼び集めて円陣を組み。

「今日まで、みなさんご苦労さまでした。明日は本番です。2日ありますので気合入れて行きましょうね。明日、クラスの担当でない人は、8時集合ですので。よろしくおねがいします。それでは解散します。」

みんな香織にお辞儀をすると、器材庫と部室の鍵をかけて香織に渡した。
レッスンも終わり、食事をしてゆっくりと風呂に入っていた。
脇毛の処理も、終わらせていた。 
衣装は相変わらず、夏祭の上に白の薄いジャケットだった。

練習をして勉強もし、1時に就寝していた。

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