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クリスマスライブとピンクのショーツ

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24日の当日になった。  
学校は終業式で早めの下校だったが、顧問の美羽先生に頼んで3時まで居させてもらった。
学校は10時過ぎに終わり、急いで部員は音楽室に集まり準備を始めた。
通し演奏だった。 
1年二組の後、麗奈達が練習だった。
途中で演奏を止めて、ダメ出しを出してたあすかだった。
麗奈達は、10曲を演奏していた。  
3曲は、オリジナルのクリスマスソングだったが。
敢えて、麗奈は歌ってなかった。  
マイクのスイッチを切って、ボソボソと歌っていた。

今回は、あすかの家のワンボックが来てくれて。
器材を、車に乗せていた。
去年は女子4人だったが、今年は13人で。
しかも男子が4人もいると、すぐに運べていた。
4時に商店街に着くと、荷物を下ろしてセッティングを開始していた。
これも、恒例になるといいなと麗奈は思っていた。
13人は、サンタの衣装に着替えていた。
男子は、トナカイだった。
麗奈達は、去年もやったので恥ずかしくなかったが。
1年の女子は、短いサンタの服で少し恥ずかしがっていた。

「ほーら 恥ずかしがり屋の1年女子。毛糸のパンツ支給するわよ。早いもの勝ちね。赤・ピンク・黄色。水色・白 取りにおいで。」

赤は絶対に嫌だと奪い合いになっていたが、結局律子が赤になっていた。

まぁ、短いと言っても。
マイクロミニみたいに短くないし、普通のミニくらいだったので麗奈達は普通に履いていた。
スタンバイさせると、5時前からスタートさせていた。
おぼつかない演奏であったが、【ジングルベル】や【赤鼻のトナカイ】などは人気があり盛り上がっていた。
麗奈達は、Aが終了する頃。
4人でトイレを済ませに、商店街に入っていった。
帰ってくると、Bが終わりに近づき動きは慌ただしくなってきていた。
1年は、緊張してるのか演奏だけで精一杯だった。
あらら もっと楽しくやらないと、音楽だものね。

二組が終わり、麗奈達の器材もセッティングされた。
4人は、手を振って登場してお客様に一例をしていた。

「こんばわーーーーーーーーーーーーーーーーーー    
メリーーーー クリスマーーーーーーーーーーーース  
今年も良いクリスマスむかえてますかーーーーーーーーーーーーーーー  
楽しいイブをすごしてくださーーーーーーーーーーーーい  
じゃ、いきまーーーーーーーーーーーーーーす
【恋人はサンタクロース】」

軽快な、サウンドとメロディー・透き通った声。
麗奈も自分がこんなに歌えるとは、思っていなかった。
今までよりも、声量のある綺麗な声が自然と出てきていた。

「ありがとーーーーーーーーーーーー   
さいこうーーーーーーーーーーーーーーー    
夜も暗くなって、こんな私達からの2人へのプレゼント 【恋人たちのキス】」

レスポールに変えて、少し重いサウンドで音を奏でていた。
部員達は、前で手拍子をしていた。 
それにしても、麗奈のギターの演奏は変わっていた。
音がはっきりとしていた、歯切れがよかった。
前は、少し濁る場所もあったのだが。

「【クリスマス・キャロルの頃には】  いくよーーーーーーーーーーーーー」

高音の歌声が、夜空に響いていた。  
無理なく出してる声は、とても綺麗だった。
まだまだ余裕のある歌声に、通りゆく人々も足を止めて聴いていた。

「どうもーーーーーーーーーーーーーーー     
みなさん ありがとーーーーーーーーーーーーーー
メンバー紹介でーーーーーーす  
ニコニコリズミかるなドラマー  加藤あすかーーーーーーーーーーーー
低音は任せておくれ ベーシスト  早見彩香ーーーーーーーーーーー
お嬢様は、ペットも吹けます シンセ  浅井葉月ーーーーーーーーーーーーーーーー
そして、最後にギタとボーカル担当の私  田中麗奈でーーーーーーーす よろしく
【Christmas Wish】   きいてくださーーーーーーーーーーーい」

「かなり冷え込んで来ましたね 雪でもふりそーーーーーーーーーーーーーー
でも、ミニでがんばってまーーーーーーーーーーーす  
きいてくださーーーーーーーーーーーーーーーい
【クリスマス・イブ】」

まぁ、定番中の定番だった。
クリスマスに歌われると言うか、どこかで1回はだれもが耳にしたことのある曲だろう。
途中でチューニングし直したりして、演奏し歌っていた。
大きい舞台は、もう麗奈達は5回足を踏み入れていた。
彼女達に、緊張という言葉は今はなかった。

「はーーーーーーーーーーーーーーーい  
カップルのみなさんにお届け物よーーーーーーーーーーー
ちゃんと受け取ってねーーーーーーーーーーー  【恋人たちのクリスマス】」

高い音程も安定していて、しっかりと歌いきっていた。
中学生の域を、超えていた。  
伸びのある歌声と、綺麗な声 
コーラスのハーモニーも、素晴らしかった。  
まぁ、ボリュームは下げてあったが。
歌い切ると、麗奈はもう汗をかいていた。  
ペットの水を1口含んで、飲み干していた。

「カップルにとどきましたかーーーーーーーーーーー  
良い夜をーーーーーーーーーーーーーー
みなさん 改めて メリーーーーーーーーーーーーークリスマス 
【素敵なホリデー】いきまーーーーーーーーーーーーーーーす」

バンドのメンバーも身体を動かして、麗奈と共に踊りだしていた。
ドラムは迫力あるサウンドを響かせ、ベースもしっかりとリズムを刻んでいた。
葉月はノリノリで、葉月からアドリブしてきていた。
麗奈は、葉月に合わせていった。
彩香は必死に、食らいついていた。

「あははは いつも、おっとりしてる葉月ちゃんが暴走しちゃいましたーーーーーー
クリスマスだからかしらねーーーーーーーーーー 
許しちゃうーーーーーーーーーーー
【Everythinng】 きいてくださーーーーーーーーーーーい」

もう、地声だけで歌い続けていた。 
発声練習の成果か、苦しくもなく。
逆に、楽しかった。
メンバーもノッてきて、クライマックスを迎えていた。

「それでは、今年最後皆さんにお届けする この歌 雪が降ればと作ったんですけどね
ちょっと、ロマンチッチでしょーーーーーーーーー  
ホワイト・クリスマスーーーーーーーーーーーーーー
寒いの苦手なんですけどね  みなさーーーーーん  
今日は聴いてくれてありがとーーーーーーーーーーー   
最高の夜でしたーーーーーーーーーーーー 
また来年ーーーーーーーーーーー
協力してくださった、商店街の皆様ーーーーーーーーーーー
部員の皆様 お客様にかんしゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  
ありがとーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ラスト   【ホワイト・クリスマスを君と】

綺麗なシンセの音から始まり、2分くらい演奏が続いた。
ドラムは柔らかく叩き、シンセの音を引き立てていた。
ベースが入ってきて、リズムを醸し出していた。
麗奈はいきなり、レスポールからストラトに持ち替えていた。
メンバーは、ヤバいと思い始めていた。
客席にお尻を向けて、メンバー3人を見渡すと。
そのままかがみ込むようにして、ソロ演奏し始めていた。
チョーキングしたりトレモロ使ったりして、暴れ始めていた。
必死で3人はついていき、長いイントロが終わり歌に入っていた。
言うまでもないが、客に尻を向けてかがんでた麗奈のパンツは丸見えだった。

4オクターブ半のこの歌は独特であり、葉月の決まってる制作で。
最高音までゆっくり流れていき、息継ぎが1箇所しかなかった。
最高音は、2小節あった。
間奏で、水を飲むと弾きまくり。
歌いだしていた。
歌い終わると、部員を呼んで並ばせていた。

「みなさーーーーーーーーーーーーーん   
ありがとうございましたーーーーーーー
感謝しまーーーーーーーーーーーーーーーーす  
私も最高のイブになりましたーーーーーーーーー
商店街・部員一同、みなさんに感謝してまーーーーーーーーーーーーーーーーす
ありがとーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー   
ラスト、みんなで歌います 【恋人はサンタクロース】」
部員達にも歌わせて、肩を組んで歌っていた。
麗奈は、律子にギターを渡すと。
マイクを持って、客の中に飛び込んでいった。

「一緒にどうぞーーーーーーーーーーーーーー」

次々に、口にマイクを寄せられて。
麗奈と一緒に、歌っていた。

「みなさーーーーーーーーーーん 
ありがとーーーーーーーーーーーーーーーーう
メリーーーーーーーーーーーークリスマーーーーーーーーーーーーーーーーーース
サンキューーーーーーーーーーーーーーーー」

舞台の上で、13人は手を繋ぎ一例していた。
観客からは、大きな拍手が湧き上がっていて。 

「来年も楽しみにしてるからなーーー」

「来年は彼女作ってつれてくるよーーーーーーー」

「最高の演奏 ありがとーーーーーーーーー」

みんなに再び、お辞儀を何度もしてクリスマスのライブは終了した。
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