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夢のAカップへ

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鬱陶しい、梅雨の時期も毎日遅くまで練習をしていた。
まぁ、譜面を渡せば。
みんな吹部だったので、理解していた。
1年には、まだ楽譜を指でなぞっている部員もチラホラいたがこれも訓練だった。
まぁ、やる気がある人は上達も早かった。
4人の中で、本当の未経験者は麗奈とあすかだけだったので。
苦労はしていた。
葉月は、元々小3まで5年間ピアノを習っていて余裕だった。
お嬢様の葉月だったので、物心がついた頃からピアノとかに触れていた。
彩香も、兄の影響でベースには触れていて。
最初から弾けていた。
まぁ、兄と仲がよかった彩香だったからかもしれない。
あすかは、未経験者だが、リズム感は良く。
リズムも狂わず、テンポ良くダイナミックなドラムだった。 
昔からロックが好きだったのでよくDVDとか見ていたという。
1番の初心者は麗奈だった。 
それまでユーフォしかやってなかったので、弦楽器には触れたこともなかったからである。

そうそう、麗奈はこの頃身長も伸び。
嬉しいことにAAから脱出しようとしていた。
その代わり、陰毛が少し生えてきていた。 
少しではあるが、今まで無かったものが生えてくると。
ちょっと汚いとか不気味に思えてきていた、最初はゴミがついてるのかと思った。
身長も145しかなかったのに、一気に152くらいになっていた。
ちょっと、みんなとは遅い思春期が訪れていた。
帰り道に、みんなにこの頃は冷やかされていた。

「やっと、麗奈も思春期を迎えたのかしらね。でも、まだ初経は済んでないわよね。だって、脇毛も生えてないもの。」

「もう、恥ずかしいから。道で言わないでくださいよ。」

みんなにいつもからかわれていて、いつも顔を赤くしていた。

夏祭りの舞台の場所の発表があった。
当然、中央のステージは1日プロが1回演奏するのと、社会人だった。
東側は、高校生のステージだった。
ここで菊花学園も聞けるのかと、楽しみにしていた。
1番西の小さなステージは中学生だった。 
中学生は出場も少なく、2日間の祭りで両方演奏ができたのは嬉しかった。
麗奈達は、麗奈の意見である趣向を凝らすことことにした。
まぁ失敗すれば、恥をかくのだが。
それを覚悟でやることにした。
同じではつまらないので、ここは思いっきり派手にやろうと決めていた。
衣装は、ホットパンツとタンクトップだった。
ここから新たな伝説を作ろうと、4人は決心していた。
器材運搬は、商店街には頼めないので。
あすかの家が、ワンボックスを出してくれるようになった。
2日間頼むわけになるが、4人は頭を下げてお願いした。

クリスマスでもやったが、あれは通りがかりの人に聞かせただけだった。
上手くなければ・興味なければ人は他のブースに移ってしまうのは現実だった。
まぁ、メインスタジオはアンプも良く。
チューナー類も、揃っていた。
音響も、普通の野外音楽堂の様に設置されるはずだった。
街では、毎年開催されるので。 
メインブースには、大型モニターも取り付けられる。
港もあるので、色々な学校の吹部が集まって合奏もするが。
麗奈達の吹部は、除外された。
あそこが出るなら、辞退すると。
各学校からの意見だったからだった。
まぁ練習もしないで、演奏を乱されてはたまらないのは当然だった。
麗奈達も冷ややかな目で見られるのは、当たり前だった。

6月・7月と猛練習をしていた。 
7月の夏休みは1年に言って、殆ど音楽室で演奏をしていた。

「ごめんね。時間ないから、使わせてね。これを貴方達も参加出来るように努力してね。」

あすかの気遣いの一言で、1年も納得していた。
7月中旬頃には、1年のバンドも少しは聞けるようになってきていたが。
麗奈達が、2ヶ月で習得した程ではなかった。
律子も懸命に練習していて。
この頃、やっと去年の学祭の頃のレベルよりちょっと下まで達していた。 
かなり、このイベントに出れなかったのが悔しかったのだろう。
バンドのメンバーでありながら、サブメンバーとして手伝いに回されているのだから。

熱い日差しと、青い空。 
蒸し暑い空気と、蝉の声が鳴り響き。
夏休みを毎日、学校に通っていた。  
他の部員も、離れた教室で練習を始めていた。
ストラトを買ってから、数ヶ月過ぎたが。
トレモロの操作が、ぎこちなかった。
購入時にトレモロを装着してもらっていたが、未だに使いこなせてなかった。
その日は、ギターを持って家に帰り。
ひたすら、ソロとかでの練習をしていた。
その日は、朝方まで練習をして。
やっと思い通りの演奏が出来るようになったが、自分ではまだ満足はしてなかった。

麗奈は1週間ほど、そんな練習を続けていた。
ただでさえ痩せているのに、日に日に痩せてきていて。
みんな心配していた。

「麗奈。あんた大丈夫なの? どこか調子悪いんじゃないの?」

「ちょっと練習のヤリ過ぎだから、心配ないわよ。学校で夕方までと、家で12時間くらいだから、少し疲れたのかもしれないわね。」

「ちょっと、寝て無いじゃないの。今日から家では6時間以内にしなさいね。明日もそんな顔してたら、解散してみんな帰るからね。」

「わかったわよ、もう、だいぶ仕上がったから良いと思うしね。」

街をあげての祭りのイベントは8月15日と16日だった。
今日は8日で、後1週間に迫っていた。 
1年も、分担を決めていた。
今年は男子が4人いるので、それでも器材運びは楽だった。
アンプとかマイク・マイクスタンドはそのまま会場にあるのでよかった。
部に昇格して、少しの部費でイヤモニを5個買っていた。
これによって、これまで聞きにくかった音も拾える様になっていた。
大会場だと、必要だった。
イヤモニは、麗奈の為に必要だった。
また、学園祭の時の様に動かれたらモニタースピーカーでは対処できないからだった。
それよりも、大音量のスピーカーの音から聴力を守り、難聴になるのを防いでくれるのだった。
イヤモニも、注意点とかはあったのだが。
無線なので、途切れてしまう心配もあったが。 この値段のだったら、問題はなかった。


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