上 下
4 / 57

JoyfulPrettyGirls

しおりを挟む



2人は麗奈の席まで来て、吹部を辞めてきたと麗奈に言った。

「なんで辞めたの?あんなに楽しくやってたじゃないの?」

「夏休みの終わりに麗奈に言われて、練習してたんだけどね。練習すればするほど、みんなの演奏が聞くに耐えなくなってきちゃって。あれじゃ、他校の生徒からばかにされたのもわかるかなって思ったのよね。あの頃は、私達も同じレベルだったから。気が付かなかったのね。」

「じゃ、これからどうするの? 私は週1の在籍だけする文芸部ですけどね。1週間に1時間、いればいいだけだから。吹部と一緒だけど、恥かかないしね。」

「あれから、私も普通のエレキベースも練習してたのよ。あすかなんて、毎日スティック叩いててね。授業中でさえ、手と足動かしてるわよ。だから、また一緒にやらないっていうか、やってよ。麗奈のバンドに入れてよ。私達、努力すれば上手くなるってわかったから。」

「そうね。でも、私もまだまだだわよ。だって、コード覚えたり。やっとソロとかも弾けるようになったくらいだからね。初めての楽器で1ヶ月ちょっとですもの、そんなものよ。」

「1日に何時間練習してるの? 麗奈は。」

「多分、帰ってから寝るまでかな。弾きっぱなしだから、時間はわからないわよ。一応、暇な時は作曲もしてるからね。」

「知ってるわよ。麗奈がこの学校に昔軽音部あったのを見つけてたでしょ?」

「ええ、それでも。部員4人と顧問と生徒会と職員会議で可決されないと一度廃部扱いになってる部は復活できないのよね。新設よりも楽だとは思うけどね。昔の先輩は有名だったみたいだからね。」

「それなら、もう1人いるわよ。恥ずかしがって、麗奈に冷たくしてたから合わす顔ないって来なかったけどね。葉月ちゃんよ。ペットも上手いけど、幼稚園からピアノやってたから、キーボードはできるって言ってたわよ。まぁ、葉月ちゃんも辞めちゃってんだけどね。私達よりも先に辞めると思ってたんだけどね。3人で話し合って同時に退部したのよ。」

「あんた達、後先考えないで行動するわよね。葉月ちゃんもこれからプロになるのかなって期待してたのに。もう、なに考えてるのかしらね。でも、4人集まったからって部にはならないしね。同好会ですよね。活動を見て部に昇格するし。顧問も見つけないと、それからね。」

「顧問なら大丈夫よ、美羽先生に頼んだから。」

「顧問まで、もう揃えたの?  あの雪先生をどうやって、お願いしたの?」

「まぁ、帰宅途中に待ち伏せしてね。相談があると、私がファミレスで相談してる間に、あすかが先生のバッグから財布盗んでね。代金は私が払ったのね。勿論、財布は先生の机の中にそのまま入れておいたわよ。」

「本当に、悪い事するのね。」

「生徒におごられた教師なんて、言い訳できないでしょ? 言わないからって顧問引受させたのね。生徒会はともかく、職員会議は。雪先生人望あるし大丈夫よ。」

2週に渡り、開かれた生徒会の会議では昔の実績とかも考慮し、後は職員会議に委ねていた。
その間にも、4人は個人で練習をしていた。  
麗奈と葉月が作曲と編曲をして、作詞は、あすかと彩香に任せていた。
あすかの詩はメチャクチャだったが、彩香は兄の影響もあり。
曲に合わせて綺麗な詩を書いていたが、それは彩香の兄が手伝っていた。
後の3人は多分お金持ちだった、彩香は兄に買ってもらったとリッケンバッカーのベースだった。 
彩香は、気が付くと左利きだった。

職員会議も終わり。
11月の学園祭で良いステージができたら、同好会として認める事となった。
麗奈達は、演奏ばかり気にしてボーカルを忘れていた。
ドラムのあすかは無理として、後の3人で歌を1人ずつ歌っていた。
葉月は綺麗な声であり、うっとりしてしまっていた。
彩香は少し物足りない大人しい歌声だったが、ノッてくれば声も出るだろうと思った。
麗奈は他は中の上でも、音楽は1番の成績だったので、それなりに歌えた。

「ねえ、麗奈。もっと、声でるでしょ? 麗奈って何オクターブ出るの?」

「そうね 4くらいでるわよ。ファルセット合わせるともっとかも・・・・・」

「声量もあるんだから、しっかり歌えば間違いなくメインボーカルよ。コーラスは葉月と私でなんとかやるしね。あすかも慣れてきてるから、歌いたくなったら、ハモるといいわよ。」

「そうね、メインは麗奈に任せて。頑張ってもらいましょうね。後は学祭までに完璧に音を合わせましょうね。週一の吹部の練習以外は音楽室が空いてるからそこで許可取って練習しましょう。」

「じゃ、私もドラムセット持ってくるね。家では電子ドラムで練習するから1回運べばいいだけだしね。」

おいおい、どんだけお金持ちなんだよ。 
学校には4個アンプがあったので、問題なかった。
翌週の月曜日、放課後になると集まり。
あすかの家に、みんなで行った。 
まるで、麗奈のマンションと比べるとお屋敷だった。
玄関まで運ばれてきた荷物を、2往復してみんなで運んでいた。
まぁ、それでも。
あすかが、コツコツと小さな物は学校に運んでいたのだったが。
いよいよ、音を出してのスタートだった。
アンプの音は、小さめにして。
ボロンと鳴らし、麗奈は感激していた。

彩香のリッケンバッカーは弾きにくいので有名であったが、弾き込んでいるのか慣れていた。
このベースは、弾きにくいが。音は凄くよかった。
いつも物静かな音楽室から音が流れると、次第に噂になってきていた。
吹部の先輩や同級生も来て文句を言っていたが、使用許可は軽音がとってあるので文句は言えなくなっていた。

バンド名は、みんなで検討して【Joiful Prittygirls】と決定した。
訳せば、楽しげな可愛い少女達と言う意味だった。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

憧れの先輩とイケナイ状況に!?

暗黒神ゼブラ
恋愛
今日私は憧れの先輩とご飯を食べに行くことになっちゃった!?

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

処理中です...