PrettyGirls(可愛い少女達)ーレディースバンドの物語ー【学生時代とセミプロ時代】

本庄 太鳳

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軽音始めませんか

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電車に乗っていると、あすかと彩香に両側に座られていた。

「ねえ、麗奈。勝手に部活辞めて、今度は校則違反のバイトしてるの?」

「勝手に辞めたのは、謝りますよ。2人には迷惑かけました。ごめんなさい。」

「麗奈がいれば、私達こんな恥をかかなかったのよ。他校の生徒に、もう出場するなとも言われたのよ。」

「あ それは、私がいても一緒でしたよ。私も前の先生から説教されましたのでね。フェスティバルの日に。あれは演奏じゃないですもの。チューニングもバラバラ・音もリズムも綺麗な音出してたのは、葉月くらいだったからね。合奏ではなかったですね。」

「だから、自分だけ抜けたの?それって裏切りでしょ?」

「2人共、始めたばかりで楽しそうにやってたので、辞める事は勧めなかったですよ。それに、演奏も聞いてましたけど。他校の生徒さんはどれだけ練習したかわかってますか?」

「私達は初心者だし、私達と変わらないんじゃないのかしらね?」

「普通は、放課後2~3時間毎日練習しますよ。合宿する学校もありますからね。学校以外でも、家で3~5時間は練習してますよ。練習量の違いと指導者がいないことですね。」

「それなら、私達が3年の時はできるんじゃないの。麗奈。」

「顧問が変わらない限り、現状は変わらないと思いますよ。今の状態で良いと思ってる他の1年もいますしね。だから辞めたんです。」

「それで、麗奈はこれからどうするんだ?」

「まぁ、気軽な週1の部活でもやってますよ。やりたいこと見つけたのでね。」

「そうなんだ、麗奈にもやりたいこと見つかったんだな。よかったな。でも、なんでバイトしてるんだ?」

「その、やりたいことの為ですよ。貯金が15万くらいあるので、夏休みにずっとバイトしてて、今30万ちょっとになりましたけどね。」

「なんか、面白そうだな。言いたくなきゃいいけど、なにやるんだ?」

「吹奏楽って、大勢でしょ? もっと少人数ならまとまるかなって、バンドでもやろうかと思って。まぁ、実際やれるのは高校からですけどね。それでギターを買おうとしてたのよ。」

「そんなに高いのか? ギターって。」

「1万くらいからあるけど、それって音が悪くて初心者用なのでね。殆ど5万くらいからです。でも、楽器店で。これだって思ったギターが25万だったので、バイトしたのよ。」

「ああ、そうね。私も時々お兄ちゃんのベース弾いてるけど、あっちもいいわよね。」

「バンドって、ベースとギターとドラムがあればできちゃうからね。簡単なのよね。今度は親に頼んで、軽音のある高校を受験しようかなってね。」

「もう、そこまで計画してるんだね。まぁ、週1じゃ中々上手くならないしなぁ~」

「そこは、あすかが努力してないからでしょ?パーカッションなんてメトロとスティックあれば家でも出来るからね。彩香はやってるの?」

「最初の頃だけかな。麗奈辞めてからは殆ど部活だけだしね。」

「2人とも、頑張ってね。私のスタートは高校からかしらね。」

3人で久しぶりに会話をして、その日は帰宅していた。
2人との距離が縮まった気がして、湯船の中で鼻歌を歌っていた。
1日 時給750円のバイトを、11時間やって1日8250円。
40日で33万以上になっていた。
まぁ、交代制だったので、週4のマックと週3のモスをやっていた。
コンビニもFamimaとセブンの掛け持ちだった。
土日は給料が少し高かったので、35万以上になっていた。

始業式が終わると、授業は午前中なので。 そのまま楽器店に向かっていた。
新品のギターが飾られており、すぐに店員に話して買い求めた。
ハードケースが付いていたので、ソフトも購入した。
ストラップとピックと替えの弦も3セット・メンテ用の部品も買った。
ギタースタンドも買って、荷物はいっぱいになっていた。
チューナーをも勧められたが、その場で自分でチューニングして音を確かめてもらった。
麗奈は、絶対音感だったので。
チューナーは、今は必要ないと思っていた。
まぁ、それでも一応チューナーを買って。
店を後にしていた。
貯金は22万になっていた。

教本とかは、予め揃えてあったので。
家に帰りひたすらギターを弾いていた。
まぁ、アンプに繋がらなければ音も出ないので迷惑ではなかった。
それがエレキを選んだ理由でもあった。
女子の多い吹部では、秀一はモテていた。
吹部も帰宅部と、今は変わりなく。
時々帰り道で秀一と出会って、そのままマンションに帰った。
まぁ、普通に見ても高身長で普通体型の秀一はモテていたが。
麗奈にとっては、ただの幼馴染でしかなかった。
そんな2人が話しながら帰るのは、他の秀一を思っている女生徒には面白くなかった。

女子の指など小さく、細く・柔らかかったが。
麗奈は、指は長く・左手の指はいつもマメができていた。
ユーフォでは大体が右手操作で4番だけ左手だったが、今は左手の指はいつも皮が剥けていた。
そんな麗奈を同級生達は、陰口をたたいていた。

「あいつ秀一と一緒の部屋に入って、いいことしてるみたいよ。」

「麗奈の左手見た? オナニーのやりすぎで皮剥けてるわよ。それとも変態プレイかしらね。」

「あんな胸ないのに、よく秀一も相手にするわよね。男と間違えてるのかしら?」

「もしかして、まだ毛も生えてないかもよ。」

まぁ、実際発育が遅い麗奈は毛も生えてなかった。
そう言えば、楽器室にホコリを被ったアンプがあるのを思い出していた。
図書室で、学校の歴史を見るとかなり前にはこの中学で軽音部があった。
しかし復活には4人以上の部員と、顧問。
生徒会と職員会議で決定されると、生徒手帳に記されていた。
9月も下旬、麗奈もやっと少しは弾ける様になってきて。
コードだけでなく、ある程度のソロとかも弾ける様になっていた。
ギターだと、作曲とかもできて楽しかった。 
まだまだだったが、色々と曲を作っていた。

10月初旬のある日、あすかと彩香がクラスに来た。


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