3 / 57
軽音始めませんか
しおりを挟む電車に乗っていると、あすかと彩香に両側に座られていた。
「ねえ、麗奈。勝手に部活辞めて、今度は校則違反のバイトしてるの?」
「勝手に辞めたのは、謝りますよ。2人には迷惑かけました。ごめんなさい。」
「麗奈がいれば、私達こんな恥をかかなかったのよ。他校の生徒に、もう出場するなとも言われたのよ。」
「あ それは、私がいても一緒でしたよ。私も前の先生から説教されましたのでね。フェスティバルの日に。あれは演奏じゃないですもの。チューニングもバラバラ・音もリズムも綺麗な音出してたのは、葉月くらいだったからね。合奏ではなかったですね。」
「だから、自分だけ抜けたの?それって裏切りでしょ?」
「2人共、始めたばかりで楽しそうにやってたので、辞める事は勧めなかったですよ。それに、演奏も聞いてましたけど。他校の生徒さんはどれだけ練習したかわかってますか?」
「私達は初心者だし、私達と変わらないんじゃないのかしらね?」
「普通は、放課後2~3時間毎日練習しますよ。合宿する学校もありますからね。学校以外でも、家で3~5時間は練習してますよ。練習量の違いと指導者がいないことですね。」
「それなら、私達が3年の時はできるんじゃないの。麗奈。」
「顧問が変わらない限り、現状は変わらないと思いますよ。今の状態で良いと思ってる他の1年もいますしね。だから辞めたんです。」
「それで、麗奈はこれからどうするんだ?」
「まぁ、気軽な週1の部活でもやってますよ。やりたいこと見つけたのでね。」
「そうなんだ、麗奈にもやりたいこと見つかったんだな。よかったな。でも、なんでバイトしてるんだ?」
「その、やりたいことの為ですよ。貯金が15万くらいあるので、夏休みにずっとバイトしてて、今30万ちょっとになりましたけどね。」
「なんか、面白そうだな。言いたくなきゃいいけど、なにやるんだ?」
「吹奏楽って、大勢でしょ? もっと少人数ならまとまるかなって、バンドでもやろうかと思って。まぁ、実際やれるのは高校からですけどね。それでギターを買おうとしてたのよ。」
「そんなに高いのか? ギターって。」
「1万くらいからあるけど、それって音が悪くて初心者用なのでね。殆ど5万くらいからです。でも、楽器店で。これだって思ったギターが25万だったので、バイトしたのよ。」
「ああ、そうね。私も時々お兄ちゃんのベース弾いてるけど、あっちもいいわよね。」
「バンドって、ベースとギターとドラムがあればできちゃうからね。簡単なのよね。今度は親に頼んで、軽音のある高校を受験しようかなってね。」
「もう、そこまで計画してるんだね。まぁ、週1じゃ中々上手くならないしなぁ~」
「そこは、あすかが努力してないからでしょ?パーカッションなんてメトロとスティックあれば家でも出来るからね。彩香はやってるの?」
「最初の頃だけかな。麗奈辞めてからは殆ど部活だけだしね。」
「2人とも、頑張ってね。私のスタートは高校からかしらね。」
3人で久しぶりに会話をして、その日は帰宅していた。
2人との距離が縮まった気がして、湯船の中で鼻歌を歌っていた。
1日 時給750円のバイトを、11時間やって1日8250円。
40日で33万以上になっていた。
まぁ、交代制だったので、週4のマックと週3のモスをやっていた。
コンビニもFamimaとセブンの掛け持ちだった。
土日は給料が少し高かったので、35万以上になっていた。
始業式が終わると、授業は午前中なので。 そのまま楽器店に向かっていた。
新品のギターが飾られており、すぐに店員に話して買い求めた。
ハードケースが付いていたので、ソフトも購入した。
ストラップとピックと替えの弦も3セット・メンテ用の部品も買った。
ギタースタンドも買って、荷物はいっぱいになっていた。
チューナーをも勧められたが、その場で自分でチューニングして音を確かめてもらった。
麗奈は、絶対音感だったので。
チューナーは、今は必要ないと思っていた。
まぁ、それでも一応チューナーを買って。
店を後にしていた。
貯金は22万になっていた。
教本とかは、予め揃えてあったので。
家に帰りひたすらギターを弾いていた。
まぁ、アンプに繋がらなければ音も出ないので迷惑ではなかった。
それがエレキを選んだ理由でもあった。
女子の多い吹部では、秀一はモテていた。
吹部も帰宅部と、今は変わりなく。
時々帰り道で秀一と出会って、そのままマンションに帰った。
まぁ、普通に見ても高身長で普通体型の秀一はモテていたが。
麗奈にとっては、ただの幼馴染でしかなかった。
そんな2人が話しながら帰るのは、他の秀一を思っている女生徒には面白くなかった。
女子の指など小さく、細く・柔らかかったが。
麗奈は、指は長く・左手の指はいつもマメができていた。
ユーフォでは大体が右手操作で4番だけ左手だったが、今は左手の指はいつも皮が剥けていた。
そんな麗奈を同級生達は、陰口をたたいていた。
「あいつ秀一と一緒の部屋に入って、いいことしてるみたいよ。」
「麗奈の左手見た? オナニーのやりすぎで皮剥けてるわよ。それとも変態プレイかしらね。」
「あんな胸ないのに、よく秀一も相手にするわよね。男と間違えてるのかしら?」
「もしかして、まだ毛も生えてないかもよ。」
まぁ、実際発育が遅い麗奈は毛も生えてなかった。
そう言えば、楽器室にホコリを被ったアンプがあるのを思い出していた。
図書室で、学校の歴史を見るとかなり前にはこの中学で軽音部があった。
しかし復活には4人以上の部員と、顧問。
生徒会と職員会議で決定されると、生徒手帳に記されていた。
9月も下旬、麗奈もやっと少しは弾ける様になってきて。
コードだけでなく、ある程度のソロとかも弾ける様になっていた。
ギターだと、作曲とかもできて楽しかった。
まだまだだったが、色々と曲を作っていた。
10月初旬のある日、あすかと彩香がクラスに来た。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。


セレナの居場所 ~下賜された側妃~
緑谷めい
恋愛
後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる