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9.過去の清算
何年振りかと思いまして
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ハンカチで思いっきり鼻をかんでやったタイミングで、エディ王子がやってきた。
「え?ご飯……それ選んだの?」
「まずかったか?」
「そういうわけじゃないけど……」
「そうか」
そう言うと、エディ王子は私の真横に座った。
その瞬間、醤油スープにいい匂いがした。
「エディ王子さ……ラーメン食べたことあるの?」
「ラーメンと言うのか」
そう言いながら、エディ王子はフォークをどんぶりに突っ込んだ。
「知らないで頼んだの?」
「……というか……俺、全部何が書いてあるからわからないから」
「あー……」
エディ王子がご飯を手にするまで、一緒にいてやればよかったかと軽く後悔した。
「それで、適当に選んだと?」
「勧められたんだ」
そう、エディ王子が言った時だった。
「ここ……いいかな……」
仮にもホープスターの長やってる王こと我が弟が、ものすっごい気まずそうな顔をしてやってきた。
王妃も、エディ王子も何も言わず、私の方を見た。
(そういうところだけ以心伝心してんじゃねえよ、似たもの親子が!)
と毒づきたくもなったが、鼻水でべちゃったハンカチが目に入り、より居心地悪くなったので
「……座ればいいじゃん。あんた王なんだから。仮にも」
と、顔を見ずに私は言った。
「……うん!」
見た目は威厳あるおっさんなのに、返事の声が小学生の時のようで、より胸が苦しくなった。
それからは無言でエディ王子がラーメンを食べるのを3人で観察していた訳だが……。
(ここは、ラーメンの食べ方を伝授すべきだろうか……?)
赤ジャージに汁が飛び散らないように気を付けてくれているのか。
それとも元からの気質故なのか。
フォークで麺を1本ずつ丁寧に掬って食べるという、非常に効率の悪い食べ方をしているからか、ほとんど減ってないのだ。
私はすでにぺろりと食べ終わっていて、手持ち無沙汰。
暗黙の了解で、エディ王子が食べ終わってから話をしようという空気になっていたのだが、このままだと1度朝が来て、また日が暮れてしまう。
(どうするかなぁ……)
私がそんなことを思っていると、エディ王子がフォークを置いた。
「どうしたの?」
王妃が、心配そうに声をかける。
するとエディ王子が、深いため息をついてから、こう言った。
「母上とこうしてご飯を食べたのは何年振りかと思いまして」
その声には涙が滲んでいた。
王妃は、それを聞いた瞬間、両手で顔を覆って泣き出してしまった。
「え?ご飯……それ選んだの?」
「まずかったか?」
「そういうわけじゃないけど……」
「そうか」
そう言うと、エディ王子は私の真横に座った。
その瞬間、醤油スープにいい匂いがした。
「エディ王子さ……ラーメン食べたことあるの?」
「ラーメンと言うのか」
そう言いながら、エディ王子はフォークをどんぶりに突っ込んだ。
「知らないで頼んだの?」
「……というか……俺、全部何が書いてあるからわからないから」
「あー……」
エディ王子がご飯を手にするまで、一緒にいてやればよかったかと軽く後悔した。
「それで、適当に選んだと?」
「勧められたんだ」
そう、エディ王子が言った時だった。
「ここ……いいかな……」
仮にもホープスターの長やってる王こと我が弟が、ものすっごい気まずそうな顔をしてやってきた。
王妃も、エディ王子も何も言わず、私の方を見た。
(そういうところだけ以心伝心してんじゃねえよ、似たもの親子が!)
と毒づきたくもなったが、鼻水でべちゃったハンカチが目に入り、より居心地悪くなったので
「……座ればいいじゃん。あんた王なんだから。仮にも」
と、顔を見ずに私は言った。
「……うん!」
見た目は威厳あるおっさんなのに、返事の声が小学生の時のようで、より胸が苦しくなった。
それからは無言でエディ王子がラーメンを食べるのを3人で観察していた訳だが……。
(ここは、ラーメンの食べ方を伝授すべきだろうか……?)
赤ジャージに汁が飛び散らないように気を付けてくれているのか。
それとも元からの気質故なのか。
フォークで麺を1本ずつ丁寧に掬って食べるという、非常に効率の悪い食べ方をしているからか、ほとんど減ってないのだ。
私はすでにぺろりと食べ終わっていて、手持ち無沙汰。
暗黙の了解で、エディ王子が食べ終わってから話をしようという空気になっていたのだが、このままだと1度朝が来て、また日が暮れてしまう。
(どうするかなぁ……)
私がそんなことを思っていると、エディ王子がフォークを置いた。
「どうしたの?」
王妃が、心配そうに声をかける。
するとエディ王子が、深いため息をついてから、こう言った。
「母上とこうしてご飯を食べたのは何年振りかと思いまして」
その声には涙が滲んでいた。
王妃は、それを聞いた瞬間、両手で顔を覆って泣き出してしまった。
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