【R18】処女だったのに、異世界転生したら俺様王子の伽の相手として調教されていました

9.過去の清算

お前は、どこまで知っている？

その頃、アルフィーはプルメリアの姿をしたカサブランカと共に、ある場所に向かっていた。

「先ほどの話は、本当なのか？」

アルフィーがいう先ほどの話というのは、カサブランカが話した計画のこと。

「わざわざ、知の魔人様に嘘を伝えて、私に何の得がありますの？」
「…………じゃあ、やはり本当だと言うのか？お前の中身が、時間と空間を司る魔人だというのは」
「何か、証拠でもお見せしましょうか？」

カサブランカはそう言うと、アルフィーが入っているアザレアの頭に手を置いた。

「知ってまして？頭蓋骨と脳の間にはわずかな空間がありますのよ」
「…………だが、脳は液体で包まれている。完全な隙間というわけではないだろう」
「あら、液体であれば問題ないんですのよ。知りませんでした？知の魔人ですのに？」

人を挑発するような言い回しは、アルフィーをイライラさせる。

「ステラは、そんな言い方はしないぞ」
「ステラ……」

最初カサブランカは考え込んだ様子を見せたが、すぐにニヤリと気持ち悪い笑みを浮かべた。

「ああ。一応、昔の時間と空間の魔人…………」
「一応……？」
「ええ。自分の魔の本当の力を使いこなせず、肉体ごと滅んだ……哀れな女ですのよ」
「どう言う意味だ？」

アルフィーは、カサブランカが自分たちの時代の事を知っているという確信を、その語り口で得た。

「お前は、どこまで知っている？」
「そうですわね……」

カサブランカがそう言った時、2人はある扉の前までたどり着いた。
重々しく、とても人1人の力では動かせそうにない、大きな扉。
そしてその扉があるのは……朽ち果てた教会だった。
カサブランカは、扉に手を当てながらこう言った。

「きっと、誰よりもこの世界のことを知っているんじゃないかしら。だって……」

カサブランカがそっと扉を押すと、その扉が勝手に開き始めた。
開いた扉の隙間から入ってくる光が、アルフィーの視界を奪い、カサブランカの不気味な声だけが届いた。

「私という存在は、ステラという女が間抜けだったせいで、神によって創られたのですから」