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8.神から与えられたのは、罰と……
ちゃんと教えてくれませんか?
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「じゃあ、どこから話そうか」
ノアさんは、そう言うといつの間に取ってきたのか、魚を棒に串刺しにしながら、エディ王子が出した火で焼き始めた。
それも、自分の分だけ。
(うわっ……マイペースに自分のことしかやらないところも、あの上司そっくり……てか、本人だからしょうがないのか……)
「どうしたんだい?ランカくん。まるで警戒している野生動物みたいだ」
「…………さあ、どうしてでしょうね」
(絶対わかってるからこその話の振り方、まじでいや……!)
「じゃあ早速本題に入ろうか」
「はい、もうその通り本題に入っていただきたく」
ノアさんは、クスクスと笑ったかと思うと、あっという間に真顔に変わった。
「君たちは……どこまでこの国のことを知ったのかな……?」
君たち、と言う言葉で、エディ王子に対しても聞いていることは分かった。
「お前がこれまでに俺にしてきたことは、何か意味があることだったのか?」
エディ王子が、ノアさんをものすっごい顔で睨みつけている。
「あるといえばありますし、ないといえばないですね」
「どういう意味だ……!」
「それは、おいおいご説明して差し上げましょうかね。まあ……少し考えれば、頭がちゃんと人間レベルに良い方であれば、自ずと気づくはずだとは、思いますけど……ね」
「くっ……」
「王子、惑わされないでください」
私は、つい助け舟を出してしまった。
「そこの鬼畜が言う人間のレベルは、人間を遥かに超えているので」
私の言葉に、ノアさんは腹を抱えて笑い出した。
それがさらに私をムカつかせた。
「本当に……ランカくんは僕をいちいち楽しませてくれる。もっと楽しませておくれよ」
「死んでも嫌です」
(もう死んでますけど)
「ランカ……俺……お前がいてくれてよかったよ……」
「エディ王子……」
(知ってます。その言葉にときめいてはいけないことはな)
その言葉の意味は、カサブランカへの愛情ではなく、この男の嫌がらせを受け続けてきた同士がいた……ということだろう。
(それはそれでやっぱり複雑だ……)
中身は違うとはいえ、セックスを先ほどまでしていた男と同士扱いされる。
これはなかなかに、辛い。
例え恋愛感情がなかったとしても。
例え、自分の元の体じゃなかったとしても。
(これ、もし好きな人で自分の体でこれやられてたらどうなってたんだろう……)
そんな、今の流れではきっとどうでもいいことが頭によぎってしまったので、私は雑念を振り払うために頭を思いっきりぶんぶん振った。
それから、ノアさんに尋ねた。
嫌々ながらも。
「嫌がらせは後でいくらでもしていいので」
「ほう」
「嘘ですしないでください。それより……ちゃんと教えてくれませんか?」
カサブランカと共鳴できる魂を探した理由。
それをカサブランカとしていた理由。
そして、その魂が私だった理由。
「神を滅ぼすための武器になっていただくためですよ、あなたに」
「…………なんですと?」
今までの前振りが全部吹っ飛ぶかのような、最大級の爆弾をぶん殴られた。
ノアさんは、そう言うといつの間に取ってきたのか、魚を棒に串刺しにしながら、エディ王子が出した火で焼き始めた。
それも、自分の分だけ。
(うわっ……マイペースに自分のことしかやらないところも、あの上司そっくり……てか、本人だからしょうがないのか……)
「どうしたんだい?ランカくん。まるで警戒している野生動物みたいだ」
「…………さあ、どうしてでしょうね」
(絶対わかってるからこその話の振り方、まじでいや……!)
「じゃあ早速本題に入ろうか」
「はい、もうその通り本題に入っていただきたく」
ノアさんは、クスクスと笑ったかと思うと、あっという間に真顔に変わった。
「君たちは……どこまでこの国のことを知ったのかな……?」
君たち、と言う言葉で、エディ王子に対しても聞いていることは分かった。
「お前がこれまでに俺にしてきたことは、何か意味があることだったのか?」
エディ王子が、ノアさんをものすっごい顔で睨みつけている。
「あるといえばありますし、ないといえばないですね」
「どういう意味だ……!」
「それは、おいおいご説明して差し上げましょうかね。まあ……少し考えれば、頭がちゃんと人間レベルに良い方であれば、自ずと気づくはずだとは、思いますけど……ね」
「くっ……」
「王子、惑わされないでください」
私は、つい助け舟を出してしまった。
「そこの鬼畜が言う人間のレベルは、人間を遥かに超えているので」
私の言葉に、ノアさんは腹を抱えて笑い出した。
それがさらに私をムカつかせた。
「本当に……ランカくんは僕をいちいち楽しませてくれる。もっと楽しませておくれよ」
「死んでも嫌です」
(もう死んでますけど)
「ランカ……俺……お前がいてくれてよかったよ……」
「エディ王子……」
(知ってます。その言葉にときめいてはいけないことはな)
その言葉の意味は、カサブランカへの愛情ではなく、この男の嫌がらせを受け続けてきた同士がいた……ということだろう。
(それはそれでやっぱり複雑だ……)
中身は違うとはいえ、セックスを先ほどまでしていた男と同士扱いされる。
これはなかなかに、辛い。
例え恋愛感情がなかったとしても。
例え、自分の元の体じゃなかったとしても。
(これ、もし好きな人で自分の体でこれやられてたらどうなってたんだろう……)
そんな、今の流れではきっとどうでもいいことが頭によぎってしまったので、私は雑念を振り払うために頭を思いっきりぶんぶん振った。
それから、ノアさんに尋ねた。
嫌々ながらも。
「嫌がらせは後でいくらでもしていいので」
「ほう」
「嘘ですしないでください。それより……ちゃんと教えてくれませんか?」
カサブランカと共鳴できる魂を探した理由。
それをカサブランカとしていた理由。
そして、その魂が私だった理由。
「神を滅ぼすための武器になっていただくためですよ、あなたに」
「…………なんですと?」
今までの前振りが全部吹っ飛ぶかのような、最大級の爆弾をぶん殴られた。
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