【R18】処女だったのに、異世界転生したら俺様王子の伽の相手として調教されていました

桜葉詩織

文字の大きさ
上 下
382 / 455
8.神から与えられたのは、罰と……

たった一言だけど、私は気づいた

しおりを挟む
そういえば、ここに来た当初も、ノアに伽を見られていた……。
その時は、儀式として他にも大勢の人間がいたが。
今は、その時とは状況は似ているようで全然違う。
言ってしまえば、さっきのセックスは私主導だ。
緊急事態だったとはいえ、こちらとしても清水の舞台を飛び降りるような心境だと言っても過言ではないわけで。

(一体、どこから見ていたのだろう?)

もし、私が戸惑っている様子をひっくるめて全部を見ているとしたら。
エディ王子とアルフィーに賛同するわけではないが、それでも相当な性格だ……。

「ど、どうしたランカ?顔色が悪いぞ」
「いや……あの……」

(こんなん、顔色が悪くなっても仕方がないじゃん)

とか思っていると

「へえ……ランカ……」

すかさず、ノアが口を挟んできた。
どうも、王子が、私を呼ぶ名前に変化がある事に気づいたらしい。

「不思議ですね。王子。あなたはカサブランカ様のことをカシーと、呼んでいたではありませんか」
「……お前も、俺の真似をしてそう呼んでいたな」
「僕は、王子よりもずっと、カシー様と親しくしていますから、当然ですよね」
「てめえ……」
「待って王子!」

私はこの言葉を、聞き逃さなかった。
王子の、今にもノアに殴りかかりそうな腕を掴んでから、じっと私はノアを見た。
ノアは、ふっと息だけで微笑みながら

「どうやら、今のカサブランカ様はランカ様と、別の名前で呼んでいるみたいだけど……」
「私の正体をエディ王子に話しただけ……だけど」
「ほう」

ノアは、目を丸くした。
本当に驚いているのだろうか。
それとも、わざとそう見せているのだろうか。

(人体を司ると言うことは、自分の体をも操れるはず……)

大体、人の感情は体の反応で推測できることも多い。
エディ王子はまさに、それが分かりやすいタイプ。
汗や皮膚の色などでも、言葉以上に彼の本心馬鹿正直に伝えてくる。
でも、ノアは違う。
彼はそれすらもコントロールできる。
だから、ノアの出す体の信号は、ちっとも当てにならない……。

「そうですか。……それで、そこの愚弟はよく落ち着いていられますね。あなたにカサブランカだと騙されたと言うのに」
「それは」

違う、と私が言いかけたら

「違う!」

と、エディ王子が叫んだ。

「ランカは、別に俺を騙そうとしたわけじゃない……!」
「エディ……王子……?」
「確かに最初は、カシーじゃないって知ってショックだった。でも……ランカは……俺とカシーを…………心配してくれて……」
「……………王子…………」

(今までのあれやこれやを全部、心配、という言葉で片付けるのは、さすがにいかがなものかと思いますが……)

そんなことを、この数時間で起きた出来事を思い出しながら、私は首を横にぶんぶん振った。

そう。こんなことで感動などしている場合じゃない。

「ノア。聞きたいことがあるんだけど」
「なんでしょう……ランカ様と、今はお呼びすればよいのでしょうか?」
「んーもうどっちでもいい!今さっき、あなた私たちに何て言ったか覚えてる?」
「さて、何のことでしょう……?」

(とぼけようとしても無駄……!)

「こう言ったのよ。カシー様と親しくしている、と現在系で。本物のカサブランカは、私がこの体に入ってからどこかへ行った、私に見つけ出して欲しいとあなた自身言っていたけど……本当は、違うんじゃない?」
「どう言う意味だ、ランカ」

エディ王子の声色に焦りが混じる。
ノアの表情は、ただニコニコと微笑んでるだけ。

「もしかしてあなた……カサブランカの心の居場所……知ってるんじゃない?」
しおりを挟む
感想 73

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~

恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん) は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。 しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!? (もしかして、私、転生してる!!?) そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!! そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

Hしてレベルアップ ~可愛い女の子とHして強くなれるなんて、この世は最高じゃないか~

トモ治太郎
ファンタジー
孤児院で育った少年ユキャール、この孤児院では15歳になると1人立ちしなければいけない。 旅立ちの朝に初めて夢精したユキャール。それが原因なのか『異性性交』と言うスキルを得る。『相手に精子を与えることでより多くの経験値を得る。』女性経験のないユキャールはまだこのスキルのすごさを知らなかった。 この日の為に準備してきたユキャール。しかし旅立つ直前、一緒に育った少女スピカが一緒にいくと言い出す。本来ならおいしい場面だが、スピカは何も準備していないので俺の負担は最初から2倍増だ。 こんな感じで2人で旅立ち、共に戦い、時にはHして強くなっていくお話しです。

アイドルグループの裏の顔 新人アイドルの洗礼

甲乙夫
恋愛
清純な新人アイドルが、先輩アイドルから、強引に性的な責めを受ける話です。

性転のへきれき

廣瀬純一
ファンタジー
高校生の男女の入れ替わり

処理中です...