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8.神から与えられたのは、罰と……
どうして……あなたがここに……
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(ちょっ……ちょっと待って……)
私は、瞬時に思い出した。
アザレアの脳に入り込んだ時に見たビジョンを。
カサブランカがアザレアに
「これをエディ王子に飲ませてほしい」
と水差しを渡したこと。
アザレアの記憶から、その水差しは猛毒だと認識されているもの。
結局そのビジョンを見た後で、アルフィーの記憶のビジョンへと移ってしまったので、それ以上の情報は掴めていなかった。
(そうだよ、私なんで忘れてた……?)
人間というのは、次から次へと情報が流れてくると、大したものじゃないと判断したもの以外は流されて消えてしまうものだ。
その後のアルフィーのビジョンのこと、プルメリアやノアへの疑いなどなど、怒涛のごとく色々なものが私の中に押し寄せてきた。
だから、エディ王子に言われる今の今まで、すっかりと忘れていた。
「ね、ねえ……それってどういうこと?」
私が恐る恐る聞くと
「耳元で、こう言われたんだ」
「なんて……?」
「あなたの命で、私たちの呪いを解かせてもらう……と……」
(随分と直接的な言葉を使ったな……)
「その時、王子はなんて答えたの?」
「わからない……」
「わからない?」
王子は、両手で自身の頭を抱えながら
「その言葉を聞いた後の記憶はないんだ……」
「じゃあ、その後1番最初の記憶は……」
エディ王子は、じっと私を見た。
「……カシー……じゃない……な……その時からは、もうランカだったんだもんな……」
つまり、私がエディ王子が繋がれていた部屋に入るまでは王子も気を失っていたのか。
「ランカ……お前は、どう思う?」
「どう思うって……」
「カシーは本当に、俺を殺すと思うか?」
「え?」
「あの耳元で聞こえた声は、確かにカシーの声だった。喋り方も、ランカのように雑ではないし」
「…………」
(さりげなく、私はディスられたんだろうか?)
「正直言えば、俺にカシーがあんなことを言うなんて、信じたくなかった。だから、夢だと思いたかったんだろうな……」
「だけど、私の仮説から出てくる答えはきっと……」
「ああ……ランカじゃないなら……カシー、だったのかもしれないな」
(こう言う時、なんて言えば……)
私は、好きになった人から
「自分のために死んでくれ」
という発言をされたこともなかったから。
(ん……?)
ちょっと待て。
「エディ王子。1個確認なんですけど」
「ああ」
「エディ王子の命を使って呪いを解かせてもらう……という言葉が本当の言葉ですか?」
「どういうことだ」
「もしかして、本当は違う言葉を使われてたとかないですか?」
「そんなこと、気にする必要あるのか?」
「だって……」
命を使うと、死という言葉は直接はつながらない。
もちろん、婉曲表現として死を意味づける可能性も0ではない言葉だし、アザレアの記憶を持つ私は特に死をイメージしてもおかしくはない。
だけど、言葉の裏には複数の意味が存在する。
そして解釈もまた、人それぞれ。
だからこそ、エディ王子の言葉が本当に正しいのか、と、その解釈が正しいのかはしっかり見極めなくてはいけない。
そう、思った時だった。
岸の方から、パチパチと拍手の音が聞こえた。
「誰!?」
音がした方を見て、私は驚いた。
想定していない人間が、そこにいたから。
「どうして……あなたがここに……ノア」
私は、瞬時に思い出した。
アザレアの脳に入り込んだ時に見たビジョンを。
カサブランカがアザレアに
「これをエディ王子に飲ませてほしい」
と水差しを渡したこと。
アザレアの記憶から、その水差しは猛毒だと認識されているもの。
結局そのビジョンを見た後で、アルフィーの記憶のビジョンへと移ってしまったので、それ以上の情報は掴めていなかった。
(そうだよ、私なんで忘れてた……?)
人間というのは、次から次へと情報が流れてくると、大したものじゃないと判断したもの以外は流されて消えてしまうものだ。
その後のアルフィーのビジョンのこと、プルメリアやノアへの疑いなどなど、怒涛のごとく色々なものが私の中に押し寄せてきた。
だから、エディ王子に言われる今の今まで、すっかりと忘れていた。
「ね、ねえ……それってどういうこと?」
私が恐る恐る聞くと
「耳元で、こう言われたんだ」
「なんて……?」
「あなたの命で、私たちの呪いを解かせてもらう……と……」
(随分と直接的な言葉を使ったな……)
「その時、王子はなんて答えたの?」
「わからない……」
「わからない?」
王子は、両手で自身の頭を抱えながら
「その言葉を聞いた後の記憶はないんだ……」
「じゃあ、その後1番最初の記憶は……」
エディ王子は、じっと私を見た。
「……カシー……じゃない……な……その時からは、もうランカだったんだもんな……」
つまり、私がエディ王子が繋がれていた部屋に入るまでは王子も気を失っていたのか。
「ランカ……お前は、どう思う?」
「どう思うって……」
「カシーは本当に、俺を殺すと思うか?」
「え?」
「あの耳元で聞こえた声は、確かにカシーの声だった。喋り方も、ランカのように雑ではないし」
「…………」
(さりげなく、私はディスられたんだろうか?)
「正直言えば、俺にカシーがあんなことを言うなんて、信じたくなかった。だから、夢だと思いたかったんだろうな……」
「だけど、私の仮説から出てくる答えはきっと……」
「ああ……ランカじゃないなら……カシー、だったのかもしれないな」
(こう言う時、なんて言えば……)
私は、好きになった人から
「自分のために死んでくれ」
という発言をされたこともなかったから。
(ん……?)
ちょっと待て。
「エディ王子。1個確認なんですけど」
「ああ」
「エディ王子の命を使って呪いを解かせてもらう……という言葉が本当の言葉ですか?」
「どういうことだ」
「もしかして、本当は違う言葉を使われてたとかないですか?」
「そんなこと、気にする必要あるのか?」
「だって……」
命を使うと、死という言葉は直接はつながらない。
もちろん、婉曲表現として死を意味づける可能性も0ではない言葉だし、アザレアの記憶を持つ私は特に死をイメージしてもおかしくはない。
だけど、言葉の裏には複数の意味が存在する。
そして解釈もまた、人それぞれ。
だからこそ、エディ王子の言葉が本当に正しいのか、と、その解釈が正しいのかはしっかり見極めなくてはいけない。
そう、思った時だった。
岸の方から、パチパチと拍手の音が聞こえた。
「誰!?」
音がした方を見て、私は驚いた。
想定していない人間が、そこにいたから。
「どうして……あなたがここに……ノア」
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