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8.神から与えられたのは、罰と……

ルカの侵入

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「お前……何でこんなところに……」

アルフィーは、ルカに尋ねながら、うまくこの部屋からルカと一緒に離れようとした。
だがルカは、そんなアルフィーの親切になど、気づくことなく

「んーとねー、ステラにちょっと話があって……ここにいるんでしょ?」
「いや、ええと……ステラは……その……ここには」
「嘘」
「え?」
「だって、ステラの声ここから聞こえてくるもん」

アルフィーは、何も反論できなかった。
自分の背後から、確かに聞こえてくる、ステラの喘ぎ声。
それも、先ほどよりもますます大きく、そして激しくなっている。
自分のすぐ横にいるルカに、聞こえないはずなどなかったのだ……。

「ねえ、アルフィー。ステラにどうしても聞きたいことがあるんだけど」
「いや、今はちょっとやめとけ」
「でも、神様が今じゃなきゃダメだって言うの」

まただ。
ルカは、いつも何かにつけて「神様が言うの」と説明する。
そしてルカは、神様が言う通りの行動しかしない。
だから、今回のようにある程度、考えれば分かりそうな常識的な行動すら、神様の意見を優先して行わない、ということもしょっちゅうだ。
そんなルカにも、アルフィーは振り回されることが多かった。
とはいえ、トラヴィスよりはまだ無害だと思ってはいたので、ある程度は放置していたのだが……。

「ルカ、神様が言おうと今はステラと会うな」
「え、何で?」

何で、だと?
アルフィーは困った。
ステラはメルキオールと取り込み中なのだと、自分が言うべきなのか……と。
しかも、さっきから2人の盛り上がる声も、2人が繋がってることで発せられる物音もますます激しくなっている。
まさか、自分がこの状況を事細かに説明しないといけないのか……と、アルフィーは置かれた状況に逃げたくなった。

「もう……!とにかく、ステラに会って神様からの伝言伝えなきゃいけないの!」

ルカは痺れを切らしたかのように言うと、アルフィーを振り切って扉の中に入ってしまった。

「ちょっ、待て……!!!」

ルカを止めようと手を伸ばしたが、小柄で、かつ身軽なルカをアルフィーが捉えることはできず、結果的にルカに部屋の侵入を許してしまった。

「きゃっ!!」

ルカが部屋に入ったと同時に、ステラの悲鳴が聞こえたが、その直後ルカからの思いもよらない言葉が発せられた。

「あー……だから神様が早くステラに会えって言ったんだね」

ルカは、メルキオールとステラがつながっているところを指差しながら

「ねえステラ。このままだとメルキオールの体を爆発させちゃうかもって、神様言ってるけど……大丈夫?」

と、真顔で尋ねた。
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