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7.呪われしアルストメリー
お前は、知っているか?
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それから、ほんの数十分くらい、エディ王子とアルフィーによる
「いかに人体を司る魔人が、悪逆無道な存在か」
をプレゼンし合う時間が続いてから
「そういえば、お前の名を聞いていなかったな」
とアルフィーが思い出したように言うものだから、さあ大変。
もちろん、さっきまで
「王子……許すまじ……」
と、名前ではないが、明らかの自分のことを知っていそうな人間から、初対面の如く名前を聞かれたのだ。
「何を言っている。お前は俺のことを知っているのではないのか?」
もちろん、エディ王子はこう答えるしかない。
「いや、分からないのだ」
「それこそ、俺の方が分からない。この国の王」
「ハイストップー!!!」
私は、エディ王子が「自分がこの国の王子なのに」と言いそうになったのに気づいて、咄嗟に間に入った。
アルフィーが何故、目の前の存在が王家の人間と結びつかないのかのメカニズムが完全にわかってない以上、下手に王家というワードをアルフィーに聞かせるのは、危険かなと思った。
「この人はね、エンディーって言うの」
「ほう。エンディー。なかなか悪くない名前じゃないか」
そうなのか。
私にとって、この名前は前世の世界に多い、遠藤さんと言う苗字の人につけるポピュラーなあだ名くらいの印象しかない。
「おい……か……じゃなかった……ら、ランカ……」
私に勝手にエンディーと紹介されてしまったエディ王子は、大好きなカサブランカの見た目をしている私にランカと呼ぶのはちっとも慣れていない様子だった。
「何?」
「何故、俺がエンディーなんだ」
私は大きなため息をつきながら
「この人は、王家の人間をものすごく恨んでる。実際、あなたが王家の人間だとアルフィーには分かったから、あなたは襲われかけているのよ」
「なるほど、そう言うことか」
(お、話が早そう?)
エディ王子は、何かを考え込んだ様子でアルフィーを見た。
「やはり、あの者と俺は、別の意味でも気が合うかもしれないな」
「は?」
(何故、急にそんなことを……?)
「か……ランカ……」
「あ、はい」
(頑張ってる頑張ってる)
この顔の私に、カシーと言わないように努力している姿が、やっぱりちょっかわいい。
おやつがあったら投げてなでなでしてやりたい。
「あの者も、その……カシーと同じ、魔人と言うやつか?」
「はい」
(あなたもですけどね)
でも、ここで自然を司る魔人がエディ王子であると暴露すると、ここまでの苦労が水の泡。
エディ王子が、自分の魔力と、魔人の関係性に勝手に気づいて、聞く前に理解してくれないかな、と人任せな展開すら期待したい程、この件は情報の出し方とタイミングが難しい。
「なるほどな……それで、あの者の力とは、一体なんだ?」
「確か、いろんなことを記憶できる力……」
「ほう」
私が言うと、エディ王子の表情が変わった。
「であれば、あの者は様々な知識を持っている、と言う認識で合っているのだろうか」
「……おそ、ら、く……」
「分かった」
(何が!?)
エディ王子はアルフィーに近づくと
「お前に、どうしても聞きたいことがある」
と、爆弾を投げつけるフラグのようなことを言い出した。
(何を言い出すの……!?)
くれぐれも、エディ王子の正体がバレるようなことは言わないでほしい。
そんなことを願いながら、エディ王子の次の言葉を待った。
「お前は、白紙の子を知っているか?」
「いかに人体を司る魔人が、悪逆無道な存在か」
をプレゼンし合う時間が続いてから
「そういえば、お前の名を聞いていなかったな」
とアルフィーが思い出したように言うものだから、さあ大変。
もちろん、さっきまで
「王子……許すまじ……」
と、名前ではないが、明らかの自分のことを知っていそうな人間から、初対面の如く名前を聞かれたのだ。
「何を言っている。お前は俺のことを知っているのではないのか?」
もちろん、エディ王子はこう答えるしかない。
「いや、分からないのだ」
「それこそ、俺の方が分からない。この国の王」
「ハイストップー!!!」
私は、エディ王子が「自分がこの国の王子なのに」と言いそうになったのに気づいて、咄嗟に間に入った。
アルフィーが何故、目の前の存在が王家の人間と結びつかないのかのメカニズムが完全にわかってない以上、下手に王家というワードをアルフィーに聞かせるのは、危険かなと思った。
「この人はね、エンディーって言うの」
「ほう。エンディー。なかなか悪くない名前じゃないか」
そうなのか。
私にとって、この名前は前世の世界に多い、遠藤さんと言う苗字の人につけるポピュラーなあだ名くらいの印象しかない。
「おい……か……じゃなかった……ら、ランカ……」
私に勝手にエンディーと紹介されてしまったエディ王子は、大好きなカサブランカの見た目をしている私にランカと呼ぶのはちっとも慣れていない様子だった。
「何?」
「何故、俺がエンディーなんだ」
私は大きなため息をつきながら
「この人は、王家の人間をものすごく恨んでる。実際、あなたが王家の人間だとアルフィーには分かったから、あなたは襲われかけているのよ」
「なるほど、そう言うことか」
(お、話が早そう?)
エディ王子は、何かを考え込んだ様子でアルフィーを見た。
「やはり、あの者と俺は、別の意味でも気が合うかもしれないな」
「は?」
(何故、急にそんなことを……?)
「か……ランカ……」
「あ、はい」
(頑張ってる頑張ってる)
この顔の私に、カシーと言わないように努力している姿が、やっぱりちょっかわいい。
おやつがあったら投げてなでなでしてやりたい。
「あの者も、その……カシーと同じ、魔人と言うやつか?」
「はい」
(あなたもですけどね)
でも、ここで自然を司る魔人がエディ王子であると暴露すると、ここまでの苦労が水の泡。
エディ王子が、自分の魔力と、魔人の関係性に勝手に気づいて、聞く前に理解してくれないかな、と人任せな展開すら期待したい程、この件は情報の出し方とタイミングが難しい。
「なるほどな……それで、あの者の力とは、一体なんだ?」
「確か、いろんなことを記憶できる力……」
「ほう」
私が言うと、エディ王子の表情が変わった。
「であれば、あの者は様々な知識を持っている、と言う認識で合っているのだろうか」
「……おそ、ら、く……」
「分かった」
(何が!?)
エディ王子はアルフィーに近づくと
「お前に、どうしても聞きたいことがある」
と、爆弾を投げつけるフラグのようなことを言い出した。
(何を言い出すの……!?)
くれぐれも、エディ王子の正体がバレるようなことは言わないでほしい。
そんなことを願いながら、エディ王子の次の言葉を待った。
「お前は、白紙の子を知っているか?」
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