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7.呪われしアルストメリー
分かり合ってしまった運命の2人(ただし想定外)
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「アイツは……本当にクソだ」
「ええぇ……」
(うわぁ……声、ひくっ、めっちゃ、ひくっ!)
元々、エディ王子の声は、そこまで低いとは言えない。
私が小説で読んでいた時に何となく想像していた通りの、少年が青年になったばかりの若々しい声。
(でも……この小説自体がアニメになることは、まずないとは、思うけどね)
そもそも商業出版ではないWEB小説だし、半分以上はエロシーンという18禁だから、できてコミケで売られるシチュエーションCDくらいか。
それはそれで、売れるとは思うけれども。
(私に至っては……もはやシチュエーションCDどころか、他人の体を借りて実際にヤっちまってるがな)
そんなこんなは、一旦置いておくとして……。
そんなエディ王子の口から出て来た、あまりの声の低さから分かる。
いかにエディ王子がノアを嫌っているかが。
「ち、ちなみに、具体的にどういうところが?」
「全部だ」
「へ?」
コンマ数秒という速度での返答に、吹き出しそうにすらなった。
「ちなみに……全部、というのは……」
「嘘をつく」
「へっ?」
「それに人をおちょくる」
「ほ、ほう……」
「さらに、人の苦しんでいる様子を見て、せせら笑ってくる」
「な、なるほど?」
ノアが嘘をつく、というのは……私も何となく分かる。
だけど、それ以外の要素については、私は見たことがないので、正直このタイミングではピンっとこない。
とは言え、次から次へと
「アイツの根性は腐ってる」
「人としてどうかしている」
などと、エディ王子の口からノアへの悪口が出てくるのを聞いていると
(一体ノアはエディ王子に何をしたんだろう……)
と、ゴシップが気になる感覚での興味が湧き起こってくる。
別に、特別噂好きというわけじゃなかったけれども。
まるで腹の中に溜まりに溜まった全てを吐き出すかのような、いつ終わるかわからないエディ王子のぼやきから、私はノアという人物を乙女ゲーム風のカテゴリ分けを妄想してみた。
明らかにこれしかない。
ざ、ドS。
二次元キャラとしては美味しいけれど、現実に深く関わる場合は、マジで胃に穴が空く覚悟が必要な存在。
自分も、前世の……特に死ぬ直前に、そのタイプによって色々面倒なことに巻き込まれて、胃薬を持ち歩いた時期もあったので、この仮説が正しいとしたらエディ王子とは心から分かり合える気がする。
(ぼやきたくなる気持ち、わかるわぁ……)
でもそれは、どうも私だけではなかったようだ。
「……分かる……」
「っ!?」
アルフィーが、ブツブツぼやいているエディ王子の手をガシッと掴んだ。
(え、え?なに?)
「どこのどなたかは存じ上げないが」
アルフィーが、うんうんと大きく何度も縦に頷きながら
「人体を司る魔人の性悪さを分かってくれるのか……!」
と、涙を流しながら言った。
「お前も、ノアに何かされたのか!」
「いや、アイツではないが、ほぼほぼアイツと同じようなものだろう。アレはもう、存在すること自体が間違っている」
「分かる!俺も何度ノアを殺してやりたいと思ったか」
(おいおい、何だよこの展開……)
さっきまで、エディ王子を感じては
「自然を司る魔……王家は殺す」
と殺意丸出しだったアルフィーと、まさにその両方を兼ね備えているエディ王子が手を握り合いながら
「お互い、この出会いは運命だ」
とでも言いたげな、暑苦しい目で見つめあっている。
あまりにも理解することが難解な出来事に遭遇した時の回避方法はただ1つ。
(……この2人は、受け攻めどっちがいいかな)
妄想に走ること。
ちなみに私はTLもBLも、尊い恋愛系にエロが融合された作品であれば好物だったりする。
「ええぇ……」
(うわぁ……声、ひくっ、めっちゃ、ひくっ!)
元々、エディ王子の声は、そこまで低いとは言えない。
私が小説で読んでいた時に何となく想像していた通りの、少年が青年になったばかりの若々しい声。
(でも……この小説自体がアニメになることは、まずないとは、思うけどね)
そもそも商業出版ではないWEB小説だし、半分以上はエロシーンという18禁だから、できてコミケで売られるシチュエーションCDくらいか。
それはそれで、売れるとは思うけれども。
(私に至っては……もはやシチュエーションCDどころか、他人の体を借りて実際にヤっちまってるがな)
そんなこんなは、一旦置いておくとして……。
そんなエディ王子の口から出て来た、あまりの声の低さから分かる。
いかにエディ王子がノアを嫌っているかが。
「ち、ちなみに、具体的にどういうところが?」
「全部だ」
「へ?」
コンマ数秒という速度での返答に、吹き出しそうにすらなった。
「ちなみに……全部、というのは……」
「嘘をつく」
「へっ?」
「それに人をおちょくる」
「ほ、ほう……」
「さらに、人の苦しんでいる様子を見て、せせら笑ってくる」
「な、なるほど?」
ノアが嘘をつく、というのは……私も何となく分かる。
だけど、それ以外の要素については、私は見たことがないので、正直このタイミングではピンっとこない。
とは言え、次から次へと
「アイツの根性は腐ってる」
「人としてどうかしている」
などと、エディ王子の口からノアへの悪口が出てくるのを聞いていると
(一体ノアはエディ王子に何をしたんだろう……)
と、ゴシップが気になる感覚での興味が湧き起こってくる。
別に、特別噂好きというわけじゃなかったけれども。
まるで腹の中に溜まりに溜まった全てを吐き出すかのような、いつ終わるかわからないエディ王子のぼやきから、私はノアという人物を乙女ゲーム風のカテゴリ分けを妄想してみた。
明らかにこれしかない。
ざ、ドS。
二次元キャラとしては美味しいけれど、現実に深く関わる場合は、マジで胃に穴が空く覚悟が必要な存在。
自分も、前世の……特に死ぬ直前に、そのタイプによって色々面倒なことに巻き込まれて、胃薬を持ち歩いた時期もあったので、この仮説が正しいとしたらエディ王子とは心から分かり合える気がする。
(ぼやきたくなる気持ち、わかるわぁ……)
でもそれは、どうも私だけではなかったようだ。
「……分かる……」
「っ!?」
アルフィーが、ブツブツぼやいているエディ王子の手をガシッと掴んだ。
(え、え?なに?)
「どこのどなたかは存じ上げないが」
アルフィーが、うんうんと大きく何度も縦に頷きながら
「人体を司る魔人の性悪さを分かってくれるのか……!」
と、涙を流しながら言った。
「お前も、ノアに何かされたのか!」
「いや、アイツではないが、ほぼほぼアイツと同じようなものだろう。アレはもう、存在すること自体が間違っている」
「分かる!俺も何度ノアを殺してやりたいと思ったか」
(おいおい、何だよこの展開……)
さっきまで、エディ王子を感じては
「自然を司る魔……王家は殺す」
と殺意丸出しだったアルフィーと、まさにその両方を兼ね備えているエディ王子が手を握り合いながら
「お互い、この出会いは運命だ」
とでも言いたげな、暑苦しい目で見つめあっている。
あまりにも理解することが難解な出来事に遭遇した時の回避方法はただ1つ。
(……この2人は、受け攻めどっちがいいかな)
妄想に走ること。
ちなみに私はTLもBLも、尊い恋愛系にエロが融合された作品であれば好物だったりする。
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