295 / 455
7.呪われしアルストメリー
2人が揃った時
しおりを挟む
最初にこの2人が揃ったのは、あの噴水。
城から逃げ出そうとした私を、なぜか追いかけてきた王子に、急に噴水の中に落とされてからあそこを弄られていた時、エディ王子の行動を止めてくれたのが、ノアだった。
その時は、せいぜい睨み合うくらいだった。
その次に、2人が揃ったのを見たのは、プルメリアの教会。
確かあの時は、エディ王子が私……というより、カサブランカを探してきた時で、急にエディ王子の魔が暴走?したとかで、室内メチャクチャになっていた。
そんなエディ王子を、容赦なく地面に押さえつけていた表情が、とても怖かったのは印象的だった。
極め付けは最後。
エディ王子が鎖で繋がっていた時にもノアは現れた。
私が、エディ王子の鎖を外して欲しいと願った時、ノアは言った。
「正気ですか?あの愚弟は、あなたを犯した男じゃないですか」
と。
私がこの2人の掛け合いを見たのは、この3回だけ。
それでも感じ取ってしまう。
この2人は、互いに憎み合っているのだと。
私は
「兄弟なのに憎み合うなんておかしい」
と言える程、兄弟愛を信じているわけではない。
むしろ、兄弟同士憎しみ合うという事はよくあること……だとも思っている。
ただ、よくある事ではあるけれど、理由は存在する。
その理由故なのだろう。
「おい、答えろ。お前、ノアの事何か知っているんだろう!?」
と、アルフィーが入ったアザレアの体を思いっきり揺さぶっている。
「や、やめろ……!」
アルフィー……というか、アザレアが苦しそうな表情で
「ちょっと!何しているの!」
私は、アザレアに触れるのはできないので、エディ王子の腰部分を掴み、思いっきり引っ張った。
その反動で私は、エディ王子が覆いかぶさる形で地面に倒れてしまった。
「っつ……」
私が痛がる声に、エディ王子は
「だ、大丈夫か!?」
と自我を取り戻してくれ、すぐに起き上がってくれただけでなく、私を立ち上がらせるために手を差し伸べてくれた。
(優しいところもあるもんだ)
私は、エディ王子の手を取りながらお礼を言った。
「カシーの体を傷つけるわけにはいかない。勝手なことをしないでくれ)
「…………」
(何故、怒られないといけないんだ……)
色々納得がいかないと言う気持ちを抑えながら、エディ王子には
「すみませんねぇ……」
と心無い謝罪を、まだどこにいるか分からないカサブランカの心には
(痛い思いをさせてごめんね)
と、心からの謝罪を送った。
それから、ごほんと咳払いをしてから、私はノアの名前をエディ王子に見せつけるように指差した。
(やっぱりこの情報は聞かないと)
「あなたとノアって、どうしてあんなに仲が悪いの?」
その質問をした瞬間、エディ王子のこめかみがまたピクリと反応をした。
地雷だと言うことは分かっていたが、避けて通るべきではないと、何故か強く思った。
城から逃げ出そうとした私を、なぜか追いかけてきた王子に、急に噴水の中に落とされてからあそこを弄られていた時、エディ王子の行動を止めてくれたのが、ノアだった。
その時は、せいぜい睨み合うくらいだった。
その次に、2人が揃ったのを見たのは、プルメリアの教会。
確かあの時は、エディ王子が私……というより、カサブランカを探してきた時で、急にエディ王子の魔が暴走?したとかで、室内メチャクチャになっていた。
そんなエディ王子を、容赦なく地面に押さえつけていた表情が、とても怖かったのは印象的だった。
極め付けは最後。
エディ王子が鎖で繋がっていた時にもノアは現れた。
私が、エディ王子の鎖を外して欲しいと願った時、ノアは言った。
「正気ですか?あの愚弟は、あなたを犯した男じゃないですか」
と。
私がこの2人の掛け合いを見たのは、この3回だけ。
それでも感じ取ってしまう。
この2人は、互いに憎み合っているのだと。
私は
「兄弟なのに憎み合うなんておかしい」
と言える程、兄弟愛を信じているわけではない。
むしろ、兄弟同士憎しみ合うという事はよくあること……だとも思っている。
ただ、よくある事ではあるけれど、理由は存在する。
その理由故なのだろう。
「おい、答えろ。お前、ノアの事何か知っているんだろう!?」
と、アルフィーが入ったアザレアの体を思いっきり揺さぶっている。
「や、やめろ……!」
アルフィー……というか、アザレアが苦しそうな表情で
「ちょっと!何しているの!」
私は、アザレアに触れるのはできないので、エディ王子の腰部分を掴み、思いっきり引っ張った。
その反動で私は、エディ王子が覆いかぶさる形で地面に倒れてしまった。
「っつ……」
私が痛がる声に、エディ王子は
「だ、大丈夫か!?」
と自我を取り戻してくれ、すぐに起き上がってくれただけでなく、私を立ち上がらせるために手を差し伸べてくれた。
(優しいところもあるもんだ)
私は、エディ王子の手を取りながらお礼を言った。
「カシーの体を傷つけるわけにはいかない。勝手なことをしないでくれ)
「…………」
(何故、怒られないといけないんだ……)
色々納得がいかないと言う気持ちを抑えながら、エディ王子には
「すみませんねぇ……」
と心無い謝罪を、まだどこにいるか分からないカサブランカの心には
(痛い思いをさせてごめんね)
と、心からの謝罪を送った。
それから、ごほんと咳払いをしてから、私はノアの名前をエディ王子に見せつけるように指差した。
(やっぱりこの情報は聞かないと)
「あなたとノアって、どうしてあんなに仲が悪いの?」
その質問をした瞬間、エディ王子のこめかみがまたピクリと反応をした。
地雷だと言うことは分かっていたが、避けて通るべきではないと、何故か強く思った。
0
お気に入りに追加
570
あなたにおすすめの小説


転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

Hしてレベルアップ ~可愛い女の子とHして強くなれるなんて、この世は最高じゃないか~
トモ治太郎
ファンタジー
孤児院で育った少年ユキャール、この孤児院では15歳になると1人立ちしなければいけない。
旅立ちの朝に初めて夢精したユキャール。それが原因なのか『異性性交』と言うスキルを得る。『相手に精子を与えることでより多くの経験値を得る。』女性経験のないユキャールはまだこのスキルのすごさを知らなかった。
この日の為に準備してきたユキャール。しかし旅立つ直前、一緒に育った少女スピカが一緒にいくと言い出す。本来ならおいしい場面だが、スピカは何も準備していないので俺の負担は最初から2倍増だ。
こんな感じで2人で旅立ち、共に戦い、時にはHして強くなっていくお話しです。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる