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7.呪われしアルストメリー
飼い主とわんこですね
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「そうだな……俺とカシーは恋人と言うか……その……」
と言いながら、私の肩を抱いてきやがった。
(おいー色ボケ王子ー!)
まさか、忘れてしまったというのか?
体は、お前が好きで好きで仕方がないカサブランカだから、本能的に我慢できないというのは分からなくはない、が。
(中身は違うと、さっきちゃんと説明しただろうが……!)
ほんの十数分前の出来事。
まさかこの王子は、記憶力すら怪しいだろうか……。
そんな事を考えている時だった。
ふわっと、王子が醸し出す香りが鼻腔をくすぐったかと思えば、耳元でそっと聞かれた。
「俺たちは、どう言う関係なんだ?」
「えーと」
(すまぬ、王子。早合点して悪かった)
私は、心の中での罵倒を、心の中だけで謝罪しながら考えた。
(私と、エディ王子の関係……)
恋人……は、エディ王子と本物のカサブランカがなればいい。
というより、そこはがんばれ、王子。
いつ、何ができるかは知らんけど。
じゃあ……どう説明すればいい……?
私本人と、エディ王子の関係性は。
(あ……)
1つだけ、良いフレーズを思い出した。
私にとっては、これがしっくりくる。
「飼い主とわんこですね」
「「…………は?」」
アルフィーだけではなく、エディ王子までもが、お前何言ってるんだ?と言いたげな表情で私を見てきた。
とは言え、他に私には思いつく関係性はなかった。のでエディ王子の肩を、ぽんぽんと叩きなら
「ま、そう言う事だから」
と、エディ王子にも言い聞かせるように言った。
「ま、待て……!」
エディ王子は何かを言いたげな様子だったが、これ以上話題が逸れたら修正が聞かなさそうだと思ったので、またもやスルースキルを発揮させていただくことにした。
「それより、言いたい事があるんだけど……」
私は、アルフィーが何故エディ王子に過剰反応しないのかも、一度棚上げすることに決めた。
ノアが何かをした結果。
それ以外、私に言えることは何もないから。
言えるだけの知識も経験も、この世界では足りなすぎるから。
そして、私が言えることから、課題は解決すべきだろうと、思ったから。
「何だ……」
私は、1度溜まってしまった唾を飲み込み、喉を潤す。
(あの件を、どういう順番で切り出そう)
私は、まず尋ねたかった。
先ほどつい覗いてしまったビジョンついて。
きっとそれが、この件の鍵になると思ったから。
と言いながら、私の肩を抱いてきやがった。
(おいー色ボケ王子ー!)
まさか、忘れてしまったというのか?
体は、お前が好きで好きで仕方がないカサブランカだから、本能的に我慢できないというのは分からなくはない、が。
(中身は違うと、さっきちゃんと説明しただろうが……!)
ほんの十数分前の出来事。
まさかこの王子は、記憶力すら怪しいだろうか……。
そんな事を考えている時だった。
ふわっと、王子が醸し出す香りが鼻腔をくすぐったかと思えば、耳元でそっと聞かれた。
「俺たちは、どう言う関係なんだ?」
「えーと」
(すまぬ、王子。早合点して悪かった)
私は、心の中での罵倒を、心の中だけで謝罪しながら考えた。
(私と、エディ王子の関係……)
恋人……は、エディ王子と本物のカサブランカがなればいい。
というより、そこはがんばれ、王子。
いつ、何ができるかは知らんけど。
じゃあ……どう説明すればいい……?
私本人と、エディ王子の関係性は。
(あ……)
1つだけ、良いフレーズを思い出した。
私にとっては、これがしっくりくる。
「飼い主とわんこですね」
「「…………は?」」
アルフィーだけではなく、エディ王子までもが、お前何言ってるんだ?と言いたげな表情で私を見てきた。
とは言え、他に私には思いつく関係性はなかった。のでエディ王子の肩を、ぽんぽんと叩きなら
「ま、そう言う事だから」
と、エディ王子にも言い聞かせるように言った。
「ま、待て……!」
エディ王子は何かを言いたげな様子だったが、これ以上話題が逸れたら修正が聞かなさそうだと思ったので、またもやスルースキルを発揮させていただくことにした。
「それより、言いたい事があるんだけど……」
私は、アルフィーが何故エディ王子に過剰反応しないのかも、一度棚上げすることに決めた。
ノアが何かをした結果。
それ以外、私に言えることは何もないから。
言えるだけの知識も経験も、この世界では足りなすぎるから。
そして、私が言えることから、課題は解決すべきだろうと、思ったから。
「何だ……」
私は、1度溜まってしまった唾を飲み込み、喉を潤す。
(あの件を、どういう順番で切り出そう)
私は、まず尋ねたかった。
先ほどつい覗いてしまったビジョンついて。
きっとそれが、この件の鍵になると思ったから。
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