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7.呪われしアルストメリー
ずっとモヤモヤしていた違和感にようやく気付いた
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(いや……そこまではまだ、止めておこう)
ただでさえ、体と中身の人物が違う、という重たい情報を叩き込んだのだ。
アルフィーの表情を観察していると、彼自身の力でその結論を導き出す事ができたとはいえ、動揺は抑えきれていないようだ。
アザレアの顔をしているからか、ついうっかり
(あー可愛い、なでなでしたい)
という怪しい欲が出てきそうになるが、そこは私が持つなけなしの理性でどうにか堪える。
情報は、適当な時に適当な量だけ分配する。
多すぎても少なすぎてもダメ。
そんなことを考えながら、私は背後にいるエディ王子をチラと横目で見てみた。
この中で、最も情報のキャパオーバーを起こしているのは間違いなくエディ王子だろうから。
案の定、エディ王子は救いを求めるような目で、ちらちらと私と目を合わせてくる。
(これはこれで可愛い……)
さっきまで噛みつき狼だったエディ王子だったからこそ……言葉や仕草にあまり出さないとは言え、視線だけでも私を頼っているのが明らかに分かると、これまた庇護欲というのが、むくむくと湧き上がる。
(これが、母性本能というやつ……!?)
私が読んでいた小説では、ヒロインのプルメリアに対する甘い溺愛セリフは多く、それはそれでオカズとしては最高だった。
まさに、王道のギャップ萌えを表現したキャラだと思っていた。
だけど、今のエディ王子は、私が知っていたエディ王子よりも、ちょっと俺様になったかと思えば、すぐに引いたり、表情をくるくる変えたり……。
あえて、自分と同じ世界の人間であることを一旦棚上げして考えてみると、正直、俺様キャラ好きとしては少々物足りないと思っていた。
もし彼が、私の前世での環境に実在する人物だったら、ヤンデレというジャンルで一括りにして、お近づきにすらなりたくない人種だったかもしれない。
だけど、中途半端とは言え、俺様なエディ王子を、自分の言葉と作戦で忠犬ハチ公一歩手前まで持っていけたからか、妙な親分心すら芽生えてしまった。
だからだろう。
エディ王子を置いてけぼりにせず、アルフィーを上手くのせて、情報収集してあげたいなとも思ってしまった。
彼も当事者の1人だろうから、彼にも知る権利はあると、私は考えたから。
(ほんと、自然を司る魔人ってだけで忌み嫌われるって……一体何をしたんだろ……う!?)
ここまで考えて、ずっとモヤモヤしていた違和感にようやく気付いた。
アルフィーの目に、確実にエディ王子がいる。
くっきりはっきり認識できているはず。
これまで、アルフィーは何度も、姿どころか、気配だけでも、エディ王子への殺意を露わにしていた。
それが、今はどうだろう。
しっかりと、お互いに目が合っている状態でも、アルフィーが暴れ出す気配は一切見せない。
そして、思い出した。
さっき、ノアがアザレアにしていたことを。
「はい。今、アザレアの脳回路を少しだけ変えました」
とノアが言っていたことを。
(一体……あれは、どういう意味?)
ただでさえ、体と中身の人物が違う、という重たい情報を叩き込んだのだ。
アルフィーの表情を観察していると、彼自身の力でその結論を導き出す事ができたとはいえ、動揺は抑えきれていないようだ。
アザレアの顔をしているからか、ついうっかり
(あー可愛い、なでなでしたい)
という怪しい欲が出てきそうになるが、そこは私が持つなけなしの理性でどうにか堪える。
情報は、適当な時に適当な量だけ分配する。
多すぎても少なすぎてもダメ。
そんなことを考えながら、私は背後にいるエディ王子をチラと横目で見てみた。
この中で、最も情報のキャパオーバーを起こしているのは間違いなくエディ王子だろうから。
案の定、エディ王子は救いを求めるような目で、ちらちらと私と目を合わせてくる。
(これはこれで可愛い……)
さっきまで噛みつき狼だったエディ王子だったからこそ……言葉や仕草にあまり出さないとは言え、視線だけでも私を頼っているのが明らかに分かると、これまた庇護欲というのが、むくむくと湧き上がる。
(これが、母性本能というやつ……!?)
私が読んでいた小説では、ヒロインのプルメリアに対する甘い溺愛セリフは多く、それはそれでオカズとしては最高だった。
まさに、王道のギャップ萌えを表現したキャラだと思っていた。
だけど、今のエディ王子は、私が知っていたエディ王子よりも、ちょっと俺様になったかと思えば、すぐに引いたり、表情をくるくる変えたり……。
あえて、自分と同じ世界の人間であることを一旦棚上げして考えてみると、正直、俺様キャラ好きとしては少々物足りないと思っていた。
もし彼が、私の前世での環境に実在する人物だったら、ヤンデレというジャンルで一括りにして、お近づきにすらなりたくない人種だったかもしれない。
だけど、中途半端とは言え、俺様なエディ王子を、自分の言葉と作戦で忠犬ハチ公一歩手前まで持っていけたからか、妙な親分心すら芽生えてしまった。
だからだろう。
エディ王子を置いてけぼりにせず、アルフィーを上手くのせて、情報収集してあげたいなとも思ってしまった。
彼も当事者の1人だろうから、彼にも知る権利はあると、私は考えたから。
(ほんと、自然を司る魔人ってだけで忌み嫌われるって……一体何をしたんだろ……う!?)
ここまで考えて、ずっとモヤモヤしていた違和感にようやく気付いた。
アルフィーの目に、確実にエディ王子がいる。
くっきりはっきり認識できているはず。
これまで、アルフィーは何度も、姿どころか、気配だけでも、エディ王子への殺意を露わにしていた。
それが、今はどうだろう。
しっかりと、お互いに目が合っている状態でも、アルフィーが暴れ出す気配は一切見せない。
そして、思い出した。
さっき、ノアがアザレアにしていたことを。
「はい。今、アザレアの脳回路を少しだけ変えました」
とノアが言っていたことを。
(一体……あれは、どういう意味?)
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