【R18】処女だったのに、異世界転生したら俺様王子の伽の相手として調教されていました

桜葉詩織

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7.呪われしアルストメリー

探せ、魔の使い方

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この前提が正しいとしたら、もう一人怪しい人物がいる。
プルメリアだ。
ノアとアザレアが知っていると仮定して、プルメリアだけが知らないということはあり得るのだろうか。
少なくとも、このタイミングでは思いつかない。まだ。

そんなことを考えている間に、またアザレアの様子がおかしくなった。
肺の毒素でも吐き出すかのような、激しい咳をし出した。

「ど、どうしたの!?」

私は、アザレアに触れないように、近づいた。
触れずに何か助けられることがないだろうか、と考えた。

(そうだ……)

カサブランカは時間と空間を操る魔人だ。
この空間の概念ははっきりしていないが、臓器も中は空間だ。
ノアであれば、人体を司る魔人だから細胞部分に干渉できると仮定したとき、カサブランカであれば、臓器の中身の空間に干渉できるのではないだろうか。

そう考えた私は、カサブランカの力でアザレアの呼吸を落ち着かせることが出来るのではないかという、新たな仮説を思いついた。
ちらりと、エディ王子を見てみる。

自分は一体どうすればいいんだ、というのがありありと分かる表情をしていた。
何を考えているのか、全く読めないノアやプルメリアより、まだ一緒にいるのが改めて楽だと思う。
対処法を考えるために脳のカロリーを消費しなくて済むのだから。
そして、この王子こそ、カサブランカの空間の魔を利用してきた人間。

「王子。カサブランカについて聞きたいことがあるんですけど」
「…………その声でそう聞かれると、違和感があるんだが」
「うるさい、カサブランカがどうなってもいいのか」

この一言で、ぐっ……と王子が黙る。
自分の体でもあり、痛覚はしっかり感じてしまうカサブランカの体をどうこうしようなどとは考えてはいないが、しばらくはそのことは言わず、しっかりこのフレーズは利用させてもらおう。

「カサブランカとの伽の時だけど……何かカサブランカは言葉を言ったりしない?」
「……は?」

こいつは何を言っているんだ、と言いたげな表情を、エディ王子はした。
分かりやすいのはありがたい。が、いかんせん分かりやすすぎると……ちょっとだけムカつく。
とは言え、アザレアの呼吸がどんどんおかしくなり始めている。
前世で言うところの、過呼吸の状態に入っている。
私も、過呼吸の経験はあるから分かる。
このまま死ぬんじゃないかと思うくらい、あれはキツい。
落ち着かせるために、袋状のものがないか探したが、残念ながらそんなものはどこにもない。

「お願い、アザレアを助けるために必要な情報なのよ」

私の言葉に、いまいちピンっと来ていないエディ王子ではあったが

「わ、わかった……」

と、彼自身の記憶を探ってくれた。
同時に私も、カサブランカの脳に残されている記憶を辿ってみることにした。
深く、深く念じている間に、アザレアの呼吸の音が激しくなる。

時間がない。
早く、早く探せ。
脳の記憶を掘り起こせ。
探せ、魔の使い方を。

私は、カサブランカの脳に私として頼んだ。

微かにでもカサブランカの心が脳に残っているなら、私に教えて欲しいと。
この魔を使い、アザレアの救う方法があるなら、と。

その時。
ぱちんっと、脳の神経が弾けるような音がした。
ぱっと、その音がした方に意識を向けた。

この記憶は、見覚えがあった。
この世界に来て、さいしょに辿った記憶。
それは、エディ王子とカサブランカの最初の伽の日。

カサブランカは純白のドレスを着ている。
エディ王子が、慣れない手つきでエスコートしてくれている。
そして、エディ王子がカサブランカをベッドに横たえた、その時だった。

カサブランカの口が、動いた。
何かの言葉を呟いているようだった。


「あっ!!!」

エディ王子も、私と全く同じタイミングで言葉を発した。
何かを思いついたであろう、その発声に、私は期待をした。


もし、この伽の最初の時の記憶が一致していれば。
この体に眠る魔を使う、大きなヒントになるかもしれないから。
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