【R18】処女だったのに、異世界転生したら俺様王子の伽の相手として調教されていました

7.呪われしアルストメリー

エディ王子との再会。しかし……

「なっ……えっ……ちょっ……！？」

予想外の上に、さらに予想外なことが起こると、思考力はフリーズしてしまう。
それはてっきり、自分の生まれ持った肉体の問題だと思っていた。
きっと、生まれながらにパニック状態にならない肉体も存在すると、勝手に思っていた。
だけど私は、私の体じゃないのに、パニック、からのフリーズ再び。
つまり、人間の脳みそというものは、どんな人のものでもそうなってしまう……ということを、私が私の体験として証明しまった、ということだろうか。
意味もなく。
そして、そのフリーズのもう1つの原因……金髪で前世の私よりずっと綺麗な肌をしている、エディ王子は、天井からぶら下がりながら、意識を失っているかのように見えた。

（プルメリア……だろうか？それともノア？）

特にプルメリアの、エディ王子に対する嫌悪感を考えれば、これくらいのことはするのかもしれない……とは思った。
だけどまさか、TL漫画にはよく見かける、興奮するようなシチュエーションにお目にかかる日が来るとは思わなかった。

などと、しみじみ考えている場合じゃない。

「呪われろ……」

振り切ったはずの声が、すぐそこまで来ている。
そして隠れようにも、自分で扉を壊したから、廊下からこの部屋は丸見え状態。
まさに、詰み、一歩手前。
だけど……いるではないか。
目の前に。
すごそうな力を持っている魔人……エディ王子が。
自分が、カサブランカの体にいるということを考えると、この手法を取るのはまずいのかもしれない。
だけど、先のことを考えすぎて、今危険な目に遭うくらいなら。
まずは迫る危険を回避する確率が高い方法を、選ぶ。

「王子！エディ王子！！！！！」

（この綺麗な肌をペチペチするのはなぁ……）

と、余計なことを考えつつも、王子を２、3回ほど平手打ちさせてもらった。

「お願い！王子起きて！！」
「んっ……」

開いた。
綺麗なブルーの目が、こちらを見た。
王子の目の中に、カサブランカの自分が映った。

「カシーか……？本当に……？」

と、物語であればさぞ感動的なシーンになるくらいの、再会の喜びを表す感嘆の吐息を漏らした。
この緊急事態でなければ……かつ、中身がこの私でなければ、うっとりとその吐息を受け止めただろう。
だがしかし。
事態はそんな悠長なことを言っている場合ではないのだ。

「話は後です！王子！」

何故なら、もうすでに私の真後ろには、呪われろコールを繰り返すアザレアが立っていたのだから。