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7.呪われしアルストメリー
ある矛盾点について
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「……ん?」
肉体と心の連携を遮断するということのイメージが、よく分からない。
「ごめん、つまりどういうこと?」
ステラの言い回しが、いちいち回りくどい。
「もっとさ、簡単に言ってくれないかな?」
そういえば、前世でもいた。
こちらの理解度なんかおかまいなしに、自分の世界の言語だけでペラペラ物事を進めようとする人が。
「申し訳ございません……!」
「別に謝って欲しいわけじゃないんだけど……」
「はい、申し訳ございません」
どうしてだ。
世界の仕組みはまるで違うというのに。
理解できないことだらけだというのに。
私をイラつかせることは、前世も今も、大体共通している。
例え異世界だろうと、人間の心の本質は……変わらないものなのだなと体感している気分だ。
「だから、謝らなくていいから、もっとわかりやすい言葉で、はよ」
「あ、はい……そうですね……」
ステラは、また少し考えて込んだ。
その時間がとてももどかしかったけど、仕方がない。
情報を持たない私は、情報を持つステラより遥かに下の立場なのだから。
今は、まだ。
「記憶……」
「え?」
「記憶操作……という言葉であれば、どうでしょう?」
「記憶操作?」
「はい」
確かに、それであればよく漫画やアニメで聞くようなワードだから、イメージはしやすい。
私が頷くと、ステラはほっと安心したような表情をした。
(あ、この表情は見たことある)
追い詰めてるムチを繰り返したあとに、ほんの少し褒める飴を与えるのは、上司としての部下の指導の鉄則らしい。
ステラの今の表情は、飴を受け取った部下の表情そのものだった。
「では……話を続けますね。トラヴィスが持つ人体を司る魔は、細胞の構造に直接アプローチできるものです」
「え?それじゃあ例えば怪我を治すとかは?」
「できます」
(マジか)
「じゃあ……例えば胃の穴が空いた時は?」
「基本的に臓器の損傷にアプローチすることも、できていました」
なるほど……!?
つまり、人体を司る魔人が、1人いるだけで、医者入らずというチート状態になるのか。
もし、私が前世でこの魔人に治してもらったら、まだ私は生きていられたのだろうかとも思った。
だけど、前世のあの世界に、そんな魔人の概念は存在していなかったので、ifの世界線を語ったところで虚しいだけだと、すぐに頭を切り替えた。
(ちょっと待って……?)
私はここで、ある矛盾に気がついた。
「怪我を治すというのは、人体を司る魔だと、言った?」
「は、はい」
「本当に?嘘じゃない?」
「嘘ではないですが……」
それであれば、あの時の出来事はどう説明すればいいのであろう。
肉体と心の連携を遮断するということのイメージが、よく分からない。
「ごめん、つまりどういうこと?」
ステラの言い回しが、いちいち回りくどい。
「もっとさ、簡単に言ってくれないかな?」
そういえば、前世でもいた。
こちらの理解度なんかおかまいなしに、自分の世界の言語だけでペラペラ物事を進めようとする人が。
「申し訳ございません……!」
「別に謝って欲しいわけじゃないんだけど……」
「はい、申し訳ございません」
どうしてだ。
世界の仕組みはまるで違うというのに。
理解できないことだらけだというのに。
私をイラつかせることは、前世も今も、大体共通している。
例え異世界だろうと、人間の心の本質は……変わらないものなのだなと体感している気分だ。
「だから、謝らなくていいから、もっとわかりやすい言葉で、はよ」
「あ、はい……そうですね……」
ステラは、また少し考えて込んだ。
その時間がとてももどかしかったけど、仕方がない。
情報を持たない私は、情報を持つステラより遥かに下の立場なのだから。
今は、まだ。
「記憶……」
「え?」
「記憶操作……という言葉であれば、どうでしょう?」
「記憶操作?」
「はい」
確かに、それであればよく漫画やアニメで聞くようなワードだから、イメージはしやすい。
私が頷くと、ステラはほっと安心したような表情をした。
(あ、この表情は見たことある)
追い詰めてるムチを繰り返したあとに、ほんの少し褒める飴を与えるのは、上司としての部下の指導の鉄則らしい。
ステラの今の表情は、飴を受け取った部下の表情そのものだった。
「では……話を続けますね。トラヴィスが持つ人体を司る魔は、細胞の構造に直接アプローチできるものです」
「え?それじゃあ例えば怪我を治すとかは?」
「できます」
(マジか)
「じゃあ……例えば胃の穴が空いた時は?」
「基本的に臓器の損傷にアプローチすることも、できていました」
なるほど……!?
つまり、人体を司る魔人が、1人いるだけで、医者入らずというチート状態になるのか。
もし、私が前世でこの魔人に治してもらったら、まだ私は生きていられたのだろうかとも思った。
だけど、前世のあの世界に、そんな魔人の概念は存在していなかったので、ifの世界線を語ったところで虚しいだけだと、すぐに頭を切り替えた。
(ちょっと待って……?)
私はここで、ある矛盾に気がついた。
「怪我を治すというのは、人体を司る魔だと、言った?」
「は、はい」
「本当に?嘘じゃない?」
「嘘ではないですが……」
それであれば、あの時の出来事はどう説明すればいいのであろう。
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