225 / 455
7.呪われしアルストメリー
心がないセックスを、国のために受け入れ続ける女って……馬鹿みたいじゃない?
しおりを挟む
「残したくない情報……ねえ……」
私がカサブランカの体の中に入って考えたことは、カサブランカの脳に残るだろう。
だから、私が真実を知ろうとすると、頭痛が起きるようにした……。
なるほど。この頭痛がする目的だけは、理解できた気がする。
たぶん。
でも、それならば、初めから別人の魂を入れるという、まどろっこしいことをしない方が良かったんじゃないか……?
それこそ、体を抜け殻の状態にしておく方が、よっぽど安全だったはずだ。
エッチが好きそうな女の魂を、わざわざ選んでカサブランカは自分の体に入れるよりも、よっぽど。
よし、別の観点から攻めてみよう。
カサブランカから、得られる情報はどんな情報でも欲しい。
でも、別に私はカサブランカを追い詰めたいわけではない。
ただ、自分がこれからどうすれば、ちゃんと無事でいられるかが知りたいだけなのだから。
「王子との伽は……私をカサブランカの体に入れたことと、何か関係あるの?」
「それ……は……」
カサブランカの様子が、また変わった。
図星をついた時の動揺だろう。
カサブランカは、見た目の高貴さに反して、体だけじゃなくて心も素直なんだな……と思った。
エディ王子は素直じゃない……とか言っていたが、こんなにわかりやすいのも珍しい。
「王子とのエッチは、いくらエッチに興味がある人でも、結構大変だと思うけど……?」
「そ、そういうものなのですか……」
「あれじゃあ、辛くなって逃げ出したくなるのも分かる分かる」
私は、あえてカサブランカの境遇に同情してみせた。
それからすぐ
「カサブランカは、王子とのエッチが嫌だから、私に押し付けて逃げたんじゃないの?」
と、嫌味っぽくぶつけてみた。
「そんなことは……」
「いーや、そんなことあるね。私だったら1日で耐えられないもん」
「私は……王子との……伽が嫌だということは……」
「本当に?」
「…………それは…………」
目を泳がせながら、言葉を考えているカサブランカに、私は畳み掛けて聞いた。
言葉を考えるということは、嘘をつきたいと思っている可能性も高いから。
だから、考えるゆとりを与えないように、もう少し言葉の攻撃を続けてみた。
「あなたはさ、自分の立場がエディ王子より低いと思ってるのかもしれないけど、明らかにあなたの方が立場は上じゃない?」
「何をおっしゃってるのか、意味がわかりませんが……?」
「だって、あなたが毎晩エディ王子とセックスしなかったらさ……エディ王子もこの国の人も、みんな痛い目に遭うじゃない。嫌なら嫌って、ちゃんと拒否すれば良かったのに」
「それは、できないのです」
カサブランカは即答した。
よし。
作戦通り。
「ふーん……。私は嫌だと思ったよ。王子とのセックス。例えカサブランカの体が王子様仕様に開発されていたとしても。だって、心が無いんだもん」
私は、よく読むTL小説の一文をさらうように言ってみた。
「心がないセックスを、国のために受け入れ続ける女って……馬鹿みたいじゃない?あなたは、そんな馬鹿みたいなことを、あんな馬鹿な王子のためにし続けてきた、かわいそうな女の子。私はそう思うけど」
私の言葉に、カサブランカがどう思ったのか。
それは一目瞭然だった。
今度は目に怒りが宿っていた。
誰に対しての怒り?
何に対しての怒り?
……どちらでもいい。
怒りの感情こそ、相手の本心を曝け出させるトリガーになるのだから。
私は、あともう一押しどこから攻めようかを考えた。
私がカサブランカの体の中に入って考えたことは、カサブランカの脳に残るだろう。
だから、私が真実を知ろうとすると、頭痛が起きるようにした……。
なるほど。この頭痛がする目的だけは、理解できた気がする。
たぶん。
でも、それならば、初めから別人の魂を入れるという、まどろっこしいことをしない方が良かったんじゃないか……?
それこそ、体を抜け殻の状態にしておく方が、よっぽど安全だったはずだ。
エッチが好きそうな女の魂を、わざわざ選んでカサブランカは自分の体に入れるよりも、よっぽど。
よし、別の観点から攻めてみよう。
カサブランカから、得られる情報はどんな情報でも欲しい。
でも、別に私はカサブランカを追い詰めたいわけではない。
ただ、自分がこれからどうすれば、ちゃんと無事でいられるかが知りたいだけなのだから。
「王子との伽は……私をカサブランカの体に入れたことと、何か関係あるの?」
「それ……は……」
カサブランカの様子が、また変わった。
図星をついた時の動揺だろう。
カサブランカは、見た目の高貴さに反して、体だけじゃなくて心も素直なんだな……と思った。
エディ王子は素直じゃない……とか言っていたが、こんなにわかりやすいのも珍しい。
「王子とのエッチは、いくらエッチに興味がある人でも、結構大変だと思うけど……?」
「そ、そういうものなのですか……」
「あれじゃあ、辛くなって逃げ出したくなるのも分かる分かる」
私は、あえてカサブランカの境遇に同情してみせた。
それからすぐ
「カサブランカは、王子とのエッチが嫌だから、私に押し付けて逃げたんじゃないの?」
と、嫌味っぽくぶつけてみた。
「そんなことは……」
「いーや、そんなことあるね。私だったら1日で耐えられないもん」
「私は……王子との……伽が嫌だということは……」
「本当に?」
「…………それは…………」
目を泳がせながら、言葉を考えているカサブランカに、私は畳み掛けて聞いた。
言葉を考えるということは、嘘をつきたいと思っている可能性も高いから。
だから、考えるゆとりを与えないように、もう少し言葉の攻撃を続けてみた。
「あなたはさ、自分の立場がエディ王子より低いと思ってるのかもしれないけど、明らかにあなたの方が立場は上じゃない?」
「何をおっしゃってるのか、意味がわかりませんが……?」
「だって、あなたが毎晩エディ王子とセックスしなかったらさ……エディ王子もこの国の人も、みんな痛い目に遭うじゃない。嫌なら嫌って、ちゃんと拒否すれば良かったのに」
「それは、できないのです」
カサブランカは即答した。
よし。
作戦通り。
「ふーん……。私は嫌だと思ったよ。王子とのセックス。例えカサブランカの体が王子様仕様に開発されていたとしても。だって、心が無いんだもん」
私は、よく読むTL小説の一文をさらうように言ってみた。
「心がないセックスを、国のために受け入れ続ける女って……馬鹿みたいじゃない?あなたは、そんな馬鹿みたいなことを、あんな馬鹿な王子のためにし続けてきた、かわいそうな女の子。私はそう思うけど」
私の言葉に、カサブランカがどう思ったのか。
それは一目瞭然だった。
今度は目に怒りが宿っていた。
誰に対しての怒り?
何に対しての怒り?
……どちらでもいい。
怒りの感情こそ、相手の本心を曝け出させるトリガーになるのだから。
私は、あともう一押しどこから攻めようかを考えた。
0
お気に入りに追加
570
あなたにおすすめの小説


転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

Hしてレベルアップ ~可愛い女の子とHして強くなれるなんて、この世は最高じゃないか~
トモ治太郎
ファンタジー
孤児院で育った少年ユキャール、この孤児院では15歳になると1人立ちしなければいけない。
旅立ちの朝に初めて夢精したユキャール。それが原因なのか『異性性交』と言うスキルを得る。『相手に精子を与えることでより多くの経験値を得る。』女性経験のないユキャールはまだこのスキルのすごさを知らなかった。
この日の為に準備してきたユキャール。しかし旅立つ直前、一緒に育った少女スピカが一緒にいくと言い出す。本来ならおいしい場面だが、スピカは何も準備していないので俺の負担は最初から2倍増だ。
こんな感じで2人で旅立ち、共に戦い、時にはHして強くなっていくお話しです。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる