【R18】処女だったのに、異世界転生したら俺様王子の伽の相手として調教されていました

7.呪われしアルストメリー

始まりは、ただの荒地だった

中身イケオジのアザレアは、ギロリとノアを睨みつける。

「貴様……何を企んでいる……」
「たかが歴史のすり合わせに、企むという発想が出るところが……知識の魔人ならでは……ですね。何か、心当たりでもあるんですか？」
「っ……！！」

ノアの問いかけが、図星だったのだろう。
中身イケオジのアザレアは、言葉を詰まらせ、それから、じっと何かを考え込んだ。
風が部屋に吹き込む音が聞こえる程の静寂が広がってから

「あれは……まだこの地が何もない、荒地だった頃から……」

と、いきなり昔話を子供に言い聞かせるように語りが始まった。

（前振り何もなし！？）

突然始まった語りに、私は戸惑うものの、ノアもプルメリアも、飄々とした表情で椅子に腰掛けいていた。
プルメリアに至っては、お茶を飲む程のリラックスぶり。

（ちょっと待て。これ……かなり重要な話だよな？なんで2人とも、そんなに落ち着いているんだ？）

ちなみに、この状態に違和感を感じていないのか、淡々と子供に読み聞かせるかのように、中身イケオジのアザレアは話を進めている。
疑問というより、もはやツッコミどころしかない。
だけど、流れるように進められる話に水を刺すのは野暮だ……ということも、前世の社会人経験を経て実感はしているので、私もプルメリアに倣って、お茶を飲みながら耳を傾けてみることにした。

まず最初に知ったことはこれ。
アルストメリーという国は、もともと何もない荒地だった場所に作られた、比較的この世界の中では新しい国家であること。そして、作られたきっかけというのが、たまたま同じ時期に、同じ理由でその場所に、とある共通点をもった6人が集まってしまったこと。

その条件は２つ。
1つ目は、後々に「魔人」と称される、人ならざる力を持っているということ。
そしてもう1つは……その6人は、その能力を恐れた国家権力者によって、排斥されたということ。
彼らは全く違う出身地だったにも関わらず。