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6.想定外だった彼の想い
これは罪に問われるのか?
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(え……この状態で?)
今の現場は、側から見ればなかなかの修羅場。
見た目さえ違えば、韓国ドラマのワンシーンと言われても何ら不思議ではない。
そしてそんな中で……カサブランカという存在の破滅を確定させる存在の王子が入ってくる。
確かに、使用人が主人に粗相して謝罪をするということ、そして主人が使用人に罰を与えるというシーン自体は、御伽噺の中でさえよく見かける光景なので、なんら不思議ではないのかもしれない。
だがしかし。
自分でも色々ありすぎて忘れそうになっているし、もしかすると仮説自体が間違っている可能性も、0ではないが。
まだ自分がカサブランカとして破滅させられる可能性も十分残っている。
自分が無事でいるためには、伽の成功が第1優先。
こんなことで、万が一伽が中断でもされたら……ちょっと怖い。
扉の外から
「王子が入室してもよろしいでしょうか?」
とお伺いの声がする。
「あの……そろそろ起き上がって……」
そう私が声をかけても、おそらく聞こえていないのだろう、全く動くけがいがない。
(いや、これまじどうするよ)
本物のカサブランカだったら、どうするのだろう。
ここで無理やり立たせるのだろうか。
前世の私ならばなんの迷いもなく
「こらこら~迷惑だから立とうね~」
と、軽口を言いながら立たせただろうが……。
(やっぱり、中身が急激に変わると、怪しまれるよな……)
昨日やらかした、カサブランカとしてであれば奇妙すぎる発言をしたことはさておくとしても、だ。
魂の中身が急に変わる……という前提条件が存在することを、この世界の人は認識しているのだろうか。
もししていたとして、カサブランカの中に全く別人の魂が入っていたとして。
もしそれがバレた場合、私は何かの罪に問われてしまうのだろうか。
例えば……体乗っ取り罪とか?
……これは……現世で言うとどの罪に近しいのだろう……。
盗み?それとも……殺人……?
でもノアの話だと、別人の魂を体に入れた場合、体にあった元の魂は消えるというわけではなさそう。
(だから、カサブランカの魂を探せと言ったわけだし)
ということはやはり、盗み……?
でもこの国の盗みの罪の最高刑罰は……死……。
(うん、バレるよりは、バレない方が安全かもしれないな)
やはり……できる限り、カサブランカとして振る舞うことを努力しよう。
前世の私臭は、極力消し去ろう。
なのでこの場合は、ちゃんとカサブランカっぽく対処しなくては。
そう考え、記憶を巡らせていると
「アザレア!何をしているの!」
鏡の部屋から、アザレアの上司らしきメイドが顔を青くしながら駆けつけ、アザレアを無理やり立ち上がらせた。
このメイドの名前は……知らない。
記憶にも、小説にもなかったから。
「申し訳ございません、カサブランカ様。この者はしっかり教育させていただきますから」
聞き取るのが大変というほどの早口で捲し立ててから、アザレアを無理やり鏡の部屋へ引き摺るように連れて行った。
嵐のように、あっという間に過ぎ去ったピンチを見送りながら
(そもそも、鏡の間って……中どうなってるんだろう……)
カサブランカは、特に中を覗いたことがないようだったが、早速現世の私の旺盛すぎる好奇心が顔出しそうになる。
(異世界転生って……話で読むよりずっと大変だな……)
異世界転生とかよく聞くけど、ここら辺のシステムってどうなってるんだろう。
ストーリーとして楽しむ分にはときめき萌えポイントが数えきれないほどあるが、実際はときめきどころか、焦りと恐怖心が強い。
他の転生した現世人がもしいたら、お目にかかりたい。
できれば女子会でもして、解決法の情報交換をしたい。
などと妄想までしたところで。
「失礼します」
と、問答無用で外へ繋がる扉が開いた。
伽の姿をしたエディ王子が、急に視界に入る。
その瞬間、私が思い出したのは、噴水でのあの……未遂事件(?)
カサブランカが鼻血を止める魔法を知らないか、全力で記憶を探った。
今の現場は、側から見ればなかなかの修羅場。
見た目さえ違えば、韓国ドラマのワンシーンと言われても何ら不思議ではない。
そしてそんな中で……カサブランカという存在の破滅を確定させる存在の王子が入ってくる。
確かに、使用人が主人に粗相して謝罪をするということ、そして主人が使用人に罰を与えるというシーン自体は、御伽噺の中でさえよく見かける光景なので、なんら不思議ではないのかもしれない。
だがしかし。
自分でも色々ありすぎて忘れそうになっているし、もしかすると仮説自体が間違っている可能性も、0ではないが。
まだ自分がカサブランカとして破滅させられる可能性も十分残っている。
自分が無事でいるためには、伽の成功が第1優先。
こんなことで、万が一伽が中断でもされたら……ちょっと怖い。
扉の外から
「王子が入室してもよろしいでしょうか?」
とお伺いの声がする。
「あの……そろそろ起き上がって……」
そう私が声をかけても、おそらく聞こえていないのだろう、全く動くけがいがない。
(いや、これまじどうするよ)
本物のカサブランカだったら、どうするのだろう。
ここで無理やり立たせるのだろうか。
前世の私ならばなんの迷いもなく
「こらこら~迷惑だから立とうね~」
と、軽口を言いながら立たせただろうが……。
(やっぱり、中身が急激に変わると、怪しまれるよな……)
昨日やらかした、カサブランカとしてであれば奇妙すぎる発言をしたことはさておくとしても、だ。
魂の中身が急に変わる……という前提条件が存在することを、この世界の人は認識しているのだろうか。
もししていたとして、カサブランカの中に全く別人の魂が入っていたとして。
もしそれがバレた場合、私は何かの罪に問われてしまうのだろうか。
例えば……体乗っ取り罪とか?
……これは……現世で言うとどの罪に近しいのだろう……。
盗み?それとも……殺人……?
でもノアの話だと、別人の魂を体に入れた場合、体にあった元の魂は消えるというわけではなさそう。
(だから、カサブランカの魂を探せと言ったわけだし)
ということはやはり、盗み……?
でもこの国の盗みの罪の最高刑罰は……死……。
(うん、バレるよりは、バレない方が安全かもしれないな)
やはり……できる限り、カサブランカとして振る舞うことを努力しよう。
前世の私臭は、極力消し去ろう。
なのでこの場合は、ちゃんとカサブランカっぽく対処しなくては。
そう考え、記憶を巡らせていると
「アザレア!何をしているの!」
鏡の部屋から、アザレアの上司らしきメイドが顔を青くしながら駆けつけ、アザレアを無理やり立ち上がらせた。
このメイドの名前は……知らない。
記憶にも、小説にもなかったから。
「申し訳ございません、カサブランカ様。この者はしっかり教育させていただきますから」
聞き取るのが大変というほどの早口で捲し立ててから、アザレアを無理やり鏡の部屋へ引き摺るように連れて行った。
嵐のように、あっという間に過ぎ去ったピンチを見送りながら
(そもそも、鏡の間って……中どうなってるんだろう……)
カサブランカは、特に中を覗いたことがないようだったが、早速現世の私の旺盛すぎる好奇心が顔出しそうになる。
(異世界転生って……話で読むよりずっと大変だな……)
異世界転生とかよく聞くけど、ここら辺のシステムってどうなってるんだろう。
ストーリーとして楽しむ分にはときめき萌えポイントが数えきれないほどあるが、実際はときめきどころか、焦りと恐怖心が強い。
他の転生した現世人がもしいたら、お目にかかりたい。
できれば女子会でもして、解決法の情報交換をしたい。
などと妄想までしたところで。
「失礼します」
と、問答無用で外へ繋がる扉が開いた。
伽の姿をしたエディ王子が、急に視界に入る。
その瞬間、私が思い出したのは、噴水でのあの……未遂事件(?)
カサブランカが鼻血を止める魔法を知らないか、全力で記憶を探った。
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