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5.私の本当のミッション

全ては、明日までに

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(私の執事になって、色々サポートして欲しい)

そう、提案しようとした。

そもそも、だ。
どんなブラック企業だって、ここまで大量の情報を一瞬で覚えろとは、言わないだろう。
カサブランカの脳味噌ポテンシャルは知らん。
ただ、私と言う人間の記憶力は、好きなものはがっつり覚えられるが、興味のないことはまるでスポンジの如く、吸っては吐き出す状態。
ちなみにこの世界については、小説は大好きだったので、小説の内容はほぼ丸暗記状態だが、小説に書かれていない要素については、なぜか頭にあまり入ってこない……。
興味がないわけではないのだけど……。
頭に、もやがかかっているみたいで……自分の中にちゃんと知識が消化しきれない。
だったらいっそ、色々なことを知っていそうなノアに側にいてもらい、アドバイスを受けた方が、ちゃんとこの世界を知ることができるのではないか……と、考えた。

ところが、その提案をしようとした時、邪魔が入った。

「カサブランカ様」

どこから現れたのか。
ノアと私の間に、いつの間にかアザレアが立っていた。

「おや、アザレア嬢ではないですか」

私の代わりにノアが声をかけた。
アザレアは顔を少し赤らめたかと思うと

「まもなく、伽のお時間となります。お部屋で支度をしましょう」

と、私とは目も合わせずに告げた。
ふと空を見ると、いつの間にか夕方になっていた。

「こんなに長い間、話してしまったんですね」

ノアはそう言うと、アザレアの頭を軽く撫でると、アザレアは恥ずかしそうに俯いた。

「さて……では私はそろそろ行かなくては……」
「え!?」

(行くって、どこに!?)

まだ、何もわかっていない。
ノアは色々勝手に話したけど……カサブランカの魂を探せとか言ったけど……まだ私、何も理解できてない。
そんな中で、今置いてけぼりにされたら……。

「待ってノア!」

私は、アザレアが驚くのも気づかずに、声をあげた。

「私、この後どうすれば……!!」

ノアは、私の問いかけに対し

「こちら側、に来ていただく覚悟がおありでしたら、明日伽が終わった後でまたお会いしましょう」

と言った。

「どう言うこと!?」
「全ては、明日までに整えておきます。それまでどうか、素敵な夜を……お過ごしください」

ノアは私の額に軽いキスを落とすと、さっと空気の中に溶けたかのように、去っていった。


明日……何が起きるの……?
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